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文学_宮沢賢治『注文の多い料理店』のあらすじ

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面白さ


宮沢賢治が生前に発表した数少ない作品のひとつ。

宮沢賢治と言えば、『雨ニモマケズ』『永訣の朝』『銀河鉄道の夜』などですが、これらの作品は死後、草野心平らによって発掘された作品です。

『注文の多い料理店』は資本主義社会への批判のように感じました。

登場人物

2人の紳士を中心に物語が進んでいきます。

2人の紳士…イギリスの兵隊のような格好、ピカピカの銃を持っている
猟犬…2人の紳士が連れてきた猟をする犬


あらすじ


2人の紳士は山に猟に出かけていました。

その山は非常に奇妙で案内人とはぐれ、一緒に猟犬は泡を吹いて倒れてしまいます。

2人の紳士はそんな犬を見て、

「うわ、2400円の損失だ。」「おれなんて、2800円の損失だぜ。」

と言います。


2人の紳士は空腹になり山を下りようとします。

獲物は取れず、猟犬も失って損しかしてない…と嘆きながら。

そんな中、突然、現れた西洋風の建物がありました。


レストラン『山猫軒』

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「どなたもお入りください。ご遠慮はありません。」

という立て札があるレストランが突如山の中に現れます。


彼ら2人は喜びます。

さらに、ご遠慮とはタダでごちそうするよという意味に違いない!

という意味に捉え、ワクワクが止まりません。


早速、中に入ると、、、「特に太った方、若い方は大歓迎」と書かれています。

「おれら両方兼ねてるぞ!」と紳士は喜びます。


不自然なところはありますが、彼らなりの都合の良い解釈でどんどん進んで行きます。

長い廊下と多くの扉については、外が寒いからロシア式で建築されているのだと。


料理店からの注文

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長い廊下を進み扉を開けるたびに、注意書きが出てきます。

一見、不思議な注意書きですが、2人の紳士は都合よく解釈して進んで行きます。


「注文は多いですが、こらえてください。」という注意書きについては、
注文が多くて支度が手間取るから、先に謝っているのだと。
「髪と泥を落としてください。」という注意書きについては、
偉い人が来るから身なりを整えないと。
「鉄砲をおいてください。」という注意書きについては、
やはり偉い人が来ているのだと。
「帽子とコートと靴を脱いで」という注意書きについては、
いや〜、よっぽど偉い人が来てるんやなと。
「ネクタイピンやボタン等尖った金属を外せ」という注意書きについては、
電気を使う料理があるのかもと。
「クリームを塗って」という注意書きについては、
外が寒いから、温度差でひび割れを防ぐものだと。
「料理はもうすぐできます。15分もかかりません。すぐに食べられます。早く瓶の中の香水を振りかけてください。」
その香水はお酢の匂いがしました。

下女が風邪を引いて間違えたんや!と。

なんというポジティブ思考でしょうか…。


さすがに気付く


「最後に壺の中の塩をよく揉み込んで!」という注意書きがありました。

ここでようやく彼らは違和感を覚えます。

「たくさんの注文って向こうがこっちに注文してない?」と。


つまり、来た人を西洋料理にして食べてやる家だと、ここで気づきます。


逃げようとしますが、来た道の扉は開かず次の扉の鍵穴からは怪物が見えてます。

2人の紳士は大泣きして顔がくしゃくしゃになりながら、泣きわめきました。

なんとか助かるも…

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大ピンチの中、泡を吹いた猟犬が2匹、扉を突き破って部屋に飛び込んできました。

そして、そのまま怪物がいる部屋へ飛び込んでいきました。

すると、建物が消えて、2人は草むらの中に立っていました。


周りを見渡すと、上着や靴などは枝にぶら下がったり、根本に散らばったりしていました。

猟師が「旦那!」と言って迎えにきてくれてやっと安心して団子を食べて、焼き鳥食べて東京に帰っていきました。


しかし、2人の顔はくしゃくしゃのままでした。

解釈


まず、物語として面白いですよね。

食べる方だと思っていた人間が実は逆に食べられるというオチでした。

また、日本語の使い方も、解釈によってはどちらの意味にも取れます。

例えば、「ご遠慮はありません。」「食べられます。」などの言い回しも上手ですよね。


資本主義の風刺なのではないかと思いました。

2人の紳士はイギリス式の服を着て、ピカピカの銃を持ち、高価な犬を2匹連れていました。

そして、猟犬が泡を吹いて倒れた時、お金の損得勘定でしか考えていませんでした。

これは、まさに資本主義の上流階級の象徴とも取れそうですね。


宮沢賢治は裕福な家庭育ちだが、父の商売を嫌っていたというエピソードも残っています。

そんな資本主義の上流階級を皮肉った作品なのかもしれません。


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