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Level One Legacy: Mono-Red Prison

この記事は

Channel Fireball の赤単プリズン記事の要約(適当翻訳メモ)
時期としては2019年2月なので、ラヴニカのギルドが出て、灯争大戦が出る前。マイコカーンがもしかしたらプレビューされてるくらいの頃です。

はじめに

レガシーは参入が難しいフォーマットだ。カードプールは2万種を超え、メタゲームが固定化され、一部のカードの価格はMtGプレイヤーが誰しも買える、、、という値段ではなくなっている。もちろんレガシーは大変やりがいがあるフォーマットだ。このLevel One Legacy(レガシーことはじめ)シリーズでは、最初に手にするデッキ選びの手助けになればと思う。今週は、赤単プリズンを紹介しよう。

赤単プリズンとは

赤単プリズンは、相手に何もさせないプリズン戦略に特化したデッキだ。デッキの狙いは、様々な強力な妨害カードを使って、相手のカードのプレイそのものを阻害するというものだ。特にレガシーでよく見られる青の戦略に対して調整されている。

チャリス、三玉そして血染めの月がこのデッキの武器の代表格だ。デルバーデッキに言ってやろう

「チャリ1、通りますか?」

さて、本題に入ろう。

これらの妨害カードは、いくつかの圧を持つカードに支えられている。シリーズの他の記事でも触れたように、妨害に圧を加えた構成はレガシーフォーマットにおいて多くのデッキを打ち負かす最善の道である。そして、赤単プリズンはこの戦略を盛大に遂行するデッキである。三玉・チャリスの影響を受けず一方的にプレイされる強力な3、4マナ群によって、赤単プリズンは相手に何もさせないまま速やかにゲームを終わらせる。

ラブルと戦親分は高速かつ効率的な圧を持つカードだ。また、ハゾレトやチャンドラ、ナラー夫妻はコンバットを用いずにゲームに勝つ手段である。(罠橋を置いた時、特に重要になるカードだ)

赤単プリズンは、これらの高カードパワーの脅威を有することで、ーー例えば異なるXのチャリスを多数配置するなどでーー、相手を完全ロックする必要はない。

最後に、高マナ域のカードを早期にプレイする潤滑剤として、都、墳墓、モックスそしてゴリラといったカードが採用されている。これらはチャリス・三玉をなるべく早く、できるなら1ターン目に叩きつけるために採用されている。もちろんラブルを叩きつけるのもよい!

デッキの長所

青い軽量ドローを有しないにも関わらず、赤単プリズンは高い一貫性をもつデッキだ。基本的には1ターン目に、月か三玉かチャリスをプレイして、相手に解答があるかを問う。このプレイで対戦相手がゲーム開始前にロックされてしまうこともしばしばある。このデッキのリストは役割が重複しているカードが全体的に多い。(墳墓+都、ラブル+戦親分、月+メイガス)このおかげで、赤単プリズンは対戦相手を極めて早く、そして簡単にロックしてしまう。

赤単プリズンのリストは今日のレガシーフォーマットのメタにおいて、有利を取れる相手が多い。ピンポイントに偏った妨害要素によって、赤単プリズンはコンボデッキとテンポデッキを食い物にしている。前述した1ターン目の妨害が着地してしまえば、ブレストを用いる高速デッキの速度が圧倒的に低下するのは想像に難くないだろう。ブレストはレガシーを定義するカードの1枚だ。これに注目して考えるのは悪いことではないだろう。

赤単プリズンはクリーチャ主体のデッキにも有利となるゲームプランを持っている。罠橋はエルドラージストンピィのようなデッキの勝ち筋をストップし、何もできなくしてしまう。小型クリーチャを展開するデッキには、罠橋だけでなく、合流点で盤面を綺麗にしてしまうことだろう。

まとめると、赤単プリズンは、レガシー界に舞い降りたブライアン・ミルズのようなデッキだ。このデッキは極めて特殊なスキルセットをブレスト・ポンダーを擁する伝統的なレガシーデッキを悪夢に突き落とす。もし環境にデルバーやストームデッキが多いと思うなら、このデッキは良い選択だろう。

