見出し画像

今、話したい誰かがいる。

白石麻衣が乃木坂46を卒業してから、早くも3ヶ月の月日が流れてしまった。
卒業コンサートは某サイトでサーバー落ちで大炎上した以外はとても素晴らしくて、乃木坂の象徴として突っ走ってきた彼女の最後にふさわしいものだったのではないか、といちファンとしては思っているのだけれど、どう伝えようとしても「私はまいやん(白石麻衣のあだ名)の何を知っているのだろう」と悩んでしまい、言葉に出せないまま気づけば3ヶ月も経っていた。

「乃木坂46といえば?」というと、今でこそメンバーの名前が色々と挙がるけれど、少し前までは「白石麻衣以外知らない」という人が多かったように思う。「まいやん以外はだれがいるの? みんなかわいいけど…」と話す人が多かったくらい、まいやんは乃木坂の象徴で、乃木坂=まいやんというイメージが強かったように思う。(あれ、私の気のせい?)

今の乃木坂46は、清楚で、でも親しみがあって、そんなイメージを持つ人が多いはずだ。繊細な衣装で、おしとやかなダンスを踊って。でも最初は「AKBの親戚?」みたいな感じで、順風満帆な走り出しとはいえなかった。(いきなり人気も知名度もなかった彼女たちが、当時大人気だった「AKB」のライバルとして走り出さなきゃいけなかったその重圧は、計り知れなかっただろう。その重圧に耐え抜いて、走り抜けてきた彼女たちの努力の眩しさに、ドキュメンタリーやライブDVDを見るたび思わず涙してしまう。)

既に卒業してしまった生駒里奈ちゃんや、西野七瀬ちゃんなども、乃木坂46の人気を押し上げた功労者と言えるのだろうけれど、もともとは「女性アイドル=男性が追いかけるもの」という印象から、女性向けファッション誌の専属モデルになったりと、女性ファンも獲得し、ファン層を広げた功労者といえばやっぱり、白石麻衣だと思う。私も、乃木坂46を認識する前から彼女のことは知っていたし、彼女のファッションをすごく素敵だと思っていた。「まいやんみたいになりたい」と清楚系ファッションに切り替え、さらさらストレートの髪を維持していた友人を数名知っているほどには。

男性ファンのみならず、女性ファンも増やし、乃木坂の伝説みたいな存在になった白石麻衣。
卒業コンサート、も、すごく印象的ではあったけれど
特に私が印象的だったのは、卒業コンサートの前に出演した
ミュージックステーションでの卒業ライブだった。

“最後のMステで歌いたい3曲”として
「今、話したい誰かがいる」
「ありがちな恋愛」
「シンクロニシティ」
の3曲をセレクトしたまいやん。
(私も「ありがちな恋愛」好きすぎて、これを歌いたい曲として挙げてくれるのかあーとうれしかった。確かにいい曲だけれど、めちゃめちゃ売れた曲…というとちょっと違うのかな? という印象なので……)

1曲目の「今、話したい誰かがいる」は、まいやんにあこがれて乃木坂46を志した3期生・梅澤美波がはじめて、握手会に参加した曲だ。

【今、話したい誰かがいる】MVはこちらから
https://www.youtube.com/watch?v=trXbum9cz9g

写真集の売り上げも好調で、持ち前のスタイルを活かして人気を集めている美波ちゃん。まいやんとの握手のときに「眩しくてきらきらしてた」と、思わず泣きながら「大好きです」と告げた彼女に、まいやんは「ありがとう。ほくろ、シンメだね~!」と、お互いのほくろの位置がシンメであることを伝えたという。

そんな思い出の曲で、まいやんと美波ちゃんが一緒に歌って踊っている。
あこがれを追いかけて、隣に並べる存在にまで成長した彼女をみて、私は思わずぼろぼろ泣いてしまった。
美波ちゃんのご両親も「白石麻衣ちゃんがいなければ、あんたはそこにいなかった。そう思うと感慨深いね」的なことを卒業ライブのときに言っていたらしい。

「あこがれ」るだけなら、誰にでもできる。
でも、その「あこがれ」を追い続けて、自分を磨き続けて、同じ場所に立っている……そんな眩しいことがあっていいのか? と思ったらもう……ただぼろぼろ泣いて「尊い……尊い……」と唱えることしかできなくなってしまった……。

まいやんの卒業によって、「まいやんの背中」を追いつづけてきたメンバーは、その背中を追いかけていくことからも卒業しなきゃならない。新しい乃木坂46で、新たな歴史を紡いでいかなきゃならない。「あこがれ」からの卒業、目指すべき存在が消えることって、本当に大きいと思う。

同じく3期生の大園桃子ちゃんも、「白石さんがいるから頑張ろう」と、まいやんを心の支えにしていた一人だった。まいやんがいなくなる。ぼろぼろと(多分メンバーの中で誰よりも)たくさん泣いて、でもそれでも「白石さんに置いていかれるんじゃない。違う場所で頑張るだけで、また会えるんだ」って、前を向いて歩きだす決心を持てたという。(まいやんのyoutubeのソロキャンプ動画で「来ちゃいました」っていうくらい、まいやんへの愛が大きい桃子が最近愛しく見えてきた。笑)

「あこがれ」を追うことを卒業して、新たな道を切り開いていく、現在の乃木坂46メンバー。変わらないものなんてないからこそ、今「この瞬間」にみることができる彼女たちのパフォーマンスを大切に、見つめていたい。

できることならもっと早く、彼女たちのきらめきに出逢って、追いかけ続けていたかった。……そう思っても、時は戻らないから。

乃木坂46の歴史を切り開いたシンボル、白石麻衣の卒業をこの目で見届けられたことをうれしく思う。そして、これからの乃木坂46がどんな歴史を紡いでいくのか、私は今精一杯輝いている彼女たちを、見つめていきたい。


……ちなみにまいやんの卒業コン。
「サヨナラの意味」でセンターつとめた白石麻衣に嗚咽した。予想通り。何度経験してもサヨナラにはちっとも強くなれないけど、それでもこの曲を大切に歌ってくれたまいやんの姿を忘れない。まいやん、ありがとう。そしておつかれさまでした。これまでのあなたの足跡を、そしてこれからのあなたのかがやきを、大切に見つめていたいと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?