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MIUロス

以前、「MIU404がおもしろい」というnoteを書きました。

久しぶりに1時間ドラマで最初から最後までハマりました。

でも、終わっちゃったね…。
ロスですよ、MIUロス…。

後半になるにつれ、スピード感と感情を揺さぶる場面が多くなり、見直しが増えました。後半3話は、長男もハマって、二人で真剣に見ていました。

前回は4話までの自分のお気に入り場面を書きましたが、余韻を楽しみつつ、ロスをかみしめつつ、5話以降の個人的にグッときたポイントをあげてみます。

第5話 「みんな日本行きたい。でも日本は私たちいらない。ほしいのは働くロボット」

コンビニ強盗事件ですね。コンビニで働いてた外国人留学生のマイちゃんのセリフ。
外国人留学生の問題、ニュースや報道である程度は知っていたけど、なんだかこうやってドラマでその現状を知ったりみたりすると、ホント、ひどいもんだなぁと思いました。

でもさー、もちろん外国人留学生にもずいぶんひどい仕打ちをしてるんだけど、日本人が日本人に対しても同じようなことをしてる事例はごまんとあるワケです。「企業では人は歯車」とか「文句言わず言われた通りにやる」とか日本人が日本人に対しても使うしね。

「だから留学生も我慢しろよ」っていうことではもちろんなくて。
不当に賃金が低すぎたりひどい扱いをする仕組みや制度というのは見直していかなきゃいけないんだと思うんです。でももう、留学生だけじゃなくて日本人と日本人同士でも同様のことがたくさんおきてると思うので、そういうのも全部ひっくるめて、仕組みや構造を変えていけたらいいのにね。
もう全体的に日本は貧困国になってきてるんだなぁっていうのをすごく感じちゃいましたわ。余裕がないのよね、人にも組織にも。

あと、志摩が水森さん(渡辺大知)に
「俺はいま何十万人の話をしてない。マイさんの、一人の人間の話をしてる。日本に憧れてやってきた、一人のたった一回の人生の話」
って言ってたのが響きました。
変なカテゴライズよりも、まずは近くの人と誠実に優しく接していかねばならんな、と。生きるうえでベースとなるのはすぐ近くの人との関係性だもの。

第6話 伊吹が桔梗に語ったセリフと陣馬さんのセリフ

みんなが気になってた志摩の過去の話。この回は良かったわぁ…。そのなかでも伊吹の桔梗に語った「1個1個全部がスイッチ」とか「大事にしてえの。諦めたくねえの」とか、超よかった。沁みたー。
綾野剛、演技うますぎる。

個人的には、伊吹と九重が志摩の過去を一緒に調べてて、伊吹・九重・陣馬で飲んでるところからの、シャワー浴びて着替えた九重も良かった。赤いトレーナー姿。普段とのギャップにきゅんとしましたよ、おばはんは。

で、この回ですんごく好きなのが九重と陣馬さんの会話。ざっくりこんな感じだったはず。
九重:「自分だったら志摩さんに言えたかな…。自分が使えないやつだって認めるのは怖いですよ」
陣馬:「間違いも失敗も言えるようになれ。ばーんとあけっぴろげによ。最初から裸なら怖いモノなんてない」
この回のなかで一番好きなセリフだし、全体を通しても1、2を争うレベルで好きなセリフ。

この時の陣馬さんの顔がいいのよーーー。いや、この時に限らず陣馬さんの顔はいつもいいんだけど、ホント、とくによかった。慈愛と優しさに満ちていた。

こういうセリフを言える大人になりたいし、間違いも失敗もいいやすい雰囲気を作れる人になりたい。


第7話 「ここにいらないものなんて置いてないよね」「宝物、置いてあります」

トランクルーム殺人の回。わちゃわちゃしてて面白かった。過去の事件の時効をトランクルームで待つおっさん(名前忘れた)が
「いらないものを置いておくこの箱で生き続けてなんの意味があるのか」
って嘆いたセリフに対して、女子高生二人が言ったのが「いらないものなんて置いてない」ということば。
人によって解釈や捉え方って全然違ってて、それがものすごくシンプルにわかりやすくわかるなーと思いました。
捉え方次第で真逆になる。

