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3年後のドローン運用は月額課金?

 先月、クリスマスに米国連邦航空局(FAA)から発表されたドローン自動識別システム案は、米国のドローン愛好家に大きな衝撃がありました。多くの人は、かなり動揺し怒っている感じです。重要なのは、趣味でドローンを飛ばす人も対象という事です。

 FAAと交信するための無線通信機やインターネット通信設備を搭載するため、ドローンの価格が高価になるのと、インターネットやリモートIDを運用する請負業者への月額課金が避けられないからです。また、飛行中はID(パイロット名、緯度経度、高度など)が一般に公開されます。車のナンバープレートで、誰もが名前を知る事ができるようなものです。

 3年後のドローンは、以下の3つのカテゴリーに分かれる予定です。

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STANDARD REMOTE IDENTIFICATION DRONE:ドローンは、無線通信機器(ブロードキャスティング) 、およびインターネットを介して ID(ドローンオペレーター、機種、緯度経度、高度、セッションID)を飛行中ずっと送信します 。 インターネット経由で情報を送信するために、ドローンオペレーターにとって携帯電話と同じくデータプランが必要になります。 さらに、リモートID を運用する請負業者(KittyhawkAirMapなど)を利用するため、サブスクリプション料金を支払う必要があると思われます。企業、製造業者は、装備の開発費用、運用に負担が生じ、消費者は新たな金銭的な負担がかかります。 一方、視界外飛行や夜間飛行、人の上空を飛行するなど、これまで事前承認が必要だった飛行は、事前承認無しに飛行が可能になるかも知れません。
LIMITED REMOTE IDENTIFICATION DRONE:インターネットのみ装備されたドローンです。 ドローンオペレーターから400フィート(約120メートル)までの飛行に制限されます。これはサッカー場などのレベルで、かなり狭い領域ですね。 
FAA RECOGNIZED IDENTIFICATION AREA (FRIA):無線通信機器もインターネット通信機能も装備されていない機種(自家製ドローンや現在発売されているドローン)は、「FAA認識識別エリア」(FRIA)内で飛行する事ができます。 これは、研究機関の施設内やドローンレースなどが主なターゲットになるかと思います。公園やその周辺を自由に飛び回りたいと思っている人は対象外です。

  近い将来、米国で発売されるドローンは、FAA認証のスタンダード(STANDARD REMOTE IDENTIFICATION DRONE)もしくはリミテッド(LIMITED REMOTE IDENTIFICATION DRONE)が記されており、購入したら請負業者とのリモートID契約などが発生すると予想されます。また、米国外で販売されているドローンは、飛行できないか、FAA RECOGNIZED IDENTIFICATION AREAの範囲で飛ばす事になります。

 1月1日から90日間パブリックコメントを集めて、1年後には正式なルールが発表されるかと思います。リモートID を運用する請負業者のシステム構築や、無線通信機器とインターネット機能を搭載したドローンの開発・販売の時間的猶予のため、ルールの施行は3年後となります。

 業界を巻き込んだかなり大掛かりなルール改正なので、もしかしたら日本にも影響があるかも知れません。

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