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[翻訳][デスタク][レガシー]Death And Taxes For Eternal Weekend 2021 Vol.1 -ヨリタク基本編-

皆さん、ごきげんよう。

今回は、デスタクのトッププレイヤーである@XJCloudことJohn Ryan Hamiltonさんのエタパに向けたデスタクの調整についての記事を何回かに分けて紹介したいと思います。

はじめに


ヨーリオンを採用した80枚構成のデスアンドタックス(以下ヨリタク)はレガシーにおけるデスタクの歴史においても極めて高いデッキパワーであるとともに、私が2013年以降見たデッキの中でも最高の一つであるといえるでしょう。

モダホラ2のリリース以降、ヨリタクは3回の優勝を果たしており、多く入賞も果たしています。一方、60枚構成はというと、時々top32に入るのがやっとといったところでしょうか。

ヨーリオンはデスタク界の救世主であるとともに、60枚構成を過去のものにしてしまったと言っても差し支えはないでしょう。

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予算やこだわりを持って60枚構成を続けるデスタクプレイヤーを決して下に見ているわけではありません。60枚構成はもちろん現役の勝てるデッキではあると思います。

が、最高のデスタクを目指すならヨーリオンを採用するほうが絶対にいいと思っています。

ヨーリオンを強く推す理由については、ちょうど1年前に書いたこの記事が参考になるでしょう。


モダホラ2で多くの強力なカードが登場した現在の環境においても、基本的にはこの記事で書いたことに、概ね変わりはありません。

さらに言えば、《虹色の終焉》によって、バイアルの信頼度は相対的に下がっており、さらに「初手に絶対あって欲しい」カードでなくなっています。(80枚構成によって、初手に引く確率が減ることはさしたる問題ではない)
またパワフルなクリーチャーも多く、相棒条件の20枚追加によって、デッキパワーが劇的に下がるといったこともありません。

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ヨーリオンに必ずアクセスできるということは、孤独やカルドラプレートとの相互作用も相まって、対フェアデッキとのマッチアップの優位性を劇的に高めています。

こういう御託はおいておいて、モダホラ2がリリースされて以降の4ヶ月間のヨリタクの戦績を見れば、ヨーリオン採用の優位性は明らかでしょう。この記事を読んで、現在のヨリタクを理解し、Eternal Weekend 2021に備えましょう。

ヨリタク基本構成

私が長く使っていたヨリタクのリストはこんな感じです。

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60枚構成の装備品以外をそのまま4枚に拡張して、土地の枚数調整すると大体77枚から78枚になります。というわけで、それぞれのカードについての細かな説明は不要でしょう。ここでは、モダホラ2で追加された《カルドラの完成体》と《孤独》について、追加で考察しようと思います。

カルドラの完成体

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《カルドラの完成体》自体は、ヨーリオンとの強い相互作用はありませんが、「4/5の《ちらつき鬼火》」が初期手札に常にあるのは優位点の一つといえるでしょう。

《剣を鍬に》や《虹色の終焉》によって、カルドラプレートがついている細菌トークンはしばしば追放され、7マナの置物が残されるだけになりがちです。ヨーリオンでブリンクすれば、ボードに9点のクロックを追加できるでしょう。

孤独

一方の《孤独》はといえば、60枚構成に比べて極めて高い親和性を持っています

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1. 除去のかさ増し
80枚構成になることで、除去が薄くなることは避けられず、《剣を鍬に》が引きにくくなるのは悩みのタネでしたが、《孤独》はこの問題を解決しています。

2. ハードキャストの増加とブリンクによる再利用
ヨリタクのゲーム速度は遅めであるため、《孤独》を素でキャストする機会が増えています。更にはヨーリオンでブリンクすることで再利用できるため、ヨリタクにフィットしていると言えるでしょう。

3. 「バイアル5」が活きる
ヨーリオンとマナ総量が同じ5であるため、使いみちを失った「バイアル5」を利用できるというのも注目するべきポイントです。

4. 3マナで想起コストを確保可能
相棒が手札に入るようになったので、ヨーリオンが役に立たないマッチアップを《孤独》の想起コストに使えるのもよいですね。

トータルでみて、《孤独》はヨリタクと相性が非常によく、60枚構成に水をあけるに至った重要なパーツであると言えるでしょう。

自由枠

さて、60枚構成の拡張で77枚の枠は埋まりましたが、残りの3枚について考えていきましょう。

色々試してみたのですが、現在のリストでは《聖戦士の奇襲兵》と《永久のドラゴン》2枚に落ち着いています。

《聖戦士の奇襲兵》

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私は、デスタクの構築において、《護衛募集員》のサーチ先としてあまりにニッチなカードは採用したくないと思っていますが、《聖戦士の奇襲兵》はデスタクが長く求めていた能力を持っています。

