見出し画像

Heya no Sumi no Bagatelle

bagatelle 些細な事/主に鍵盤楽器用の小品曲

部屋の片隅に古いシンセサイザーがあります。
隣にiMacもあって繋いで使ってます、とまで書くと、この人、作曲とかする人なのかと思われそうですが、残念ながら今のところできません。

置物と化してしまってたところを、電子ピアノとして使い始めました。
まだまだ、運指のリハビリです。

運指だったら、iMac要らなくない?

シンセなので単体では音出ないのもあるんですが、アプリGarageBandに慣れようというのもあって繋いでます。
簡単なビート刻ませて、レッスンするの楽しいので。
ちなみに、GarageBandにはピアノレッスンもあるので、そちらも活用中。

First Love no Chord progression

置物になってしまっていたシンセに触ろうと思ったきっかけは、楽曲。

BTS『First Love』

やばいものを聴いてしまった、と、震えながら思わずリピート。
ピアノの音で始まり、少しづつ熱量の上がるラップ。絞り出す感情の圧。

歌詞が知りたくて、日本語訳のブログを読んで、少し、時が止まりました。

全く上手にはならなかったピアノだけれど、その音色が好きです。
アップライト、グランド、置かれたホールや部屋の響き、色々あって。

好きな楽曲が鍵盤楽器から作曲された曲なことに気づいて、改めて好きなんだなあって思ったり。
何度かの引っ越しを経てなお、シンセなんてそこそこ荷物なのに捨てられなかったんですね。
あの白鍵黒鍵の並んでる見た目が好きなんだな、って思ったこともあります。

話の流れなら、茶色のピアノの替わりに、黒く艶々なアップライトピアノが私のFirst Love、というのが、格好良く収まりがつく気がするけど。

First Love ー『紅の豚』のポルコ・ロッソ

さあ、どこにオチがつくんだろう、この話!


私の頭の中、First Loveっていったらポルコになっちゃってた、というのを説明しなくちゃ、ピアノの音が遠ざかっていってしまいますね。

白馬の王子様じゃなくて、ポルコに恋して、何もかもが素敵と思ってしまって、ポルコに大切に想われているマダム・ジーナみたいな大人になるんだ、と。

大人と云われて十分余りある年になりましたが、残念ながらジーナとは程遠く。
ただ、ポルコを素敵だと、器用で不器用な愛おしい人と思うのは変わらないまま。
フィオのように憧れを含んで好きなのかもしれないですけど。

低くて沁みる声、
義理堅さ、信条のあるところ、
自分を豚にしてしまう優しさと弱さと強さ、
そして、良いとも悪いとも美しくも醜いとも評せない「思い出」を抱えているところ。

そうやってFirst Loveという言葉そのものに、どうあっても愛おしいもの、という解釈が私にはくっついていて、そこに、あの楽曲・歌詞、あの声。

消えてしまっても、頭の片隅に在るもの。
部屋の片隅に残り続ける痕跡。

そして極め付けのShort Film。この3分弱の間に、First Loveの冒頭が数小節だけ響く、台詞もない、静かな、それでいて絞り出すような嗚咽を感じるFilm。

この感情につける言葉が見当たらなくて、

部屋の片隅の黒鍵の間隙を只々ぼんやりと眺めたりして。

私には燃やしたいほどのものはピアノにはないまま、ただ、好きだなぁ、ってそれだけで、つかず離れずいるものだけれど、楽曲のそれは圧倒的に違うもの。

琴線を掠って叩いて引っ掻いてく何かが、楽曲に声にあって。

「First Love ー SUGA(もしくは花様年華の「ユンギ」)」

に置き換わってしまいました。

CDEFGAB to 7

そこから、彼がピアノを弾いている動画や写真が次々と目に入ってくるようになり。(正直、探してしまうし、気になって。)
ピアノを弾く手に、指が長くて大きい手だから、オクターブを軽くおさえちゃうだろうとか。
音を奏でる鍵盤を慈しんでしんいるかのような指使いが優し過ぎる、とか。

でもギターを抱えている方が、元気な気もして、寂しくなってみたり。
(ギターをかっこよく弾く姿も好きだけど)

最近のインスタ写真では、なごやかに鍵盤に向かっているように見えるなぁとなんだか、心がほかほかしてしまったり。

なんだって良いから弾きなよという感じが写真から溢れてくる。
だって、音楽はイイだろう?って。
出した音のうち、好きな音を一個一個さらってみなと、ぶっきらぼうに、あの低い良い声で、ニカって口の端を上げて言いそうな感じ。

