ハヤトの芝生のオオカマキリ 『カナガワの鱒釣り』7
ある夏の終わり、僕は高架橋をこえて、新幹線の向こう側の畑に沿って歩いていた。更に畑の向こう側、野球場ほどの芝生が広がっていた。
ハヤトの芝生は広くて、空は青く高く、陽射しがまぶしかった。足を踏み入れると、キチキチが陽に照らされた草むらに向かって飛び込んでいく。
芝生の片側はコンクリ擁壁が30メートルほど続いて、そのすぐ下のあたりは背の高いススキやネコジャラシが群生していた。中に入ると形の綺麗なショウリョウバッタのメスやオオカマキリにチョウセンがすぐにとれた。
僕