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#最高裁弁論0927 に物申す(PDF付き)

事件番号 令和2年(ク)第993号

性同一性障害「特例法」の手術要件をめぐるレポート


関東弁護士会連合会の報告書には大きな矛盾がある。

①手術要件を「断種かつ不妊手術を迫る人権侵害」であると述べている。

出典:2021年度「性別違和・性別不合があっても安心して暮らせる社会をつくる 報告書」http://www.kanto-ba.org/symposium/detail/file/r3_houkokusho.pdf

164頁:「また,後述するように,本稿では,手術要件を要件とすべきでないと考えるので,『自己を身体的に他の性別に適合させようとする意思』を要件とするべきではない。」

176頁(4)A:「性別適合手術による卵巣又は精巣の摘出は,それ自体身体への強度の侵襲である上,外科手術一般に共通することとして生命ないし身体に対する危険を伴うとともに,生殖機能の喪失という重大かつ不可逆的な結果をもたらす」ものである。(中略)リプロダクティブライツの観点からも,自身が自認する本来の性別として法律上取り扱われるために断種・不妊手術を迫られることは大きな権利侵害であると言わざるを得ない。」

②しかし別項では、不妊に繋がる医療(ホルモン投与等)を「幸福追求権」のひとつとして説明している。

出典:同報告書 79頁
(3)それぞれの性別違和の緩和の方法

 ア 1 身体自体に対する違和感は,外科手術ホルモン投与等の治療によって緩和することが可能である。性別違和を有する者が適切な治療を受け, 望む性別に対応する外見を獲得する権利は,幸福追求権の一内容として 保障されているものと考えられる。
 なお,望む性別の外見等を獲得することは,その性別の個人として受け入れられることにつながるため,23の社会的な意味での違和感の解消にも寄与する。

③また、不可逆的かつ去勢効果を伴う薬剤「ホルモン製剤 GnRHa等」を未成年に推奨しているとも取れる記述がある。

(GnRHa=俗称:思春期ブロッカー/二次性徴抑制剤/ルプロン/リュープリン)

出典:同報告書 256頁
二次性徴抑制治療は,二次性徴の進行を抑える治療であり,また,かかる治療を止めることで二次性徴が進行するため,可逆的な治療であり,骨粗鬆症などの副作用は考えられるが,比較的リスクの低い治療といえる。また,その開始時期は tanner2期(第2・5参照)であり, 一般的には12歳程度と想定され,意思能力についてはそれなりの判断があると思われる年齢であるといえる。したがって,二次性徴抑制治療に関する同意能力を認めるべき年齢を12歳を基準とすべきである。もっとも,二次性徴の進行が早い者等については,12歳未満の未成年者であっても二次性徴抑制治療への同意能力も場合も考えられるところであるから,12歳未満の未成年者については個別具体的に医療同意の同意能力を判断すべきと思料する。 

240頁:「まず,生物学的男性の場合,二次性徴によって男性化が進行してしまうと,後に女性ホルモンによる治療を受けても外観を十分女性化することができず,いわゆるパス度(女性として世間に通用する度合い)が低くなってしまう。GnRHaを使用することで,この種の弊害を軽減することが期待できる。」

⚠️しかし2023年8月現在、この二次性徴抑制剤は、トランス先進国で未成年への使用が禁止され始めている。

現状説明:

①米国食品医薬品局(FDA:https://www.fda.gov)は、前立腺がん、子宮内膜症、ある種の不妊症、遺伝子変異による珍しい小児疾患の治療薬としてこれらの薬(思春期ブロッカー)を承認している。しかし、ジェンダー違和/性同一性障害(自分の体が間違った性別であるという信念を表す臨床用語)については、これまで承認されたことがない。
出典:ウォール・ストリート・ジャーナル


②短期的には、思春期ブロッカーは、頭痛、ほてり、体重増加、疲労感、気分の落ち込み、不安など様々な副作用をもたらす可能性があり、これらはすべて、すでに苦痛を感じている子供や若者に日常的な機能をより難しくする可能性がある。短期的な骨密度の減少はよく知られている副作用だが、長期的な筋骨格系への影響についてはデータが乏しく、結論は出ていない。
 密接に関連した懸念として、思春期のホルモンの急増に伴う身体的、心理的、生理的、神経化学的、性的な変化に子供や若者が晒されない場合、発達、成熟、認知に未知の影響を及ぼすことが挙げられる。思春期は、脳の構造、機能、結合性が大きく変化する時期であることが知られている。

