モップルに乗っ取られたその4
今月の課金はここまでにする。
その言い放った瞬間、モップルが薄く揺らいだような気がした。
「はぁっ!?な、なにいってるもぷか???それこそ今貢いだ金額を無駄にする行いもぷよ!??」
「それは違うよモップル。推しへの課金は、自我を保ってこその行い…画面越しに行われる推しへの愛情表現の一つ…神聖な行いなんだ…」
「きもちわるすぎるもぷ。」
「だから!!だからこそ!!身を滅ぼすような課金の仕方はいけない!!解釈違いを冒してまでの課金なんて間違っている!
そう…気づいたの。
だから今月の課金はこれでお終いよ。」
「うわぁ…拗らせちゃいけない方向にきちゃったもぷか…?普通に推し引いて引き下がろうと思ったのに何がいけなかったもぷか…??
こほん…じゃ、じゃあ、同担拒否を拗らせたお前がTwitterでの推し引きました報告を乗り切れると思っているもぷか???
それこそ、発狂物もぷよ??」
小首をかしげながら、焦ったようにこちらをみるモップルを見て、小さいなと思う。
同時に、先ほどまでの推しをひくことへの脅迫観念が消えていることを再確認した。
「どんなに周囲が推しをひいたことを自慢していたってそれは、私と推しの世界線の話じゃないもの。
私は、私の世界線で推しを愛しているから、他の同担の方々をライバル視する必要はないのよ。」
「こわっ…!!」
「ごめんなさいねモップル。だからもう私は、大丈夫。」
だって…
「推しのピックアップ来月跨ぐし。」
モップルが儚く課金に溶ける諭吉のように消えた。
☆合言葉は、無(理のない)課金!
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