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大工、ユニットバス屋になりたい

 昨年、インボイスに備えて転職を考えていました。


 神奈川・東京エリアの大工は一日25,000円が穏当な稼ぎです。ところがこれ、税抜か税込かで雲泥の差が出ます。当たり前ですが月23日くらいの出勤で6万円近い差になる。


 この消費税分6万をこれまで免税業者は益税と云って国に代わって頂戴しても良いことになっていたのですが、インボイス制度の導入で免税業者も国に納めなければいけないことになります。


 僕は一日税抜25,000円目標で稼ぎ、25,000円で金策していました。ほんで、残り貯まっていく益税分は家族旅行や新しい家電を買う資金にするっていう具合にしていたわけです。


 それがインボイスで削られるのはヤバすぎる(本当は丸々納めるわけではない)。


 そこで僕は現場で会う職人達にインボイスの対策は考えているかっていう話を導入にして、あけすけに収入を聞きまくってみました。すると浮かび上がったユニットバス屋の思わぬ収入。


 戸建てやマンションの新築及びリフォームの現場でユニットバスの据え付け施工のみを生業にしている職人がいます。彼らの大半は所謂一人親方の個人事業主で、営業・現場調査・職人手配をする仲介業者と契約して、日々紹介される現場の施工だけを担当しています。


 毎日毎日ユニットバスが新規で据え付けられる現場が本当にあるんかい? と僕は疑問だったのですが、彼らのほとんどが仕事は途切れることなく入ってくる、と答えるので驚きです。


 「ユニット屋さんはぶっちゃけ儲かりますか?」


 「え、ユニットですか・・・まあ、大工さんよりはいいと思います」


 「正直、大工は一日二ーゴー(25,000円)だから、月の売上って60いくかいかないかなんですよね~」


 「大工さんはそうですよね・・・。ユニット屋はウチの仲間で一番ダメな奴でも月80は割ってないっすよ。経費も大工さんより掛からないし」


 「まじですか!? え、じゃあお兄さんはどんくらいいってるんですか・・・?」


 「僕ですか・・・。僕は先月で・・・120くらいかな。まあ100割らないようにやってます」


 しーーーん。


 いやこれ、マジでユニット屋になろう! そう思って片っ端から知り合いの職人に相談してみました。すると返ってきた返事は・・・。


 「40過ぎてからユニット屋は体力的にキツイよ」


 こればっかり。いやいやいやいや、大工だってもう体力的にキツイんだよ~!!

 

 同じこっちゃないんか~い、と思っていた一年前。


 なんだかんだでインボイスの登録も申請しちゃったし、大工のまんま。


 怖いのは請求書の変化よりも自身の変化だよね・・・。

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