デッキの弱点

とは言ったものの、赤単プリズンに弱点が無いわけではない。このデッキは多くのデッキに有利を取れるものの、想定外の角度からの攻撃に対して無防備だ。具体的に言えば、赤単プリズンには賢明なレガシープレイヤーに悪用される、致命的な「要」がいくつもある。

赤単プリズンは、高マナ域のカードを叩きつけられることと、その前に妨害カードを通せることを前提としている。というわけで、1枚の脅威に依存した”オールイン”戦略は、相手に解答があった場合、瓦解していまう。例えば

セット山、モックスプレイ、ゴリラを加えた3マナから月をプレイ

というプレイに対して、月にカウンターを打たれれば、赤単プリズンにとって大打撃だ。プリズン側のプレイヤーはリソースの回復に多くのターンを費やすことになるだろう。

他にも相手のクリーチャ除去は、赤単プリズンに取って多大なる脅威である。ピンポイントの除去がこのデッキに対して刺さるし、赤単プリズン側はリソースを消費しているから結構なアドが取れる。

極め付けには、マナ加速さえできなければ、このデッキにはシナジーらしきものは存在しない。単に3ターン目に3マナの強いカードを唱えるなんてのは、レガシーで勝てる戦略では到底無い。

付け加えるなら、別に弱点というほどのことではないもののーーこのデッキを使う限りは、あなたはレガシーフォーマットが擁する多様性に触れることがない。このデッキはみんなが「パー」を出している世界で「チョキ」を出し続けるデッキだ。常にまっすぐに進むデッキであり、プレイの選択肢で迷ったり、テクニックで誤魔化すといったことについて、全くの無縁だ。

赤単プリズンの倒し方

赤単プリズンは妨害した後、脅威を叩きつけて勝つというプレイに一点集中したデッキであるから、このゲームプランを崩してしまうのは比較的簡単だ。
どういうことかといえば、相手の妨害を乗り越えるか、脅威を無力化するかしてしまえさえすれば、このデッキはあなたに対して大した問題でなくなる。要するに、赤単プリズンを超えるデカブツを出すか、より早く動くか、妨害に対する解答を用意すればよい、ということだ。

FoWはレガシーにおける最も標準的な赤単プリズンに対する解答だ。赤単プリズンは「オールイン」デッキであるから、たとえ不利な2:1交換であったとしても、何ら問題ない。 FoWは赤単プリズンの要を崩すのに常に有効で、そして赤単プリズンにはこうした要がたくさんある。

もしあなたが、大型クリーチャを使うデッキならしめたものだ。赤単プリズンはあなたのデッキに対して、多かれ少なかれ罠橋を頼りにプレイしている。ということはだ、アーティファクト破壊さえ引ければ、ダメージを通していけるようになる。

コンボなら、月と三玉をなんとかする手段を入れておこう。そうすれば、そのうち「脱獄」して、逆転勝利となるだろう。速度にこだわる必要はそこまでない。

赤単プリズンが攻勢に出ようとするところで、こちらから脅威を叩きつけていって、赤単プリズンに防御的な行動をさせるように仕向けよう。1ターン目にロックが決まらない時はスピード重視で動くことは、大抵の場合赤単プリズンに対してうまくいく。

赤単プリズンに対して、強気にプレイすることは有効なやり方だ。前向きにプレイしていくことで、相手のロックが決まるのを防ぐチャンスが生まれていくのだ。この姿勢を忘れずに、あとは先攻が取れることを祈ろう!

感想

記事が書かれたのが灯争カーンがない頃で、当時の赤単プリズンは三玉4枚搭載、罠橋2,3枚をメインに入れて、ラブルで打点を稼いだあとは神チャンドラでとどめを刺すというプレイを取っていたみたいです。(ロンドンマリガンの採用も影響しているかも)カーンの登場で、多様なアーティファクトがサイドボードから登場するため、ここで書かれているほどオールインなデッキでは無くなってきているのかなと思っています。

赤単プリズン側も、先攻1ターン目にWillが飛んでくる可能性は常に考えています。2マナ土地、モックスセットからの月に対してFoWでカウンターされれば、実際使っているリソースはモックスへの刻印だけなので、2:2交換でマナ加速ができている分有利、くらいの感覚でプレイし、二の矢が通せるような構成になっているように思います。

こうした灯争大戦後の影響については、メタゲームやサイドの紹介の時に、また何か書けたらと思います。


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