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つぶやき草子

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心とからだについて、癒やしと傷つきについて、思うままにつぶやいています。
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記事一覧

今の生きづらさは、かつての救いだった

悩みを抱えていてその悩みがなかなか解決されないでいるとき、なんだか生きづらいなと思うとき、「これはどうやら自分に問題がありそうだ」ということに思い至ることがあります。 思考の癖であったり、人付き合いの不器用さであったり、揺らぎやすくコントロールしづらい感情であったり。 いつもまにか自分の中に染み付いていた「よくないパターン」のようなものがあって、それが今の悩みを作り出しているのかもしれない。 そうして「問題は自分だったんだ」と気づきます。 問題が自分にあることに気づけ

幸せに慣れていないと、幸せになれない②

前回の続き、「逆境を生き延びた人は、幸福に慣れていない」ということについてです。 子ども時代に逆境を経験した人は、順境(ものごとがすんなりと運ぶような境遇)に慣れていません。 そのため、「幸せになりたい」という望みがたとえ叶ったとしても、馴染みがないために手にした幸福をみずから手放してしまったり、遠ざけてしまったりすることがあります。 ---(注意)------------------ 誤解のないように書いておくと、「子ども時代の逆境」とは、単純に「毒親」を指すものでは

幸せに慣れていないと、幸せになれない

未解決の依存心を溜め込む「心の穴」について書いています。 今回は「幸せに慣れていないこと」についてです。 人が抱える傷つきのほとんどは、幼い頃に経験したものです。 もちろん成長して大人になってからでも辛いことを経験することはあるし、衝撃的なできごとに遭遇して大きなトラウマを負うことはあります。ただ、大人になってからの辛い経験というのは、自分で何らかの対処をしたり周りに助けを求めたりができるので、傷つきはするとしても、少しは乗り越えられる部分もあります。 それに比べ、幼

依存心というブラックホールの引力と闇

未解決の依存心を溜め込む「心の穴」について書いています。 ここでの依存心とは、単に「甘えたい、助けてほしい、わかってほしい」という気持ちだけではなく、 「見捨てられ不安」「愛されたいという渇望」といった愛着の傷つきや、「自己存在を肯定できない」という根源的な問題など、未解決のまま癒やされることなく抱えてきた気持ちのすべてを指しています。 今回は「圧縮された依存心がもつ魔力と闇」についてです。 依存心は外からはわからない「その人が依存心がどのくらいなのか」ということは、

依存心というマグマと恋愛

未解決の依存心を溜め込む「心の穴」について書いています。 今回は「依存心というマグマと恋愛」です。 前回のnoteで書いたように、心の穴が成長するプロセスには3つの段階があります。 ①心がすべての世界    ↓ ②ごっこ遊びだけの世界    ↓ ③物質と行動だけの世界 これは健全な心の発達段階ともリンクしています。①が乳児期、②が幼児期、③が思春期以降です。 この段階のどこかで傷つきを経験すると、心の穴に依存心が溜め込まれ、その依存心を抑えるために攻撃性が溜め込まれ

心の穴はどうやってできたのか

未解決の依存心を溜め込む「心の穴」のことを書いています。 今回は「心の穴はなぜできるのか」についてです。 「心の穴」は、成長と共に形成されていきます。 溜め込まれた依存心も、感情の蓋としての攻撃性も、生まれたときからそういう状態であったわけではありません。からだの成長と共に心も成長していくわけですが、「心の穴」はそのプロセスの中で形成されたものです。 心というのは「その人が世界をどう見ているか」を映し出すものです。 心に怒りしかなければ、その人にとって世界は「自分を

