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腑に落ちたと思い込んだ移住田舎暮らしから1年経って腑に落ちなくなって融合作業に入ったお話

移住して1年が経ち、田舎へ移住した人しか分からない気持ち(?)を書こうと思います。田舎暮らしに必要と思われる心構えと順応の仕方と言えば良いのでしょうか。そう思っているのはteco(私)だけかもしれませんし、もしかしたら批判されるかもしれません。けど、今後の活動のために残しておこうと思います。


腑に落ちたお話

人との会話が苦手で、なかなか腑に落ちるような密なお話ってできないし、機会自体少ないtecoです。でも、移住から3か月ほどで腑に落ちざるを得ないような現実に遭遇しました。

希望のない移住からのスタート

ちょうど一年前、家族を関東において実家の移動と共にtecoだけ岩手県岩手郡雫石町に移住してきました。小岩井農場や温泉で有名です。でも、当時の気持ちを超ハショッて表現すると、1か月で8kg痩せるほどの希望のない移住でした。

もちろん、そんな気持ちのままではダメだってことは分かっています。生きていくために働いて町にも溶け込まなきゃと思うものです。

で、あれやこれやと活動していくうちに、Nocodeツール「adalo」で無人直売所のマップアプリ「しずちょく」(リンクでアプリにジャンプします)を作ったんです。その過程で作物生産者の方の言葉や近所の小ネタ、町の情勢など色んな情報が集まるようになったのはなんとなく想像できると思うんですが・・・。

移住から永住へという覚悟

このアプリができる8年くらい前に紙媒体の産直マップを地域ぐるみで手掛けたメンバーの一人とお話する機会がありました。でも、実はteco、その時すすり泣いたんです。

「町民に認められたいなら永住覚悟、子孫も永住するくらいの覚悟を」

くらいの重い言葉に無理して「はい」って答えたこと、そして、そばに家族がいない寂しさや辛さからの感情でした。「だよね。地域に認められるってそういうことだし、家族すら説得できてないって情けないことだし。溶け込むなんて先の先の夢のようなことかもしれないよね」

腑に落ちてしまったこととは、田舎に移住永住することに対する試練みたいなアドバイスでした。地元民に言わせれば「当たり前」ってことかもしれません。でも、それがこの一年で完全に崩れたんです。

腑に落ちなくなったお話

今、町の助成金事業として内定を頂いた「アプリタウン雫石プロジェクト」を抱えています。リンク先はtwitterアカウントです。モバイルアプリを使った世に言う「まちづくり・地域おこし」みたいなもので、町の状況が徐々に見えるようになったこともあっての挑戦です。

移住者だからなのか?

なぜ、アプリを町に広めようとしているのかというと、

  • 町に唯一ある高校はここ数年新入生が20名くらいしか入らない

  • 町の人口が20年で4分の3に減り、今後10年で半分になると予測

  • 町の出生数が10年で半分以下に減り、子供の数も減少

  • 自然豊かな観光資源の宝庫、かつ潜在的な魅力も持つ

  • プログラミング不問でモバイルアプリ開発が誰でも始められる

地域活性化のためにすでにアプリ活用を導入している行政や市民団体は全国にあります。それに近い形で、というよりもっとシンプルに「町民みずから町を遊び町を発信する」ような形ができたら良いなと。もしこれができたら、自然と町の活性化に結び付くと思うんです。変に予算を掛けず、難しい書類やら承認やらも省いてしまって、何より町民自らが動けるって理に適った活動だって思うんです。っていうことが移住者だから感じるのか、明らかに先住民と移民との考え方の違いというか、温度差は明らかにあります。

逆に考えたほうがいい

ふと活動しながら一年前に言われた事が脳裏に浮かびました。と同時に、こんな反論も返ってきたんです。

「(tecoよ、無理にこの町にいる必要はないんだ。逆もありき)」

ちょっと考えたらその意味はすぐ分かりました。

例えば、町に溶け込まなければならないのが移住永住だっていう町にtecoは住みたくないです。町を歩けばなんてことなく普通に挨拶してくれる子供たちやおじいちゃんおばあちゃん。都会ではなかったことで新鮮でした。ところが、町民権を得ようとすると町に溶け込まなければ叩かれるというお話、全国でも結構あるんですよね。そんな町に住みたいと思います?

