現行モデルと第二世代モデルのSummicron-M 35mm F2を無理やり比較 <週末自家現像>
前々回に引き続きレンズの話題で、Summicron-M 35mm F2 ASPHを取り上げます。私は普段、50mm(NoktonかELMAR-M)と28mm(Elmarit-M 28mm)のペアを持ち歩いているので、35mmの出番が少ないです。Summicron-M 35mm F2 ASPH は、LEICA MP 0.72と同時に購入したにも関わらず、防湿庫の肥やしにするのは勿体無いと思い、前回のロサンゼルス出張で持ち出しました。
焦点距離50mmは、引き算の感覚で伝えたい部分をトリミングするイメージです。ファインダー倍率0.72倍の50mmフレームは少し小さめなので、トリミングするという行為を強く意識します。28mmは、ファインダー全体を使うので、手前と奥というパースを意識します。とても難しいので、撮っていて楽しいです。うまく行った時とダメダメな時が極端です。35mmという焦点距離は、そのどちらでもない自然体で写真を撮れ、一般的にはスナップに最も向いている画角でしょうか。ただ普通に撮れるだけに、私の場合、面白くない写真を量産してしまう危険があります。そのため、どちらかというと28mm的なパースを意識する感覚で撮るように心掛けています。自分にとって最も自然体な画角は、焦点距離35mmよりも焦点距離40mmかもしれません。
Summicron-M 35mm F2 ASPHは、豊かな階調と解像感のある高い描写性能で安心して撮れるレンズです。Summicron-M 50mm F2 ASPHと合わせて、ライカの基本的なレンズと言われるのが分かります。実際、出来上がる写真にレンズ性能による描写の破綻は経験した事がありません。隅々まで丁寧に描写してくれています。
次に、かつて所有していたSummicron-M 35mm F2第二世代の紹介です。
所有していたLECIA M5には、いつも2世代目のSummicron-M 35mm F2を装着していました。この組み合わせで撮影した約20年前の同じ場所(ロサンゼルス、マンハッタンビーチ)の写真です。カラーフィルムとモノクロフィルムの差があるので単純な比較は出来ませんが、第二世代のSummicron-M 35mm F2の方が線が太く、独特な力強い印象があります。
好みで言えば、第二世代の個性のある描写は好きです。20年経過してもほとんど変化が無いマンハッタンビーチの風景ですが、レンズが違うだけで20年の時の流れを感じさせてくれます。これがオールドレンズの醍醐味でしょうか。このレンズをLEICA M5と一緒に手放した自分を叱りたいです。解像感だけがレンズの価値では無いことを再確認させてくれます。
手放した事を後悔してもしょうがないです。Summicron-M 35mm F2 ASPHは、現代的で本当に良い描写をしてくれるます。一方、レンズの個性を押し付けないだけに、自分の腕が問われます。防湿庫の肥やしに出ず、もっと積極的に使い勉強したいと思います。
<モノクロームフィルム>
撮影場所:Manhattan Beach, CA
撮影日:2022年4月16日
カメラ:LEICA MP 0.72
レンズ:Summicron-M 35mm F2 ASPH
フィルム:KODAK Tri-X
現像液:Kodak HC-110 希釈率H
停止液:水
定着液:TF-4 ARCHIVAL RAPID FIXER
水洗:水
水滴防止剤:Kodak Photo Flo 200
スキャナー:Plustek OpticFilm 8200i SE
スキャンソフト:SilverFast SE Plus 9
<カラーフィルム>
撮影場所:Manhattan Beach, CA
撮影日:2000年前後
カメラ:LEICA M5
レンズ:Summicron 35mm F2 (第二世代)
フィルム:不明(残念ながらフィルムを紛失)
現像:ロサンゼルスのカメラ屋さん
スキャナー:不明(売却し機種名を忘れてしまいました)
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