宿屋のおばさん業。
私は宿屋をやっています。日本だと民泊というのかな。
「一件貸し」が2件。自分たちが旅をしたとき「こんなのがとても良かった」「これがあって欲しかった」ということがあちこちの国で沢山あったので、暮らすように旅したいひとのため、と思ってやっています。儲けは出ないどころかやや赤いのですが、ある意味私があちこちで受けた優しさへの恩返しでもあるので・・・
そして有り難いコトにこれまで沢山のひとに喜んで貰えているのですが、同時に(大変遺憾ながら)ビックリするようなお客さんというのは枚挙に暇(いとま)がないのですよ。
(↑は アテネで泊まったところ。4人でゆっくり出来、すばらしかった)
先日チェックインだったお客さん。ひとりで18日間の予約。そのひとからチェックイン後のメッセージ。
「さっき無事に部屋に入りました。それで、こんなのがあったらもっと良いだろうと思うことを書いておくね・・・ 玄関にベンチと靴箱を置くべきだよ、そしたら靴が脱ぎやすい。なくてがっかりだった。キッチンのゴミ箱は大きなサイズにすべきだ、料理するとき困るだろう?それから、オーブンがあるんだからそれのためにクッキングシートを置いてくれなきゃ。
まぁ他の部分は及第点ってかんじかな、綺麗で今の所は満足だよ」
簡単にご指摘ありがとうと返信して、一旦忘れることにしました。
ちなみにこの部屋は大きなデスクとオフィスチェアも入った広いベッドルームひとつと、ひろいリビング(ソファとコーヒーテーブルの他、椅子4脚がついたダイニングテーブルもあります)、キッチン、そして綺麗なシャワールームがある90平方メートル以上あるアパートです。定員は2名(どうしてもというときは3名)なので、椅子は多すぎるくらいです。
一泊$60。これに週間割引きとか前払い割引きとか入るので、この方は一泊4000円ちょっとで泊まっています。
(↑ ギリシャ・サントリーニの宿。)
・・・こういうゲストって結構いらして、お金払ってるんだからなんでも用意して貰えるみたいな気分でいる。もちろん、提案って気持ちもあったのかもね。そう思ってこの記事も数日寝かせたんだけど、どうも・・・ね。
You get what you paid for.
あのね、そこにあるのは払った分に見合ったものなんだよ? 一泊何万円と払ってるならまだしも、ね・・・
(アテネ・ホテルだけど久し振りに気持ちの良いホテルライフだった)
というのは、今までもいろんなものを壊されたり盗まれたり、本当に唖然とすることが沢山あったのでした。今回の彼が言っていた「靴箱つきベンチシート」も昔はあったのです・・・が、何人かのゲストが部分的に壊したり傷つけたり、しまいには「ベンチに足をぶつけて怪我した、どうしてくれるんだ」とか言い出す人も現れ・・・(それが撤去した理由)
どうしてくれるもなにも。
まぁ、予約システムを使っている会社が間にはいって私には何も請求ありませんでしたけれどね。
まぁ、いろんな人がいるものです。本当に、いろんなひとがいる。
そして残念だけど、全ての人に満足して貰える宿にはできない。
そういうのに出会って「こんなこと言い出す人も居るんだ?」って驚いたり、一瞬落ち込んでみたり、も、まぁ、楽しさのひとつと思えばいいんですけれどね。
(ベルギーの田舎町にて。こぎれいで主のゆっくりして欲しい、の気持ちがよく伝わったところ)
・・・そろそろ、またのんびり旅をしたいなぁ。
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