出典:キャス報告書


③(思春期ブロッカー使用1年後の調査結果では)生得的な女児は、行動的・感情的な問題が著しく増加した」と両親から報告されている(児童行動チェックリストによる、唯一の肯定的な結果と矛盾している)。親が記入した健康関連QOL尺度の1つの側面では、子どもの身体的幸福感が著しく低下した。最も憂慮すべきことは、ブロッカーを1年間使用した後、「私は意図的に自分を傷つけたり殺したりしようとする」という最初の項目で有意な増加が見られたことだ。

出典:オックスフォード社会学マイケル・ビグス博士准教授による記事:
タヴィストックの思春期ブロッカー実験:証拠を精査する


④米国12州の共和党議会は、未成年者のジェンダー肯定医療を縮小または禁止した。フィンランドでは、副作用の懸念を理由に、2020年に未成年者への思春期ブロッカーと異性ホルモンの投与を削減。スウェーデンは2022年に、ノルウェーは今年、それに続いた。
 イギリスの国民保健サービスでは、ゲイや精神疾患、自閉症の10代の若者を過剰診断し、症状を悪化させる薬を処方するよう圧力をかけられたとして、3年間で35人の臨床医が辞職し、国内最大の子供用ジェンダークリニック(タヴィストック)が閉鎖された。

出典:ウォール・ストリート・ジャーナル


⑤スウェーデンのカロリンスカ病院(Karolinska)、臨床研究以外で未成年者への思春期ブロッカーと異性ホルモンの使用をすべて終了

出典:https://segm.org/segm-summary-sweden-prioritizes-therapy-curbs-hormones-for-gender-dysphoric-youth

⑥児童精神科医グロスマン博士は、米国下院保健小委員会で以下の様に証言
・性同一性障害/性別違和(gender dysphoria)を持つ若者の自殺は極めて稀である。
・性同一性障害/性別違和は精神疾患である。
・ほとんどの場合、若い成人期までに性別違和は自然治癒する。
・思春期ブロッカー、異性ホルモン剤、性転換手術が救命や医学的に必要であるというエビデンスはない。
・米国は、性別違和を持つ青少年の治療において、ますます異常な存在となっている。
・英国、フィンランド、スウェーデン、ノルウェーの保健当局は、現在、治療の第一線として探索的な心理療法を推奨し、ホルモンによる介入を厳しく制限しており、例外的なケースにとどめている。

出典:https://donoharmmedicine.org/2023/06/14/do-no-harm-expert-testifies-at-congress/


④関東弁護士会連合会の報告書(全476頁)は、手術要件の撤廃を謳っているが、性別移行医療の必要性に関する説明に98頁の分量を割いている。

にも関わらず、同報告書は次のように述べている。

出典:224頁2-2
(2)また,「第2」では性別違和・性別不合に係る医療について詳述し,「第3」及び「第4」では医療を必要とする者の権利・利益を保護する視点からの検討を行なったが,性別違和・性別不合を持つ人々のなかでも,医療を必要とするか否か,必要とする医療の内容や程度は人により様々であり,それぞれの具体的状況や自己決定が尊重されるべきことが大前提であって,性別違和・性別不合を有する者に対して医療を推奨する意図は一切ない


海外事情 ❶

性別の自己決定権を唱え、法的性別変更から手術要件を撤廃し、かつ、未成年者へのジェンダー肯定医療(医療的トランス)を推奨する風潮は、世界的に見られる現象。これを視覚化すると次のようになる。

出典:BuzzFeed

前述のドラモンド氏は英国最大のLGBT団体であるストーンウォールの諮問委員かつ「トランス・レズビアン」を名乗っていたトランス女性(現在所在不明)。

著書:Grrl Alex: A Personal Journey to a Transgender Identity:https://amzn.asia/d/frDx0iZ


対して、胸に大きな傷跡のある少女は「トランス男性」と成るべく乳房切除手術を受けた名も無き未成年の女の子。

左:トランス前/右:トランス後

法的性別変更条件から「手術要件の撤廃」を謳っていても、子供に対する性別変更医療を咎めるLGBT活動家がほぼいない点に留意されたい。

この社会的ムーブメントは常に危険かつ、大きな矛盾を孕んでいる。


海外事情 ❷

「ペニスある女性」の存在を法で承認した場合、筋骨に劣る生物学的女性の人権は守られない。

発言者:Kellie-Jay Keen:https://www.standingforwomen.com/

セルフIDとは、self-identification の略語で、

「性別自己申告制」や「ペニスある女性を認可した制度」を指す俗称でもある。

発言者:スコットランド緑の党代表・Patrick Harvie


性自認(gender identity)を、性別(biological sex)と等価に扱う危険性

字幕つき動画:https://www.youtube.com/watch?v=WizaX5uh0gw
字幕付き動画:https://www.youtube.com/watch?v=LnZW5Xx1ess


