8.幼児生活の陶冶

こういうことで、幼児の諸能力がだんだん発展されて来るのでありますが、 幼稚園は、同時に幼児性格ということにも重きを置かなければなりません。

 ここに幼児生活の陶冶の問題が起ります。 それは人間の教育である以上、もちろんのことです。

ただこの陶冶の問題について、 何か特別な方法を講じて、胸治の目的を達して行くべきだ、という風に思われている向きがないでもなかったのであります。
しかしながら、私は、幼児生活が性格をされて行くことにおいても、これまた今まで考えて来たと同じ順序において行われるべきものだということを、ここであわせて言って置きたいのであります。

たとえば、意志が強くなって行くとか、感情が洗練されて行くとかいうようなことも、子供自身の自然にやっている生活をこの真に従って保育していく間に伴い生ずるものとして考うべきことと信ずるのであります。

幼稚園において実際行われて来ます陶治は、どこまでも、幼児の生活にしたことであるべきなのであります。

人間の意志は幼児においてどれ位の強さにまで進んでいくべきかということは、目的の方から出て来ることです。

どうも、一般的道徳規準というものに重きを置き過ぎて、子供の生活に基づいて、結果を考えてゆくという風がすくないのであります。

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