見出し画像

理不尽な社会の思い込みに 態度で「オカシイ」を示せるあなたへ。

note上で存じ上げているだけなのだが、林さんの文章をよく読んでいる。今日はこんなのがあがってた。有料だが話としてはこの無料でも読める部分で通じるので・・・(林さん、勝手に引用させていただきます、すみません。)

さて、有料部分に書かれた林さんの優しい言葉たち、「なるほどな」がいっぱい詰まった文章もいいのでぜひ読んでほしいと一言付け加えさせてもらいたい
一方でこの質問には(質問者さんにではなく世界に向けて)ちょっとため息をついてしまった。そして、もう大声でこのかたにエールを送りたくなった。

あなたたちご夫婦は、日本文化が勝手に当たり前にしてきたことへの男女の役割ってやつに、大きな疑問符を全身で表現できる、時代の最先端のお二人ですよ!頑張れ!!!


ちょっと私の視点は林さんのそれとは変わるのだが。
この質問者さんが感じている理不尽とプレッシャーは、結構たくさんの女性たちがずっと感じてきていたことなのだと私は思うし、多分この質問を読んだ多くの女性が同じように思ったのではないだろうか。

私はこの質問者さんと奥様が、「社会の勝手な思い込み」を目の前にして戦っている真っ最中なのだなと感じた。だから上に書いたエールになった。その理由を二つ、大変勝手だが 私なりに以下に書かせてもらう。

まずは「稼がないこと」について。

この質問者さんの気持ちがむちゃくちゃわかる。と思う。周りの声はもちろんきついけど、この方は心のどこかで「男が稼げないなんて」って思ってるんじゃないかな。医業を離れた後 私も「稼げないくせに」という自分いじめをずっとしてる。多分今も 気を許すと自分いじめに走る。

事実上の専業主婦になってからも、私はパートナーの稼ぎのみで暮らすことに物凄い抵抗感を持っていた。少しでもいいから自分も収入を作りたい。世の中で言われる「専業主婦のやることを月額換算すると結構な収入分となる」なんて言葉じゃなくて諭吉さんたちの顔のついたお札が欲しかった。そういう「もの」の形での承認欲求だったと言ってもいい。

この質問者さんもそうだったところはあるんじゃないだろうか。世の中の根底にある「男は稼げ」みたいな風潮が変だと思うこともあるだろう。でもそれよりも、【ご自身がそれができない理由があって、でも夫婦間ではいい家庭を作れている】という素晴らしいアウトカムがあるのにどこかで「お札を持ってこないとダメなんじゃないか」って自分いじめをしてませんか。

ずっとその無駄な足掻きをしてきた私としては、「私のパートナーは外から持ってくるお札で自分(質問者さん)を評価しているわけじゃない」と心から理解するのが最初では?とお伝えしたい。偉そうだが。

その後に「社会の勝手な思い込み」からの周りの発言を「許してあげること」、そして今その社会の勝手な思い込みを変えるための大きな旗を夫婦で支えて立てているのだと理解することが大事だ。風は時に強くて旗が倒れそうにもなると思う。でもパートナーが一緒に支えてくれているのをその時はきっと良く見えるから。


そして「得意な方が得意なことをする」当たり前さを忘れている社会について。

これは理想だしそうあるべきだ。でもこの社会はまだ未熟なんだ。
「男が稼ぎ女が家事を回す」のが正解と思っている風潮がまだある。いろんなケースが、いろんなパートナーシップで生きている人がいるというのに、そこだけは型にはめようとする。

(脱線するが子育て期間は短いんだから仕事をしてる場合じゃないだろうと上の世代が若いママにいうのも同じで、思い込みからの根拠ない信条なんだと思う)

以前、姉が同窓会であったことを教えてくれた。同級生の一人の男性は「俺は男だから家事なんてうまくできないんだ」みたいなことを酒の席でポロッと言ったらしい。途端に「私たちだって殆どの人がそれを得意と思ってやってるわけじゃない。やらなきゃいけないし上手くなることでしか自分の時間を作り出せないから必死に覚えたんだ。それを女だからできるんだ、みたいに言うな」と女性陣から総スカンを食らったらしい。

そういう、ことなんだ。社会の未熟性は結構、わたしたちが気づかないレベルで考えの根っこになっている。

だからここでの質問者さんが、家事をこなす能力を身につけ、ご夫婦でいい役割分担となっているなら最高のことだし、女性と言わずとも家事をこなすことをやっている人からしたら「そのやり方やこなし方を身につけたんですね、素晴らしいです」という賛辞しか出ないんじゃないかと思う。

そういうふたつのポイントから、私はその質問者さんには 周りがあれこれ言うのは是非とも聞き流してほしいと思う。その心無い言葉を投げる人たちはやったこともないのに誰かに押し付けて できている気になっているんだから。これは日本社会がなんとなく「当たり前」としている無駄な信条のせいなのだから。


先頭に立って大きな旗を掲げるのは容易ではない。特にそうしようとして旗を上げるんじゃなくて、やっていることが「旗を上げること」になっていたら、なかなかにキツいと思う。
でもまずは自分の正解であることをちゃんと理解して、周りの無理解には「まぁ、わかんないんだよなぁ、かわいそうになぁ」と思い切り上から目線で許してやってほしい。そしてそんな質問者さんご夫妻が、多くの人の生きやすい世界を作っているのだと、こっそりでいいので自画自賛してほしい。

そうすることでしか、この質問者さんが本当に心が軽くなることはなかなか難しいんじゃないかな、と・・・私なりの経験からは思うんだ。
この質問者さんの気持ちがわかるなぁ、って言う女性の皆さんはどう思われます?

サポート戴けるのはすっごくうれしいです。自分の「書くこと」を磨く励みにします。また、私からも他の素敵な作品へのサポートとして還元させてまいります。