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【2022年2月】頭が疲れた時に観るAmazonプライム・ビデオのお勧め3本

最近、毎晩30分以上、膨大なコンテンツが並ぶ動画サイトを眺めては、惹かれるものがないなと思ってパソコンの前でうんざりしている。オンライン生活飽き飽き症状の末期です。

今は、何か判断を迫ってくる緊張感のあるコンテンツから遠ざかりたい。迷ったり、怒ったり、不安になって気構える必要のあるものだ。リアル世界の方に、そういうのが増え過ぎている。

疲れ過ぎてて美しいものだけを摂取したい、というときのお勧め3つを紹介します。

1.『僕の姉ちゃん』(2021)

姉と弟の束の間の2人暮らしを描いたドラマ。姉ちゃん役の黒木華が、社会人になったばかりの弟と、毎晩好きなものを食べながら、恋愛や仕事について会話をする。

舞台になっている江ノ電・鵠沼駅の景色や、レトロなインテリア、姉ちゃんが着ている洋服など、映像がとってもオシャレで素敵。

姉ちゃん、明らかに私より年下なのに、もういろんなことが見えてるみたいで、話を聞きながら弟と一緒に納得してしまう。へー、なるほどなー、確かになー、真理かもー・・などと思いながらぼんやり観ていると、オートプレイでどんどん次に進んでいた。

家に帰って、こんな風に話をしてくれる姉や、聞いてくれる弟がいる生活は毎日楽しいだろうと羨ましくなる。でも、どんなに仲が良い家族でも、これをずっとは続けられない。必ず、期間限定だ。自分の人生にこういう時間ができたら、後で一人でちゃんと思い出せるように、大事に過ごしたいと思う。

そして、オープニング曲のハンバートハンバート「恋の顛末」が、とにかく良過ぎます。ドラマ観終わったあとも、何回も聴きに来てしまった。


2.『パンとスープとネコ日和』(2013)

二人暮らしをしていた母が突然亡くなった。一人になった娘のアキコは、それまで勤めていた出版社を辞め、母が40年間営んでいた食堂を全面改装して、新しくパンとスープのお店をオープンする。

唯一の家族が急死したり、信頼されていたはずの職場から不本意な異動命令を受けたり、普通に考えるとアキコは不幸続きだ。でも、激動感が全然ない。大事件が一度に訪れて、人生が思いがけない方向にどんどん進んでいくのに、アキコはゆるゆる水に流されてるみたい。

過去や未来に対して、「ああしておけばよかった」とか「もっとこうしないといけない」みたいな気持ちの行き来がない。淡々と時間が過ぎる。アキコは、人にも物にも執着がなく、でも親切で、これを包容力というのか?あるいは自律した人と呼ぶ?
とにかく、アキコさんみたいな人と一緒に仕事をしたいと強く思う。

すっきりとしたインテリアで、メニューの少ないお店もいい。観終わると、気持ちがクレンジングされた感覚になる作品だ。

3.『君の名前で僕を呼んで』(2017)

舞台は北イタリアの避暑地。17歳の少年・エリオが、アメリカからやってきた24歳の大学院生の青年・オリヴァーと一夏の恋をする。

アカデミー賞に多数ノミネートされてて話題になっていたから、ずっと興味があった。なぜ公開時に劇場で観なかったのか、今になって大後悔した。2時間以上、PCにずっと釘付けになるほど美しかった。美術品のような映画だ。イタリアの景色と夏の日差し、音楽、邸宅、知的で温かい家族、女の子、どれをとっても最高です!!

特に、エリオ役のティモシー・シャラメの表情だけのラストショットが良くて、何度も見返した。繊細で綺麗だけど、ただビジュアル的に美しいというのとも違う。リアルに存在する少年の、立体感みたいなものも感じる。

オリヴァー役のアーミー・ハマーが24歳設定というのに、日本人感覚だと嘘でしょと思うし、私の青春時代には、こんなにヨーロピアンな美しい夏はなかった。でも、一度きりの人生だから、あれば良かったなと思う。

随分前、テレビで見たのか本で読んだのかも忘れたけど、終末期医療に携わる方が患者さんに聞いた”人生でやり残したと後悔していること”の中に、”心に残る恋愛をしなかったこと”というのがあった。

この映画みたいな恋愛ができた人は、人生の大金星を1個獲得。そういう特別な恋愛だ。とりあえず私も、自転車買おうかな‥。


ところで、数年前までの映像作品を、私はまだ普通の、自分がよく慣れ親しんだ日常として観ていられる。5年後くらいに制作されるのは、登場人物はみんなマスクをしているんだろうか。子供たちが観たら、ノーマスクの世界は、時代劇っぽいカンジに映るんだろうか・・。


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