北の伏魔殿 ケースⅠ-⑥

○悪意ある人間の行動
 B主査が私に責任転嫁したのではないかという、推測は後日、管理職から聞いて、事実だったことが明らかになった。歓送迎会の際に、私がB主査に対して抱いた印象もどうやら正しかったようだ。

 実は、これまで団体経由で運営していた海外事務所を今年度中に県の直営事務所に変更することが内々で決定しており、歓送迎会でB主査の前任者ともめていたのは、それを引き継ぎ期間内で前任者がやるようにと言っていたらしい。さすがに、それはどう考えても物理的に無理な話なのに平気で要求するとは驚いた。

 これも後で判明したが、彼女が私に責任転嫁した後、事務所のM主査は、私が出張を11月にしろと言われたので、それが不満で不足もしない予算を不足すると言っていると本庁担当課に言いふらしていた。

 しかし、私が作成した資料を読んで理解できていれば、不足もしない予算を不足するなどという工作はできないこととはわかるはずだし、私がそういう工作をするなら、証拠となる資料などは作成しない。

 M主査や本庁職員から嫌味や皮肉を言われるのが状態化してきており、それぐらいなら実害がないので、放置していたが、徐々に、業務を利用して報復するようになってきた。

 M主査から「団体の会員であるM市が現地事務所に送付したパンフレットが現地政府から税金を取られたので、それを負担するように言え」と言われた。
 会員なのにそんなことを言うのかとも思ったが、指示どおりM市の担当者と調整し、負担してもらうことで了解をとり、それをM主査に連絡すると「もういい」の一言で済まされた。
 どうやら私に不要な業務で手間暇をかけさせ、M市の担当者に対して恥をかかせようとしたらしい。

 確かに、連絡調整をしたのは私だが、M市の担当者にしてみれば、県職員からそういう扱いを受けたという不信感しか生まず、今後、事業に支障がでるかもしれないとの想像力もない。

 彼女は、知事の秘書をしていたことから、どうやらそれを鼻にかけて、
自分のやりたいようにやってきて、上司も知事とのつながりで、腫れ物に触るよう接してきたことが、さらに増長させたらしい。

 忙しいから、私の出張を11月にしろと言ったのも、忙しかったのではなく実は5月の連休と7月の夏休みに自分の夫を呼び現地で過ごしたかっただけだったことが後日分かった。私は、自分は気を遣う方だとは思っているが、他人が私に気を使わなかったからと言って怒ることなどしないが、ただ、気を使わず、自分の都合を優先する人間は、そういう性格の人間なんだと思っているだけである。


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