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病院を会場にしてメディカルハッカソンを開催しました!

2023年4月29-30日に、実働している病院内で第1回目の「メディカルハッカソン」を開催しました。
ハッカソンのテーマは「人から聞いた話ではなく、実体験に基づいた医療のデジタル改革」です。

エンジニア、ディレクターなどデジタル関係者だけではなく、ハッカソンに馴染みのない医師、看護師、理学療法士などの医療従事者も参加してくれました。普段関わることの無い職種の者たちが集まることで、互いに知る機会のなかった医療とテクノロジーへの関心が高まるイベントとなりました。

ハッカソンの概要

自身の病院や医療活動、又は自身の受診体験において課題に感じていることを解決し、活用できるデジタルサービスを作ります。
そもそもハッカソンというのは、ハック(hack)とマラソン(marathon)を組み合わせたIT業界発祥の造語です。テーマに対して、集まったメンバーが短期間で開発し、発表まで行うイベントのことを言います。
今回は、現地とオンラインのハイブリッドで2日間にわたり実施しました。
一人で参加したり、現場でチームを結成したり、全部で15組のチームがアイディアを形にするべく取り組みました。

チーム分けと開発中の様子

チーム分けの様子

ハイブリッド開催のため、google spreadsheetを使用してアイディア出しを行いました。自分の受診体験に基づいて考えているので、課題の解像度が高いアイディアが多かったです。
アイディア出しの終盤、課題に共感した人たちでチームを編成しました。

チームごとに診察室へ分かれて、いざ、開発開始です!

全チームの発表を見たい方はこちら

結果発表

最優秀賞

看護師のシフト管理サービスです。
「上司に勤務変更の希望を伝えにくい。」「何十人もの交代制シフトを一人で作るの大変。」そんな上司や部下の気持ちを汲んで、LINEに投げればどうにか勤務変更してくれる!という優れもの。高度な数理最適化が行われていると審査員からもコメントがあり、2日間での完成度が高い作品です。

優秀賞

精神的につらい人が一歩踏み出せるサービスです。
「今辛いのに初診が1カ月先。」「薬をつづけられない。」そんな思いを抱いたことがある当事者たちが、話を聞いてもらえたら嬉しいのにと発案。最近ブームのChatGPTを用いて、お喋りしながら治療に取り組める作品。患者が好むキャラクターごとに量産できることに価値がありそうと審査コメントがありました。

理学療法士の患者カルテ記入や申し送りを助けるサービスです。
なんとこの方、3月から開講しているもいせん4期生!始めてたった2か月、1人で作ってハッカソンの優秀賞に輝きました。(素晴らしい。嬉しい。)
自分の病院内で活かせることを考えて作られた作品です。審査コメントにもありましたが、患者の入力がLINE、医療者側がGlideという設計が他にも応用できそうです。

もいせん賞

医師の冷たい言葉をイッヌが優しく言い換えてくれるサービスです。
「意を決して受診したのに、そんなに心配することじゃない。」と言われて安心したものの…気持ちがしょんぼり。可愛いイヌが優しく寄り添ってくれれば安心できると作成されました。診察中に使うことは難しそうですが、医療者の発言を見直すきっかけになりそうです。診察室内でのデモ動画発表が良かったです。

病院の混雑状況をセンシングしてくれるサービスです。
受診した家族の愚痴のほとんどが「待ち時間が長すぎること」だそうで、待ち時間問題を解消するために作成。出入り口に設置することで、混雑状況がグラフで分かります。患者の分散のためにすぐにでも導入したいです。(個人的にメディカルハッカソンのレーザー彫刻が嬉しすぎました。)

オーディエンス賞

最優秀賞の「シフト聞いちゃうちゃん」が受賞しました。
審査員を含め、会場全体で満場一致の最優秀賞が証明されましたね!

おわりに

実はもいせんが主催するハッカソンは初めてで、どういうイベントになっていくのか不安がありました。しかし、参加してくださった皆様のご協力のお陰で、様々なサービスが発案され、「楽しかった!」とお声をいただけるイベントとなりました。本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。

実働している病院ということもあり制約は多くありましたが、日頃入ることの無い空間で多職種と共に開発したり、病院ならではの発表が見られたり、参加者の方も運営陣も貴重な時間を過ごせたように思います。

自分がほしいものや課題は自分で解決する。」
この自分事が一番いい結果に繋がると考えています。「友達がああ言っていたから。」、「世間的にそうらしいから。」、これらはきっかけとして必要ですが、自分が想像できていない課題に取り組むと、現場に則していない何かができあがります。
今回のハッカソンでは、机上の空論プロダクトがなかったことに感動しました。

終了時、次の開催があれば参加したいと意気込みを伝えてくださった方がいらっしゃいました。有難いお言葉を胸に、またハッカソンを開催できるよう運営していきます。今回はゴールデンウイーク中の開催で、かつ院内キャパシティーの問題で参加できなかった方もおられます。その方々とも是非お会いしたいです。

日本の医療の課題はたくさんありますが、まだ未来があるように思いました。またお会いしましょう!

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