詩「リスペクト」

あなたは歩く

背筋を伸ばして

駅からの道を

いつも同じ頃に


あなたは知らない

私が いつもあなたを見ていることを

車通りの多い交差点 

いつもの店に入るあなたの背中


凍えるような雨の日も

熱射のゆるんだ夕暮れも

あなたは歩く

背筋を伸ばして


右手に白杖

左肩から鞄をかけて

誰にぶつかることもなく

うねる細道を疾風のように走り抜ける車の脇


あなたは歩く

背筋を伸ばして

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