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LEICA MP 0.72を購入してから半年経過

LEICA MP 0.72を購入してから半年が経過しました。ここで簡単に感想をまとめてみたいと思います。といってもシャッターの初期不良で2ヶ月入院していたので、実質3ヶ月です。

超ロングセラーモデル

LEICA MP 0.72は、2003年に発売されすでに18年が経過しています。M6は1984年に発売され1999年までの16年、M7は2002年から2018年の17年というロングセラーとなったモデルですが、それらを越す長寿モデルです。 つまりM型では最長のロングセラーモデルです。まだディスコンになっていないことから、さらにこの記録を更新していきます。NIKON F3が20年近く販売していましたが、これを越すのは間違い無いでしょう。現在、本格的なフィルムカメラを販売しているのはLEICAだけなので、これからも頑張ってもらいたいです。

M6の販売が終了して20年以上経過しました。最近は価格が高騰しています。  そのため、新品で安心して買えるMPやM-Aは重要な選択肢になると思います。

高い質感

購入したのはブラックペイントモデルです。底蓋に貼ってある保護シールも、手元に届いた瞬間に剥がしました。綺麗なまま使おうとは思わず、使い込んでブラックペイントのエイジングを楽しみたいからです。塗膜は厚く、高い質感を感じさせいます。ほぼ毎日持ち歩いていますが、ブラックペイントの塗膜は厚く、擦り傷はあるものの塗装が剥がれた箇所はありません。

真鍮製ボディはずっしりと重く、体感では585 グラム以上の重さを感じます。不思議なことに、MPよりも重いはずのEOS R6(680g)の方が軽く感じます。凝縮感、精密感から醸し出される高級感がそう感じさせるのかもしれません。

フィルムの巻き上げからシャッターを切る一連の操作は、本当に素晴らしい感触です。アクセルを開けると、ファオーンと軽快に吹き上がる2ストロークエンジンのスポーツバイクような感覚でしょうか。リニアに反応する巻き上げレバーやシャッターボタンから、ドイツの機械工作の精度の高さを感じます。

操作性

M型ライカは、7年くらい前に手放したM5に続く2台目です。そのM5の操作性と比較すると、M5の圧勝です。M5の大きなシャッターダイヤルの操作性と追針式の内臓露出計は、直感的に操作できる素晴らしい機能です。もっとも完成されたM型と言っても過言ではありません。それぐらい素晴らしいカメラでした。若い時に M5を購入した自分を褒めたいです。一方、手放した自分を叱りたいです。

 M5の追針式の内臓露出計のような直感的な表示ではありませんが、3点のLED表示による露出計が内蔵されているのは便利です。また、単体露出計と併用していますが、計測は正確というイメージを持っています。

M4以降のクランク巻き戻しから、M3やM2と同じノブ巻き戻しに回帰しています。クランク巻き戻しを採用しているM5もLEITZ minolta CLも、普通に使いやすいです。ノブ巻きは、クランク式と比べれば明らかに使いにくいです。

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このモデルが発売された当時、電子シャッター、絞り優先AEを搭載というLEICAにとっては最先端のM7の存在があったから、MPはM3のオマージュとして割り切ることができたと思います。そういう商品コンセプトを理解して購入するべき商品です。シャッターダイヤルが小さいとか、ノブ巻き戻しは不便とか野暮なことは言ってはいけません。

残念なところ

届いて直ぐにシャッターが故障し、すぐにLEICAニューヨークに送り2ヶ月弱入院しました。当然、初期不良ということで無償で直してくれましたが、何が原因で故障したのか、とくに説明がありませんでした。再発していないので良いのですが、もう少し説明があっても良かったと思います。初期不良があった商品に対する残念よりも、LEICAニューヨークへの残念感ですね。ちなみに、20年くらい前に、M5の修理をLEICAニューヨークに出しましたが、その時は今のようなオンラインサービスもなくメールでのやりとりだけでしたが、対応は親切丁寧で良かったと記憶しています。

全体的な質感はとても高いのですが、唯一、背面のISOダイヤルだけプラスチッキーで質感が低く、その割には操作しづらいという代物です。

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ブラックペイントのレンズがレギュラーで発売されていない。やはり、ボディとレンズの質感は合わせたいです。しかし、レギュラーで発売されているブラックレンズは、ブラッククロームのみでブラックペイントはありません。そのため50mmは、Voigtlander NOKTON vintage line 50mm F1.5 Aspherical II VM SCを買いました。質感がボディとマッチングしてとても格好良いです。 Summicron-M 35mm f/2 ASPHとELMARIT-M 28mm f/2.8 ASPHも持っていますが、サードパーティのNOKTONの方が似合っているのは残念なところです。時々、ブラックペイントバージョンが限定で発売されているので、その時、手を出しそうで怖いです。

MPというネーミングがややっこしいですね。オリジナルのMPは、M3ベースにしたプロ向けモデルでした。それとの差別化で、いちいち「0.72」をつけなければなりません。もう少し工夫して欲しかったです。

まとめ

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まっさらな状態から自分が使い込んでいく楽しみを味わい、将来は娘に譲りたいと考えています。(もっとも彼女がカメラに興味があれば、そしてフィルムが生産していればという前提ですが、、、)シャッターの初期不良や、それをLEICAニューヨークへ修理に出す体験も、自分のカメラになっていくプロセスとして前向きに捉えています。

そういうライスタイムバリューとして体験価値が高いモデルなので、$5,395(¥660,000)と高額商品ではあるものの、デジタルカメラのように陳腐化する商品と比較すれば、実は安いモデルかもしれません。 そのことから、ISOダイヤルの質感など残念なところは若干あるものの、それを凌駕する感動体験が得られるLEICA MP 0.72に大変満足しています。




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