からだはどこへいった〈解放と癒やしについて〉

未解決のまま溜め込まれた依存心と、それを抑える蓋としての攻撃性について書いています。 今回は「解放と癒やしのために大切なこと」です。 ●からだは感情と共にあるもの未解決の依存心を溜め込み、攻撃性を循環させながら感情に蓋をしている人には、ひとつの特徴があります。 それは身体性の欠如、つまり「からだ不在」ということです。 攻撃性は、それそのものは決して悪いエネルギーではありません。この攻撃性のエネルギーがあったからこそ、人は探索し、発見し、挑戦し、進化することができたわけ

ほんとうの自分を隠してしまう「感情の蓋」

攻撃性と、その下にひそむ依存心について書いています。今回は「攻撃性を別の形に置き換えることについて」です。 心の穴の奥底に、幼少期から溜め込んできた未解決の依存心があると、それを抑えるために、強いエネルギーを持つ怒りや攻撃性が必要になります。 攻撃性は、依存心を抑え込む漬物石のようなものmいわば「感情の蓋」のような役割をしています。 攻撃性という重たい蓋は、ずっとそこになければなりません。蓋がなければ、その下の「依存心」が噴き出してしまうからです。 攻撃性という蓋を維

他人を叩き続けずにはいられない人が、本当に取り組まなければならないこと

前回のnoteで、怒りはどこからくるものなのか・炎上や処罰感情について書きました。今回はその続編です。 怒りや処罰感情の燃料となるのが、自分自身が溜め込んできた怒りであるならば、燃料が尽きてしまえば怒りはおさまるのかといえば、 そうではありません。 近年の炎上やバッシングを見ればわかるとおり、時間が経っても止むことはなく、過去の不祥事はむしろ積極的に掘り起こされ、蒸し返され、何度でも叩かれ続けます。怒っている人は、ずっと怒りを継続させているようです。 大勢の人が入れ代

怒りはどこで生まれるのか〈炎上と処罰感情〉

昨年のことでですが、柔道部の顧問をしている中学校の教師が、部員である生徒に暴行して全治3カ月のケガを負わせるという事件がありました。 きっかけは些細なことで、「OBが差し入れたアイスクリームを生徒が無断で食べてしまった」というものでした。 被害者の生徒は謝りましたが、激怒した教師は「謝っても許さん」といって柔道の技をかけ、生徒を失神させます。それでも教師の怒りは収まらず、失神した生徒の頬を殴って目覚めさせた上で、寝技や投げ技を10回以上くり返し、生徒は胸椎骨折という重症を

音信不通の恋人への連絡について

今回は「音信不通になった彼への連絡」についてのお話です。 お問い合わせや質問がとても多いことでもあるので、前回、前々回の内容を踏まえた上で、なるべく具体的にお伝えできたらと思います。

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音信不通の彼をどう愛したらいいのかについて

前回の記事から引き続き、 「仕事が忙しく音信不通になった彼をどう愛したらいいのか」についてお話します。

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音信不通の恋人をますます遠ざけないために大切なこと

付き合っている関係なのに、ある日突然、すべての連絡を断って「音信不通」になってしまう恋人について、いろいろな視点から書いたり話したりしてきました。 noteでは特に以下の2つの記事と、音声配信「つぶやきレモン」の中でお話しています。 なぜ彼は音信不通になるのか。付き合っている相手と連絡を断つということの背景には、どういう心理心情があるのか。生い立ちのトラウマや神経生理などにも触れながら、お話しています。 そうしたことをお伝えする中で、「だからこういう接し方はしないほうが

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自分を休ませる勇気

東京五輪で、アスリートのメンタルヘルスが話題になっています。 女子体操の金メダル候補筆頭だったシモーネ・バイルズは、精神状態を理由に団体決勝を途中棄権。続く個人総合も欠場を決断しました。 聖火リレーのアンカーをつとめたテニスの大坂なおみ選手は、開催地日本の代表としてメダルを期待されながら、3回戦で敗退。彼女は今年5月の全仏オープンを途中棄権しており、その後「長いうつ状態(depression)」にあることを告白していました。 実力、人気ともにトップアスリートの二人が時期