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読書感想文【きみのお金は誰のため】ーあるいは、最近お金について思うつれづれー

ブログ閉じて早7年?転職して、忙しくなってからすぐに閉じましたからねぇ…。TwitterとFacebookは続けていたので、そこから以降のご縁の方はこういう場では始めまして、になりますかね。noteのアカウントが残っててよかった。

『きみのお金は誰のため』遅ればせながら読んでみました。ベストセラーってのは知ってたんですが、投資もほぼほったらかしで、月初に棚卸をするぐらいで、(念のため)流動性資産との比率を見ながら投資しすぎない、しなさすぎない程度を意識しながら積立をしている日々です。

基本データ
著者:田内 学
出版:東洋経済新報社 2023/10/18

お金に関する解説本としては、マンガで分かりやすい「キミのおかねはどこに消えるのか」が記憶に新しいのですが、同じく井上先生の「中国嫁日記」に比べ、勢いが強い主張が多く、「間違った事ばかりを書いているわけではないが、賛成しかねる」部分が目についていました。

一方、こちらの「きみのお金は誰のため」は、最序盤にキャッチャーな断定を入れて、その断定ーいわゆる「お金の謎」ーに対して段階的に、身近な例や思考実験を踏まえて、解き明かしていくスタイルをとっています。
キャッチャーな断定…

1.お金自体には価値がない。
⇒読む前「そんなわけないやろ!」読後「そらそうか」

2.お金で解決できる問題はない。
⇒読む前「そんなわけないやろ!」読後「そらそうか」

3.みんなでお金を貯めても意味がない。
⇒読む前「これはそのとおり」読後「…そうきたか…」

みたいな。
また、正直な話し、こちらの本で「お金」というものを捉えていくと、世にある経済本のうち、いくつかが「わかってない」んだなぁと思えるようになりました。おこがましい事、書いてる自覚はあるんですが。

本文中には無いのですが、モ人としては「お金」とは「ありがとうチケット」と言い換える事ができる、と読めました。

家計に入ってくるお金…お給料は、会社(経営者)が自分ではできない作業・手続きを変わりにしてくれている従業員(の一人であるモ人)に「ありがとうチケット」として支払っている。税金関係の解釈は本文中と一致したので、是非書籍にて確認してもらいたいですね。雨と蒸発。

また、家計から出ていく、日々の消費活動はモ人にはできない作業・手続きを誰か、どこかの企業に代行してもらって、「ありがとうチケット」として流通可能な形の「お金」を渡している。

スーパーでペットボトルのお茶を買う時、店舗に168円(税抜き)を払ったとして、店舗の手数料が「そもそも販売可能な状態に維持されていた」「ほしい、という需要に答えて供給(販売)してくれた」お金となります。店舗は、仕入れの段階で製造メーカー(もしくは問屋)から提示された金額を払って…という風に、それぞれの段階で色々な人が『自分にはできない作業・手続き』をしてくれた、肩代わりしてくれたお礼として「ありがとうチケット」を「お金」という形で払っているんです。ペットボトル一本に割り戻すと、各段階での費用は、1円を切っているかもしれませんが、それぞれ「自分にはできない事を」各工程で共同作業をする事で、はじめてスーパー店頭にペットボトルが陳列されるわけです。それを消費者が「喉を潤したい」などなど自分だけではできない事を無数の誰かから支えてもらう事で、初めて手に取ることができるし、そのお礼を目に見える形で「お金」として渡す。
「お金というのはありがとうチケットなんですよ~」と聞かされていると、なんじゃそりゃ、ときれいごとに聞こえてしまいます。新手の宗教かな、と。
でも、この本に書かれている内容…お金の本質について考えれば考えるほど、結局ここにいきつくんだなぁと思ってしまいます。

こうして考えると、三つの謎にも、それなりに解が出てくるんですが、あんまり書きすぎるとネタばれになっちゃいますね。面白い本なので、皆さん、是非読んでみてください。

それでは せいぞんせんりゃく しましょうか

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