欲を言えば、白い《再利用の賢者》があればと思うのですが、起動型能力であるがゆえに、最近デスタク対策として採用されている《倦怠の宝珠》を割ることができますし、《スカイクレイブの亡霊》で触れないカード(《ウルザの物語》《殴打頭蓋》《サメ台風》《全知》などなど)に触れるカードがデッキに入ることで対応力が高まるのは歓迎すべきことでしょう。

《永久のドラゴン》

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「ん?《永久のドラゴン》?」と思った方もおられるかもしれませんね。ヨリタクを長い間回してきて感じることは、マナを伸ばすことが非常に重要ということです。

このデッキの土地は最低でも33枚は必要だと感じています。(60枚換算で24.75枚)《永久のドラゴン》は、《地平線の梢》のような、ゲーム後半に価値を持つ「土地換算できるカード」として優秀です。(xJCloudさんは、梢を完全に1マナのドロースペルとしてカウントしています)

ヨリタクは5から6、時には7マナを必要とするデッキです。ヨリタクで《地平線の梢》はマナを減らす志向であり、また失うライフが少なくないため、採用を嫌っているカードであります。

《永久のドラゴン》はゲーム序盤では土地にアクセスでき、後半にはカウンター不能な4/4の飛行クリーチャを繰り出すことができます。

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4/4飛行というサイズは、《ドラゴンの怒りの媒介者》をブロックすることができつつ、《稲妻》圏外であるという強みを持っているカードです。確定枠、というほどではありませんが、33枚目の土地を入れるくらいならこのカードを1枚か2枚入れておくほうが良さそうです。

《廃墟の地》

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最後に、《廃墟の地》は、私がこのデッキの自由枠と考えているカードです。ヨリタクの初期のリストでは、多くの《平地》を採用し、白マナの安定性を高めたマナ基盤を構築していたのですが、《不毛の大地》及び《リシャーダの港》にアクセスしにくくなったことが問題となってきています。

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モダホラ2では強力な土地《ウルザの物語》が登場しました。今日のレガシーでは様々なタイプのデッキが《ウルザの物語》を採用しており、無視できない存在です。これに対応するために、追加の土地ヘイトの採用が必要と考えました。

《幽霊街》は採用候補ではありますが、《永久のドラゴン》の説明で話した通り、このデッキはマナを伸ばすのが重要であるため、《廃墟の地》のほうがより適していると思います。

また、この土地によるサーチ&シャッフルは強制なので、《思案》や《渦まく知識》あるいは《親身の教示者》で積み込まれたカード(《終末》など)を擬似的に打ち消すことができる、なんていう効果も期待はできます。あくまで「おまけ」の効果ですけれども。

その他の選択肢

これ以外にもメインデッキを丸くするために使われている代表的なカードを紹介します。

・《魅力的な王子》
・《ルーンの与え手》
・《歩行バリスタ》
・《流刑への道》
・《コロンドールのマンガラ》(あまりオススメしないです)
・《宮廷の看守》(もっとオススメしないです)

これらのカードにはそれぞれのメリットがあります。色々試してみてください。マジックは最終的には自分の好きなカードで楽しむものであり、デッキの最後の2スロットが世界に大きな影響を与えることはないでしょう。

しかし、「Eternal Weekend 2021」のような大規模なメタに向けてデッキを最適化したいのであれば、私は今回紹介したリストにとても満足しています。

終わりに

長くなってきたので今回はここまで。この記事はこの後、《ウルザの物語》採用型のヨリタクと、そのサイドボードについての紹介が展開されていきます。

まずは、ベーシックなところを抑えて、ぜひヨリタクを楽しんでみてください。

ヨリタクに関する記事は、私のマガジン「レッツヨリタク」にもまとめています。

https://note.com/mokezo/m/m38e5f5145c98

今回も、結構ぶっ飛ばしながら翻訳しています。もし、ニュアンスが明らかに違うだろうと言った所があれば、記事にコメントいただくか、@noyaまで連絡いただければと思います。

それでは今日はこのへんで。特にオチもなく終わる。

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