例えば、tecoのお仕事は建築模型製作。ネットだけで受注を頂き、道具材料さえ揃えばどこでもできるお仕事だと思っていました。けど、そうじゃなかったんです。先月2件、今月も1件起きたことですけど、大きな案件が決定直前でなくなったんです。「途中経過を直接見ることが困難だから」という(暗な)理由でです。ネット社会でも田舎じゃ仕事は成り立たないって痛感してしまうんです。もちろん、収入減に直結です。

例えば、町全体が大自然に包まれ、時間が止まったかのような原風景で一杯です。でも、冷静に見ると、町の現実社会までもが過去から動いていないように見えてきたんです。「この町、時代に全くついていけてないよね」ってヒシヒシと感じるんです。レガシー(過去の遺産)に縛られているというか、呪われているというか・・・何か頑張ってたり新しいことしているように見えるけど、「えっ?」って思うことが多いのはtecoだけなんでしょうか?

結論、おすすめしません

tecoの場合、選択する権利のないまま移住してきましたけど、もし、これから移住を考えている方がいらっしゃったら、移住永住は以下の3つを上手くクリアできる方に限ったほうが良いかもしれません。

  • 求められることが重い

  • 仕事の維持が困難

  • 時代に順応していない

移住後、町内会費が2,000円/月ということを知ったある移住者は、その異常な金額に憤慨しつつ、数年掛けて1,000円/月まで落とすことに成功しました。それでもまだ高いですよね。tecoの地区では400円×8ヶ月が年会費ですもん。この時、「全国町内会費比較アプリ」でも作ろうかと本気で思いました。聞くと、全十数世帯の小さな町内会の交流が主な理由でした。でも、フタを開けると、ほんの数名のじい様たちが集会所で飲んだくれるだけ。「昔ながらのしきたり」のある意味悪用でしょ。こんな引っ越してみないと分からないようなことに「永住覚悟で」って言われるのってきついです。

融合(順応)して楽しむ

とはいえ、tecoに「永住覚悟で」とアドバイスしてくれた方は真剣だったと思います。彼は大学で都市計画を学び、それを実家の農業に活かしつつ地元の何らかに寄与しようと本気の活動をしています。尊敬できる人物です。だから、頂いた言葉は大切にしつつ、一年経って府に落ちなくなったけどできることはあるかなと。

  • 暮らし方の融合

  • 働き方の融合

  • 風景の融合

思うんです。変わらなければならないのは自分で、相手に変わってもらうなんて思わない方が良いって。腑に落ちなければ腑に落ちるところまで変化しようと思うんです。

暮らし方の融合

今、シェアハウスや週末移住が増えていますよね。複数の拠点を持つことで様々な暮らし方が可能になります。複数の拠点から永住を決めることもできます。tecoも家族が住む町をもう一つの拠点にできれば、家族に無理に田舎暮らしを強要させる必要もないし、家族にとっても田舎が新たな拠点になり得ます。移住永住する者とされる者との関係も、それぞれがちょっとずつ変化して、それぞれの暮らし方が持続できる関係になれれば良いなぁと。

働き方の融合

建築模型のお仕事は正直なところ地方ではおすすめできません。でも、副業、複業、他のお仕事との融合ならやっていけそうです。建築模型のコミュニティを持っていますけど、この仕組みをちゃんとマネタイズしてコミュニティの中でもちゃんと収益が生まれるようになればと動き出しています。

風景の融合

tecoが住んでいる町は自然しかないような田舎町ですが、知らないことだらけでもあり今後が楽しみです。とはいえ、それらはあまりに孤立していて埋もれた状態といったほうが良いかもしれません。埋もれたものを発掘でき、かつ、毎日楽しめるのが町民の特権だとしたら、モバイルアプリ開発はこの町に町民にベストスキルと成り得るんです。すると、原風景を維持しつつ時代の流れを組み込んだ新しい町の風景が出来上がると思うんです。

まとめ

写真を1枚だけ掲載しています。teco本人です。雫石町にある町場地区園地でのひと時です。日帰りでテント張ってパソコン仕事するのにメチャクチャ良いところで、人っ子一人いない穴場(平日午前中は特に)。で、最近「ファスティング」×「ワーケーション」×「ソロキャンプ」=ファスケソロキャンというスタイルを独自で始めました。まだ日帰りですけど、今後は1泊できるキャンプ場でと思っています。

追記:40秒の動画も公開しました。
https://www.youtube.com/@FaskeCamp

どうです?仕事が自然の中でできて、こんな場所が沢山あるって素敵だと思いません?実はテントの中で模型製作もしたことがあるくらいです。もちろん、アプリ開発なんて余裕でできます。

大自然を崩すことなく気軽に、しかも仕事すらも楽しめる町。そんな仕掛けをドンドン落とし込む、こんな町に町民として暮らしていけたらと思っています。

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