モップルに乗っ取られたその2
「お、お前は…私がど深夜の配信で生み出してしまった魔の産物…課金を愛し課金に愛された…モップル…」
幻覚を見るほどに追い詰められているのか…私はそっとカウンセリングの予約フォームを開こうとした。
「別に病んでるわけではないもぷぅ。誰にでもある欲望をわかりやすく可視化した存在がモップルもぷよ…?自分の欲望を否定するつもりもぷか??」
そのあと続けてモップルは言う。
「人間の形をしたものの三大欲求は、課金、惰眠、深夜のカップラーメンもぷ。」
「いや、ちがうでしょ!!!」
思わず空をきるツッコミは、もぷもぷもぷという謎の笑い方に掻き消された。
「でもさ、モップル。推しの新規カードが来るたびに、推しが出るまで課金して…それでいいのかなって思う時があるんだ…特に今みたいに貯金を切り崩そうとする瞬間とか…」
「それの何がいけないもぷか?推しの存在は総じてしんどいものもぷよ。」
「しんどいの意味が違くない!?」
「でも、今のピックアップを逃して来年来るかもわからない復刻を待ち続けるのも相当なしんどさだとおもうもぷ。
Twitterをひらけば、きっと推しを引けました報告が蔓延してるもぷ。
お前はそんな中で、正気を保っていられるもぷか??」
私は静かに顔を覆いながら頭を働かせる。
推しを引けなかった時のシミュレーションだ。
「無理だ…」
その一言が全てだった。
モップルがまた奇妙な笑い声をあげる。
「そんなに、悩むほど辛いならモップルに全て委ねてしまえばいいもぷ。」
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