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出会い系の女は 最悪のサイコパスだった

これはかなり前に、もうやっていないブログに投稿したショートストーリー。AI生成画像で雰囲気がある画像を添付出来るようになったのでリライトしてみました。怖いぞぉ😱

待ち合わせのカフェはメインストリートから細い路地に入った所にあった。よくあるフランチャイズの有名なカフェではなかった。見付けづらいかもと思って、スマホのマップで経路を確認していたのだけど、その必要も無かったくらい、あっけなく見つけられた。
 お洒落なお店だったけど、平日の昼前だったし、値段が少し高めのせいもあるのだろう、お客は少なめだった。言われた通りに窓際の席をとる。約束の時間よりも15分ほど早い。店の中を見回したけど彼女は来ていないようだ。
 スマホを取り出して彼女の写真を確認する。可愛い娘だったけど、過剰な期待は禁物だ。どうせ、修正加工してある事は間違いない。何しろマッチングアプリの中に、投稿する写真を可愛く修正するアプリが実装されてるくらいだ。本人かどうか、分かるといいのだけど。
 窓の外から、顔がよく見えるように座り直し、鞄から雑誌を取り出して読む振りをする。これまでの経験から、彼女はもう来ているはずだ。何処からか俺の様子を見ているに違いない。だからといって窓の外をキョロキョロ見たりしては駄目だ。がっついているように思われる。
 俺はスマートウオッチで時間を確認したよう仕草をすると、足を伸ばし雑誌を手に取った。余裕のあるように見えるはずだ。
 雑誌をめくっていると、思いがけず最近のマンションのインテリアに関する記事があった。仕事がら興味がある。つい本気で読んでいたので、彼女が来たことに気が付かなかった。向かいの席に女が座った。
 「 ずいぶん熱心に読んでいるんですね。何か面白いこと、書いてあります?こんにちわ 」

「 あっどうも。そんなに面白く無いですよ、仕事に関係した話だったのでつい。はじめまして、どうも。」
 不意を付かれてアッセってしまい、つい癖で名刺を出して渡してしまった。ダサい。
 彼女は名刺を親指と人差し指で摘んで、眼の前で、表にしたり裏にしたりして見ている。その様子から、ちゃんとした会社で勤めた事はあまり無さそうだと感じた。
 少し意外だったのは、マッチングアプリに投稿された写真と殆んど変わらなかった事だ。修正しなかったか、しても軽く画像を調整しただけみたいだ。際立った美人では無いが、親しみやすい安っぽい色気があった。どこか、AI生成画像みたいな顔みたいだった😉
 お互い軽く自己紹介をした。彼女は学校を出たあと、学校を出た後と言った、学校名は言わなかったし最終学歴についても触れなかったけど、専門高校の出だなと感じた。
 学校の紹介で入った職場は、男性社員からのセクハラが多く、下品で卑猥なジョークを毎日聞かされることにウンザリして、会社を辞め。今は非正規の仕事を、複数受け待つマルチワークをしているそうだ。収入は減ったが、今の方が楽しいと言っていた。
 しかし、経済的には苦戦しているみたいだった。着ている服は、上手く着こなしているけどファーストファッションのようだし、腕時計は、アクセサリーショップで販売されている綺麗だけど安いファッションウオッチだ。
 だけど俺は好感を持った。俺も大学を卒業したあとに就職した会社を辞めている。
 離職者の少ない安定した職場と聞いていた。確かにその通りだったけど、人の動きが無い分、社内には幾つもの派閥があり、不合理で意味不明な慣習が多かった。
 八つ墓村みたいな職場の風土に耐え難いものを感じて、会社を辞めたあとは転職を繰り返し、やっと今の職場で落ち着いた。不動産関係の情報を扱うIT関連の会社だ。社長は俺よりも若かったけど、話の通じる気さくな男で、偉ぶったところが全く無くて、上手くいっている。
 カフェを出たあとに食事に誘った。ハーブで味付けしたチキンステーキが美味しい店だ。アプリでチャットした時に、好みは聞いてある。好みの店にそのまま行くのでは無く、ちょっとサプライズを感じてもらおうと考えて選んだ。
 正解だったようだ。彼女は初めて食べるものだけど、とても美味しいと言っていた。食べっぷりを見ている限り、嘘はないと思えた。

食事を終えて、黄昏どきの街をぶらつき、日本の会社の悪口で盛り上がってた時に、彼女は、俺の方を見ずに夕日にオレンジ色に染まった雲を見ながら言った。
 「 話足りないな、もっと飲みたい気分だし。ねぇ、私の部屋に来て、もっといろいろと話さない。聞いてもらいたい事が沢山あるの。ここから、わりと近くなのよ、私の住んでるマンション。古くて綺麗な所じゃないけど、けっこう居心地は悪くないの。」
 もちろん、悪くなんか無かった。
   ( つづく )


 


 


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