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大興奮!子供がつくるロボット大会

昨日の友達noterさんとのツイートのやり取り。

坂るいすさん、ありがとう。背中押してもらって書く気になった 笑

そう、日本のロボコン、なんと33回目!!! NHKが主催なのかな?「うめがきたね」さんの仰ってたのは高専ロボコン。

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対するアメリカのFIRST Robotics For Inspiration and Recognition of Science and Technology(科学・テクノロジーの着想と認識(社会的需要)のために)という言葉の頭文字をとったFIRSTというNPO団体が主催。始めたのは発明家で起業家のディーン・ケーメンとMITの物理の客員教授だったウッディ・フラワー。ディーン・ケーメンを知らなくても、自動点滴シリンジとか電動車椅子iBOT、セグウェイなんかは知ってるでしょう。

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こちらがセグウェイに乗ってるケーメンさん。

FIRSTは、幼稚園から(!!!)16歳までのレゴリーグ(FLL)と、12歳〜18歳のテックチャレンジ(FTC)、そして14歳から18歳までのロボティックス(FRC)があります。対象年齢が広いのと、世界から集まるっていうので、国際大会はもうお祭り騒ぎです。(当然今年の5月にあるはずだったものは中止)

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まずは「参加者」の親として関わったレゴリーグとロボティクスのお話。

レゴと組み合わせてのロボット作り;FLL Jr. / FLL

FLL(レゴリーグ)はその名の通り、基本的にLEGO社のマインドストームというセットを使います。プログラムを入れて動かせる部分がついたLEGOがあるんですね。この動力部分に自分で作ったプログラムを入れて、LEGOのパーツで作った機械の腕(ショベルカーのショベル部分、とかね)を動かし与えられたミッションをこなします。(日本でもコレを使った教室や、FLL参加を目指すグループが沢山ありますよ)

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プログラミングは比較的簡単に作れるようになっています。むしろ難しいのはレゴを使いどれだけ正確な動きをするアームとか本体部分を作れるか、ってところかも。
時間内にいくつかのミッションをこなしていくのですが、プログラムは同じなのに取り付けたレゴパーツが緩んでしまったり、ビミョウに動きの軌跡が違ったり、で、「ロボットって100%常に同じ動きを出来ないからこそ、どうやってエラーを減らすか」という辺りを学びます。

ここに息子のチームの試合の一部を出しますが、「壁にぶつける」のは走行距離や方向のズレを減らす目的だったそうです。

プログラム自体は、本体に決まった動き(どこを走るか、とか、どこで何度回転するかとか)をさせるもの、例えばA, B, Cという動きを作り、それぞれのプログラムの間に「仕掛け部分レゴ」を装着する時間を設定しておきます。

あとは「仕掛け部分レゴ」が 置いてあるものを一緒に拾ってくる(軌道にあれば勝手に引っかかって一緒に戻ってくる) とか、体当たりしてボールをばらす とか、ゲーム板上の固定器具にぶつけることで必要なモノをそこに「置いて」くるとか。ここも工夫次第。


息子が7年生のときに居たチームが世界大会に出場したものです。日本のチームも出てましたよ。(下の写真)

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レゴリーグの参加ルールの分かり易い動画。右下の設定ボタンから字幕を付けられます。

質の良いロボットとチームワークの合わせ技:FRC

そして今息子が通っている学校ではFRC(ロボティクス・コンペティション)のほうで結構世界大会に出場していて、2019年、2020年と世界大会出場権を得ました。


FRCのユニークなところは「連合軍」で戦うところかなと思っています。各校1台ずつ(何台持ってもいいのですが、作るのも大変だし1台50kg前後あるので移動もかなり大変。そして維持や参加におカネもかかるので・・・)のロボットを持って、各試合で3チームが「1連合軍」をつくります。

最初(予選)は毎試合 どのチームと組むかはわかりません。(対戦表で最初から割り振られている)さっきの試合で連合軍仲間だったチームが、次の試合で敵の連合軍、ってことも普通です。

