ロードトリップ
娘と旅をする。
大きくなった。もう「友達」と言っても良い。
時々幼い頃の顔が重なる。
長い道中だから、最近できたというアイスクリーム屋さんに寄ってみようか。娘は先日来ているので、すぐに「ここね」と新しいルートを調べて教えてくれる。
中継地の宿に着き、足を伸ばす。
終わらない宿題を片付けるためにラップトップを拡げる娘のよこで、請われるままに昔話をする。
私が出会ってきた沢山の「一風変わっていてとても面白いひとたち」の話。そのなかに若かりし頃の夫の話もあって、そこから娘と「我が家の 愛すべき困った男性陣」の悪口大会が始まる。愛ある悪口大会。
日本を離れてから「イマドキ」な日本のポップスはなかなか付いていけなかったから、20代前後でよくきいていたポップスを 子育ての最中は車移動のお伴としていた。
「かーちゃんの好きだったアーティストの、これなんか歌詞もおぼえてるよ」
彼女からしたら 自分が産まれる前のヒット曲を、私の影響で覚えてしまったとは・・・ちょっと可哀想な気もするけれど、一緒に歌えてしまうのは楽しい。
私は自分の母とこんなふうに付き合えなかった。
自分の日常を何でも話す、というのは この子のもつ素直さと優しさだ。
彼女に関して子育てはほぼ終了したのだなと思う。
後ろをパタパタと短い歩幅をカバーするように早足でついて来た子供は、今一緒に同じ歩調で歩くし時に私に手を貸してくれる。
彼女の今日が、明日が、時々上り坂や下り坂(とたまに まさか)を通りながらも続いていくように。
沢山の素敵なひとたちと出会い続ける時間が続くように願う。
さあ、今日の運転はまずどちらがしようか。
お喋りと歌と、ときどき居眠りの入るロングドライブは 何も無いけど豊かでありがたい時間。
娘の学校の友達の話ももう少し聞きたいし。
サポート戴けるのはすっごくうれしいです。自分の「書くこと」を磨く励みにします。また、私からも他の素敵な作品へのサポートとして還元させてまいります。