この回は、陣馬さんファミリーも出てきてほっこりしたし、九重も陣馬ファミリーにいいフォローしてるし、志摩と伊吹が最後に警棒で戦うところはかっこいいし、最後にりょうたちが踊ってるしで、8話以降の怒涛の展開を前に、明るく楽しくみれた回だった。

第8話 「あの子に…、伊吹に伝えてくれ。お前にできることはなにもなかった。なにもだ」

がまさんの最後のセリフ。
いや、もう悲しくって泣いたよ…。
長男も泣いてたよ…。

がまさんを演じた小日向文世がすごかった。
ほんと、素晴らしいね小日向さん。
あの優しい顔で、いい人も怖い人も演じられる。優しい顔で怖いとほんと怖い。
ただただ感嘆。

6話で、香坂に手を差し伸べられなかったことを後悔し続けていた志摩が、8話の最後、屋上で伊吹に手を差し伸べたのにもぐっときた。
相棒感、MAXだ。

第9話 間に合った!

最初から最後までずっとおもしろかった。
映画みたいでした。

私、成川くんがずっと気になってたんですよ。
成川くん、もともとは陸上で活躍してた人なのに、歯車が狂って狂ってどんどん悪い方にいってるかんじがすごくつらくて。

彼のような人を糾弾したり、「弱いやつ」と判断する人も多いんだろうけど、私は彼の落ちていくさまは、ものすごいリアルだと思う。

私の息子たちだって、なんかスイッチが1個ずれてしまったら成川くんのようになるかもしれない。
自分で人生のスイッチを動かすこともできるだろうけど、コントロールできないスイッチもたくさんあって、正しいほうを選べるかはそのときの心の状態とか周囲の状況とか運なんだと思う。正しいかどうかもその先の選択でまた変わるし。
それがおもしろくもあるけど、おそろしくもある。

だから、もちろん悪いことを色々してしまったけど、成川くんがバカだとも愚かだとも思えなかった。人はみな簡単にあんなふうになる。
最後に九重に助けられて「全部聞く」って言ってもらえてほんと良かったよ。

あとはやっぱ志摩と伊吹の「間に合った」の抱擁でしょう。
間に合ってよかったよ。ハムちゃん無事でよかったよ。

第10話 「機捜うどんは冷めてもうまい」

私と長男が夢中になってみているので、とうとう夫も見始めた第10話。

このセリフは、酒を飲んでちょっと泣いてる隊長(麻生久美子)の「ごめん、うどん冷めちゃうね」に、志摩が返したセリフ。

夫、ここの場面を見て「かっこいい…」と呟いてましたよ。

この後、メロンパン号で迎えに来てくれた伊吹に隊長との恋について聞かれ、なんにもなかったと言い、笑う志摩と伊吹。良かった。志摩が笑うとキュンがとまらない。

久住を演じる菅田将暉がどんどん輝いてきてましたね。
悪い菅田将暉がいい。

最終話 「生きて俺達と苦しめ」「お前たちの物語にはならない」

久住を追い詰めたところで、志摩が久住に言った言葉と、病室での二人の取り調べに対して答えた久住のセリフ。

「俺達と」ってのがいいなーと思いましたよ、私は。
苦しいのも虚無を抱えてるのもお前だけじゃないよっていう思いとか、一緒なんだよっていう思いとか、なんとなく優しさも含まれてる感じがして。

あと、久住のセリフね。
こちらはちょっと気持ちいい。

私達人間てのは物語が大好きで、感動系のストーリーを見れば、わかっていてもやっぱり感動してしまうし、事件があれば犯人のストーリーや背景を探ろうとしてしまうところがある。
なんでも物語にしてしまうのにはわかりやすいんだけど、やりすぎ感も感じる今日この頃。

でもそういう物語が作られるのを、ドラマのなかでも、このドラマをみている視聴者に対してもさせなかった。
それがなんだかスカッとジャパン。
久住、負けてないじゃんって思っちゃった。


書いてたらまた見返したくなった。
録画データ、消せない。


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