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強めの言葉の裏がわに

一瞬の違和感

買い物に出かけた際、ちょうど他塾の前を通りかかったときでした。

「小学生中学生対象」「冬期講習受付中」「生徒募集中」などの張り紙の中に、それらと同じ書体で「継続は力!」というのがありました。

一瞬、ん?となりました。

張り紙のほとんどは事務的な情報なのに、ふいに思想的な情報が混じっている違和感。

いちゃもんをつけているわけではありません。
訴えたいことは自由に訴えて良いのです。

気になったのは、塾として、色々あるであろう思想の中で、なぜ「継続は力!」を選んだのか。

そして、なぜ私は違和感を感じているのか。

例えば、街のケーキ屋さんに置きかえて考えてみます。

「ケーキのご予約受付中」「ラッピング対応いたします」「保冷剤おつけします」などの張り紙の中に、「贈り物は真心を込めて!」というのがあるような感じ。

なんというか、威圧感あります。

そうしないと怒られそうだな、とちょっと萎縮してしまいます。

私は基本的に「継続」ができないたちなので、「継続は力!」と言われてしまうと、劣等感が刺激されて、ちょっと嫌な気持ちになってしまいます。

夫の意外な見解

この違和感は自分の中の劣等感が刺激されているだけなのかな、と思いつつ、食事のときに夫にたずねてみました。

さっきこんなものを見たんだけど、と話すと、意外な答えが返ってきました。

「塾を辞めていっちゃいそうな人がたくさんいるからじゃない?」

なるほど!一理ある。

受験生の卒業(退塾)が間近に迫ってきているのを感じるこの時期は、塾経営者にとって試練の時期です。

受験生だけでなく、学年がかわる節目に、退塾や転塾を考える人も多いのです。

来年もやっていけるのだろうか…。

そんな不安におそわれる時期です。

夫によれば、生徒や親と接していると、塾を辞めたいと思っているんだろうな、というのは肌で感じるのだそうです。

「継続は力!」という張り紙は、塾経営者の不安の叫びなのではないかと。

「みんな辞めないで!」
「来年も経営がんばるぞ!」
ということでしょうか。

気持ちのわかるもの同士、通じ合えるところがあるのか、夫が即答だったのには驚きました(笑いました)。

「継続は力!」という言葉の裏がわに、本当は一体何があるのか。

私に知る術はありませんが、うちもがんばろ!と勝手に勇気づけられた出来事でした。

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