テストステロンには催奇形作用があり、特に女性胎児の泌尿生殖器の異常発達を引き起こす可能性がある。したがって、テストステロンは、妊娠を試みている最中や妊娠中には使用すべきではない。

出典:National Library of Medicine


出典:https://committees.parliament.uk/writtenevidence/18973/pdf/
出典: https://womanmeanssomething.com/wp-content/uploads/2018/02/A-Longitudinal-Analysis-of-Media-Reports-at-Target-Stores.pdf

2021年、状況を憂えた英国人権平等委員会(Britain's human rights watchdog)委員長のフォークナー氏は声明を発表した。

「女性は虐待されたり、汚名を着せられたり、仕事を失う危険を冒したりすることなく、トランスジェンダーのアイデンティティに疑問を抱く権利を持たなければならない」

出典:https://www.bbc.com/news/uk-57219989

『ジェンダーイデオロギー』は「男性が女性だと言えば女性になれる」という過激な思想。世の中の50%を占める女性の身体性に基づいた権利と大きく衝突する思想でもある。イギリスでは2015年から女性スペースがジェンダーアイデンティティをベースに運用されレイプ事件などが多発した。2020年、2021年と、この思想を推した労働党は選挙で大敗し、2021年5月に、担当大臣が「オールジェンダートイレ」を「男女別トイレ」に戻す命令を出した。

 また、トランスジェンダー文化を育んだ「ジェンダー・イデオロギー」は「哲学的信念」であり、これを信じない人の信念も同じく保護されると英国裁判所において判断されている。

出典:https://commonslibrary.parliament.uk/employment-tribunal-rulings-on-gender-critical-beliefs-in-the-workplace/

日本国憲法第十九条

思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。

 つまり、ペニス付の人物を女性と認めない信念は、日本国憲法第19条の名において認められなければならない、日本国民固有の人権である。

 我々日本女性にも、海外から輸入されたジェンダー・イデオロギーによる「性自認は性別と等価であり、男性器付きの女性も存在する」という科学的根拠の無いイデオロギー拒否する権利があるはずだ。

 性同一性障害に関する特例法は、自己を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思を有する者の、書類上の性別記載を変更するべく制定されたもの。あたかも法が手術を強制しているかのような誤読を誘うLGBT活動家の言説は、悪質であると言わざるを得ない。

 手術を望まないトランスジェンダーには、別途の救済を用意すべきであり、その救済様式は、女性や子供の生存権を損なうものであってはならない。

 このイデオロギー騒ぎを受けて、豪州ユダヤ人協会会長のアドラー博士は次のように述べている。(2023年6月)
「不愉快なイデオロギーから自分の権利を守ろうとする女性をナチスだと中傷することは、非常に恥ずべきことだ」

出典:https://www.youtube.com/watch?v=vurVCxXucdw


最後に、LGBT救済のためのジョグジャカルタ原則を起草したひとり、人権法の専門家ロバート・ウィンテミュート博士の言葉を添える。

https://www.kcl.ac.uk/people/robert-wintemute

 ジョグジャカルタ原則は、キングス・カレッジ・ロンドンの人権法教授であるロバート・ウィンテミュート氏を含む、弁護士、人権専門家、トランスの権利活動家のグループによって起草され、署名された。同性愛者であるウィンテミュートは、「トランスジェンダーの人たちが苦しんでおり、これこそ彼らが必要とすると示しているものだ…という感覚がありました。2006年当時、手術をしないことやセルフIDの意味合いが、私たちには理解できませんでした。なので、私の記憶では、手付かずの性器を持ったままの男性が女性の空間にアクセスするとは、誰も考えておりませんでした」と認めた上で、「女性の意見に耳を傾けたことが、私の意見を変える重要な要因となった」と語る。

 法律上の性別を変えるのではなく、法律上の性別と外見の違いによって引き起こされる被害から人々を保護することを、法律は単純に求めることができたはずだ、と彼は示唆する。「そうすれば、トランスの人々の出生時の性別を法的な性別として認めつつ、性役割に適合しない外見や行動に基づく差別からの保護を確保することができるため、現在の争いの多くを取り除くことができるでしょう」ロバート・ウィンテミュート

出典:

結論:

現在、英語圏で既に見直しが始まっている周回遅れのイデオロギーに膝を屈し、出産した女を「父」、ペニスある男を「母」と公称できるよう法を捻じ曲げれば、日本国最高裁判所の信頼と権威は地に堕ちていくだろうことは論を俟たない。           

(2023年9月13日)
※この記事は、調査結果を部分的に友人から寄贈されて公表している。


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