本を聴く
Audible(オーディブル)
私は、本を読むのが好きです。
「読書が趣味です」と言えるほどの量を読んでいるわけではありませんが、はまると、一冊を数時間で一気読みしてしまうこともしばしば。
情報をインプットしたい時と、アウトプットしたい時、どちらもせずにただ自分と向き合っていたい時、がランダムにやってきます。
ここ数日は、インプットしたい時だったので、なんとなく気になった本を聴いていました。
私の夫は、数年前、「自分は本を目で読むより耳で聴く方が向いている」と気づいたため、それ以来、Audibleで本を聴くようになりました。
耳で聴く方が、情景が浮かんで理解しやすいし、本の内容も強く記憶に残るのだそうです。
それについては、確かに、と私も思います。
家事や作業などをしながら聴けるので、本を読むためのまとまった時間をとれない時には便利です。
家族で共有できるので、私もたまに利用しています。
私は、耳で聴くのも好きですが、自分のリズムでしっとりと本の世界に浸れる紙の本も大好きなので、気分で使いわけています。
本日のおすすめ本
昨日までAudibleで聴いていた本が、とても良かったので、ちょっと紹介させていただきます。
■ 無人島に生きる十六人 / 須川邦彦 著
1899年(明治32年)に、中川倉吉という方が体験した、遭難と漂流、流れ着いた無人島での生活を、航海専門家の著者が記録した漂流記です。
まず、実話ということに、驚きました。
聴いていて、まるで体験したかのようなリアルな描写だなあと感じたので調べてみたところ、遅ればせながら、実際の体験記ということを知り、さらに興味がわいて、一気に聴き終えてしまいました。
ところどころで、感動して、泣きました。
本を読んで泣いたのは、久しぶりです。
漂流記というと、読んでいて辛い、というイメージがありました。
しかしこの本は、極限状態を描いているはずなのに、強く、明るく、楽しく、優しく、読後感がものすごくあたたかいのです。
こんな漂流記があるのか。
目から鱗が落ちました。
船長をはじめとする十六人の海の男たちが、本当に心の素晴らしい人たちで、聴いていて、自分の心が洗われていくのを感じました。
無人島で生きていくうえで、船長が行った「心の土台」づくりは、無人島でなくとも、生きていくうえで大切な心構えだと思います。
強い心で、愉快に、毎日毎日を恥ずかしくなく暮らしていくこと。
言うは易く行うは難し、ですが、この十六人は、見事にやってのけてしまうのです。
水や食料や道具が十分にない状態から、創意工夫して生活を成り立たせていく様子が、すごくリアルで、すごく勉強になりました。
たったひとりでは難しいことも、志を同じくする仲間がいれば可能になり、それが積み重なれば、さらに可能性を広げてくれることも教わりました。
聴き終えて(読み終えて)強く心に残ったことは、
心の在り方が、こんなにも「奇跡」を引き起こすのか。
ということでした。
強い心で、愉快に、毎日毎日を恥ずかしくなく暮らしていくこと。
これが、生きる希望を見失わないことに繋がり、信じられないような幸運を呼び寄せ、奇跡を引き起こす。
広い広い海に浮かぶ点のような島に救助が来る確率は、一体どれくらいあるのだろうか。
などと頭で考えて絶望し、ただその日その日を生きのびることだけをする毎日を過ごしていたら、起きなかった奇跡だろうと感じました。
すごい。
の一言です。
私の文章では、とても伝えきれません。
どこを読んでも面白いです。
改めて、紙の本でも読みたくて、家に置いておきたくて、買いました。
興味のある方は、じーんとあたたかい、幸せな読後感を、ぜひ味わってみてください。
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