「鍵盤、あるじゃないか。」
88鍵ないけど、まあ、と、イケボがボソボソ云う想像もくっつけて。

「FM7  Fm7  Cm7」
Jimin氏が描いた鍵盤に指を乗せて、嬉しそうにコードを押さえる姿に、コード解りたい!ってなって。

大切なきっかけ。
ファラドミ、はFM7と覚えましたとも。FACE、お、顔なのか。

楽譜は読めるけれども、コードとは無縁だったんです。
シンセがあるのは、おじさん達の趣味バンドの鍵盤担当をしてたから。
その時も楽譜があったので、コードで何かすることはしてなかったんですね。

ドレミファソラシドをCDEFGABCと巧くシンクロしなかったから、なおのこと。

「コードで楽しむハノン」という教本も見つけたので、地道に指を動かしながら(運指のリハビリも兼ねて)、メジャー マイナー セブンス 、
セブンス、きっと7と書くそのコードにも、何か、があるんだろうなぁ。

そう思うだけでも、きちんと音とコードがシンクロしてきて、とても嬉しい。

Siro to Kuro no Playlist

SUGAとピアノを追うなか、ヒィってなるようなPlaylistを知ってしまい、自分用に作って、文章を書きたい衝動に駆られてしまったのです。

2021年のMelon StationのSUGA playlist
(リンクはBTS全員分のリストになっています。漏れもあるかな。)

Melon Station BigHit Music Stationで検索すると和訳してくださってる記事にあたるかと思います。

ピアノに触れる人、坂本龍一はどこかで接触というか。
(私はバンドのおじさん達にYMOを勧めてもらって、どハマりしてましたとも。)

そのMelon StationのSUGA氏のプレイリストに、Rain/坂本龍一も入っていて、胸押さえてのたうち回る結果になりました。
BTSのRainも大好きなので、そこも重ねてしまって、胸が痛くなるほど。

Rainは映画The Last Emperor(1987)のOST。
私は「1996」のピアノバージョンで聴いて物凄く好きになった曲です。
大好きすぎて逆引きで映画観たんですが、映画ではオーケストラ演奏でした。

シーンは雷雨の中、灰色の建物から飛び出し笑顔で傘を放って走り出す女性の姿。

土砂降り感のあるピアノの刻みが何かあたたかで厳しいと、私はピアノバージョンをおすすめしたいです。

Labのめちゃくちゃ良い音響下で、坂本龍一の曲を聴いていたSUGAを想像して、うわーって。
しかも良い耳で感じるものがどれだけの世界を広げているのかと、雨の降りしきる藍色の地平線を想像してみたり。

それで、記事タイトルは、坂本龍一/Mizu no Naka no Bagatelle にかけてみたんです。
この曲はリストになかったんですが、タイトルが洒脱で、なんといっても、ウイスキーのCM曲として作られたそうなので。
ピアノとウイスキーというキーワード。はい、出来過ぎです。

つい愛飲しているLAPHROAIG 10 yearsの写真など添えてみました。
ARDBEG CORRYVRECKANも飲んでみたいけど、まずはTENかな。
同じアイラだけど、飲んだことがないので楽しみ〜
ボウモアもだけど、アイラの鼻を先ず通してくれる感じが私は大好きなんです。

今回の記事のPlaylist

「First love 」に似合うピアノの音がする曲を、音色だったり、メッセージだったり、似通う気持ちがするものを今の気分で集めました。

肝心のMerry Christmas Mr.Lawrenceがリストにないのは、曲タイトルがChristmasなのと長くて、playlistの流れに浮いちゃったせい。
曲タイトルもそれなりに考えて並べましたよ、と。

SUGA's Playlistからの楽曲を同じバージョンでは探せてはないので、ちょっと雰囲気は違うかもしれません。

playlistには久石譲の千尋のワルツもありました。
Christmasと同じ理由で入れてないんですけども。

久石譲といえば、JIN氏が段々と荒ぶって弾く「いつでも何度でも」物凄く好きです。
あの動画、電子ピアノで楽しく戯れるお手本というか、楽しそうなのですごく良いなと。音色をあれこれいじったり、音色に合わせた弾き方とか。

さて、今晩もLAPHROIG片手に楽しく鍵盤と戯れてこよう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?