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【ゆる募】お菓子の物語

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皆さんからたくさんの記事をお寄せ頂いて完成したマガジンです。お菓子にまつわる皆さんの「記憶」や「感情」がつまっています。宝物マガジンとなりました。ありがとうございます。💗湯山昭さ…
運営しているクリエイター

#湯山昭さん

⑳甘納豆ができるまで

甘納豆は和風のドロップスみたい 使う豆によって様々な和色が楽しめる 黒大豆は黒くて細長い甘納豆 えんどう豆は緑色でまあるい甘納豆 小豆は茶色で小粒の甘納豆になる さつまいもを使うこともあるんだ 作り方はとてもシンプルで 一日中水で戻して柔らかくした豆を 蜜を加えてゆっくりと煮込む 何日もかけて蜜漬けにして 最後に砂糖をまぶして乾燥させる 平安時代に 貴族が食べたって言われているんだよ とても感性豊かな食べ物が 古から今につながっている 全てのお菓子のラインナップはこち

お菓子大好きイヌとネコ🐾

留守中、犬のコロは楽しそうにガムを噛んでいた。 私も似たようなガムをもらったが、すぐに無くなってしまう。 夏の窓は陽避けの茶色い布で覆われ、外の景色は見えず、音だけが響いてくる。 窓際に座っていても退屈で、コロは出窓に座れないから、粘着テープのような色の棒をガリガリいわせて、一日中楽しそうだ。 「ちょっと、コロ。私と遊びなさいよ」 近寄り、右手で突く。 「アンタ猫なんだから寝てればいいじゃない」 冷たく返される。 「つれないことを言うわね、私たち家族なのに」 心の中で

涙目のチューインガム

「何を書いても読まない」 書くことはコミニュケーション能力が低いわたしにとって自己表現の手段であり、 心の奥底にある想いや感情を整理するための大切な作業。 以前は文章を書くことが好きで、創作に対する情熱がありました。 しかし時が経つにつれ、他者との比較が自分の作品に対する不安が募るようになりました。 noteの人気作品を見ると、自分の努力が無駄に感じることがよくあります。 恥を晒すことで、書くことの楽しさを忘れてしまったのかもしれません。 今では、ただ評価を求めるよ

⑮ 「マロングラッセはじっくりと」を箱に詰めてみました

15 マロングラッセはじっくりと 秋になると じいちゃんが山に 栗拾いに行くんだ その栗の硬い鬼皮を 包丁でばあちゃんが 上手にむいてね 何度も何度もアク抜きして たくさんの砂糖でぐつぐつ煮て マロングラッセっていう 甘そうなお菓子を作ってくれるんだけど ブランデーを入れちゃうから 僕はいつも食べれなかった 大人になった僕は 懐かしいそれを 洋菓子店で見付けて 食べてみた 甘いのに ブランデーのほろ苦さと あの頃の じいちゃんと ばあちゃんの思い出が入り混じって 結局

⑭鬼あられの香りで思い出す

5時半になると帰る人だった頃の私 それは小学一年生の壁というもの 学童のお迎えは保育園よりもずっと早い 転任したばかりで 土地勘がわからなかった 家庭訪問の順番を考えていた 明日までに提出しなくてはならなかった 「あっ!」 お迎えの時間を忘れていた 既に30分超過 慌てて学童に電話をして お迎えに向かう 信号が赤にならないことを願った 情けなくて涙が出そうだった 夫は単身赴任で頼れなかった 今は亡き父と一緒に 子育てをしていたようなものだった 子供が保育園に通って

③柿の種のひみつ

ねえ、ぽち聞いてよ 父さんは僕達が寝た後に 何かおいしいものを食べてるらしいんだ 野球の試合を見ながら ビールも飲んでるらしい! 昨日の夜、こっそり覗いてみたら オレンジ色のほそながーいお菓子を ほおばってた だから、今日はぽちと一緒に そのオレンジ色のお菓子をこっそり 食べちゃおうと思うんだ。 「せーの!」 僕とぽちは顔を見合わせて 「ひーーーっ!!!」って 叫んだんだ! 父さんの知らないところで ほんとに「ひーっ」をふいたのは ないしょだよ・・・

②バウムクーヘンの思い出

バウムクーヘンは 僕が小さい頃は特別な食べ物で 来客があった時に お土産としていただくような 甘い食べ物だった 母さんはそれを 大切そうにナイフで切り分けて お皿に載せて出してくれた 少し温めた方がおいしいからと 温めてくれたバウムクーヘンは より一層、甘い香りを纏って おいしさを増した それは きっと「幸せの香り」だったんだろう・・・・・・ 大人になった僕は バウムクーヘンがほろ苦くなった 亡くなった母のことを思い出すから

①シュークリームの魔法

子供の頃に食べた シュークリームの思い出は 口のまわりについちゃう クリーム 全部食べてしまって 悲しくなってる時 口の回りについてるクリームに 気付いた それだけで もう一度 幸せになれるんだ そんな小さな幸せの積み重ねで 大きくなってきたんだね

✴︎ゆる募✴︎終了しました。ありがとうございます「序曲 お菓子のベルトコンベヤー」

皆さんは、どんな記事を書く時が楽しいですか? 私は今、書いていて一番楽しいのがこのシリーズの記事なんです。 お菓子のことを考えているだけで楽しい気持ちになります。そこで、一緒に「お菓子の物語」を作ってみませんか?文章のジャンルはなんでも構いません。書きたい方法で御参加ください。 「実話をもとにしたお菓子やおやつにまつわるエッセイ」 「自分の好きなお菓子に着想した物語」 「お菓子を題材とした詩」 「お菓子の出てくる掌編小説」など・・・。 【引用】 湯山昭先生のピアノ曲集『お菓