文学_江戸川乱歩『D坂の殺人事件』(後編)
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『D坂の殺人事件』の事件の真相について解説していきます。
これまでのお話はこちら
事件から10日後、明智小五郎宅にて
密室殺人事件から10日後…
私は明智小五郎の家を訪れました。
明智小五郎は驚いた顔をしつつも、部屋に招きます。
私「少し話がありまして…。実は1つの結論に達しました。それを報告したくてね…。」と、いかにも探偵のように告げます。
その言葉を聞いた明智小五郎は、
事件の真相がわかるものかというような軽蔑と安心した様子でした。
私の推理
まず、手がかりの整理をします。
電気のスイッチの指紋は、明智小五郎のみしか出てきませんでした。
そのため、犯人の指紋がわかりないというのが警察の結論でした。
2人の目撃情報は、1人は黒の着物を、もう1人は白の着物を着ていたと証言が食い違っていました。
そこで、私は考えました。
着物については、黒と白を含んだ着物だろうと。
障子の隙間から見ていたので、角度によって色が異なってしまう縞模様の着物なのではないかと。
また、指紋については犯人の指紋のみが残っていたのだろうと。
つまり、縞模様の着物を着ていて、電気を触った明智小五郎さん、あなたが犯人でしょう!ということです。
事実に対して、私の推理をまとめました。
縞模様の着物 → 食い違う目撃情報
亡くなった女房と幼馴染 → 失恋など殺害の動機は生まれやすい
女房は抵抗した様子がない → 犯人は知り合い
電気の指紋 → 明智小五郎の指紋のみ
殺人現場からは、隣の隣の蕎麦屋から逃げたでしょう。
実は蕎麦屋の便所から、現場の古本屋の裏口に行けることがわかりましたと。
そう言って、私は明智小五郎を問い詰めます。
明智小五郎の推理
明智小五郎は、私の推理を聞くと、ゲラゲラと笑い出しました。
以下、明智小五郎のセリフの要約です。
幼馴染とはいえ、2,3度話しただけの関係で知り合い程度の付き合いです。
また、指紋については、もともと電球の線が切れていたんですよ。
誰も消していなくて、慌てて電球を動かしたから偶然線がつながって電気がついただけだったんです。
つまり、犯人の指紋がなくて当たり前なんですよ。
犯人は電気を消していなくて、偶然消えてしまっただけだんです。
次に、目撃情報の食い違う着物については、人間の観察や記憶はあまり頼りにならないんですよ。
実験結果としても、その記憶の頼りなさが証明されています。
さいごに、蕎麦屋の便所は確かに怪しいと思います。
物質的な証拠からは解釈でいくらでも言えるけど、
心理的に人の心を見抜くことこそが1番良い探偵の方法です。
古本屋の女房の身体中に傷があったこと、そして蕎麦屋の奥さんも同じような傷がありました。
つまり、この犯罪には悪意はなく、犯人と被害者の同意の上で行われたと推察しました。
犯人は…蕎麦屋の主人です。
実は蕎麦屋の主人はとんでもないサディストで、古本屋の女房はとんでもないマゾヒストでした。
そこで、誰にも見つけられないように不倫をしていて、行き過ぎた行為をしてしまい、誤って殺害してしまったと推理しました。
そこへ、夕刊の新聞が届きます。
小さな見出しで、蕎麦屋の主人が自首したと記されていました。
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