地方大会レベルだと「ロボットの動きの正確性」その上で「得点力」がまず目標ではあるのですが、世界大会に出るチームというのは予選から各チームの特色をリサーチして、決勝リーグで攻守ともに安定したチームを作るというのが勝ち残る秘訣になったりします。決勝リーグに出る8連合軍 合計24校の中に入る実力があるなら、どのチームと組むかが全てを左右します。

何と言ってもアメリカの西のほうでは大きなテクノロジー系の会社がひしめくカリフォルニアとワシントン州、次いでコロラドのチームのレベルが高い!(親や知り合いにエンジニアがいれば、コーチについてもらってレベルアップも出来るってわけです)

どこのエリアの地方大会に出ても良いのですが上位3校のみが国際大会に出られるため、カリフォルニアなどの強豪校は潰し合う地元より当然ユタ州やアイダホ州なんかの大会にも出て狙ってきます。

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2020年3月の地方大会予選では、息子のチーム、全く得点できなくて応援しているこちらがイライラしてしまうほどでした。当然予選の順位はかなり下・・・予選終わった時点で40位くらいだったでしょうか。

先ほど書いたように決勝に残れるのは24校、8連合軍です。予選通過順で強いチームが一緒に連合軍を作る相手を選べるのです。ここで1番得点力のある2チームが組んでいた連合軍から3番手として息子たちのチームが指名されて私達親はびっくり。そのまま優勝して世界大会出場権をもらいました(で、コロナで中止・・・)

実は息子たちのチームは世界大会でもディフェンスの強さで有名。ディフェンスには動きの速さもそうですが 各50kgのロボットですから馬力が他チームより強いのが有利になります。また、「ファールをしない技術」も必要。試合の激しさにロボットが壊れちゃう、ってこともあるので・・・・(当然ファールの酷さによっては失格です)

だから世界大会常連校なんかは知ってるわけです、「あのチームには馬力とディフェンスのノウハウがある」と。(技術は各チームで蓄積されていきます。良いコーチを見つければ突然強くなるチームもありますが。)
今年の予選で散々だったのは、実はこの試合で一番強いであろう学校から「決勝で連合軍に指名したいから、予選で目立つな」と言われていたのだそう。そんな政治的?駆け引きもあるのだそうです。

・・・そういえば去年の世界大会でも、そんな感じで決勝リーグチームに引き上げてもらって出場してたっけ・・・


これは去年のヒューストン世界大会の決勝最終試合。
もうこのレベルになると、するすると自在に動いて得点できるのは当然で、ディフェンスがどれだけ上手に時間を稼ぐか、が勝負の分かれ目。赤の陣、青の陣それぞれで、別の色をつけた1台がディフェンスしているのがわかるでしょうか。

日本のロボコンも私はTVで見るのがいつも楽しみで大好きでしたけれど、この「その場限りの連合軍チームを組む」というひとひねりが、子供達の地域を越えた友人を作ったり新しいチャレンジができたりという別の側面も作って、これはこれで親として見ているのが楽しいです。


日本にもNPO法人 青少年科学技術振興会 FIRST Japanってのがあるようですね。ご興味ある方はそちらからどうぞ。

追記なんとFIRSTは世界大会会場を増やして「日本でやる」ことが決定されてたんですね!!!コロナ禍で中止になってしまったけれど、来年のルールは今年と一緒、というのが決まっているそうなので(息子情報)今からでも参加検討、間に合います!!むしろ例年は試合概要発表から試合開始まで6−8週間しかなかったので、チャンスです!

日本では既にFLL80チーム、FLLJr.40チーム、FRC 9チームの登録があるそうです。(FLLの2019世界大会に参加したチームのウェブサイトも見つけました
ロボコンもエキサイティングだけど、世界からのチームと文字通り友達になれるFIRST、参加してみませんか?

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