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今週の日記|世界を測るものさし

12月10日 18歳と81歳

若さが、これまでできなかったことが少しずつできるようになってゆくことであるのに対し、老いとは、これまで当たり前にできていたことが少しずつできなくなってゆくことである。

つまり、満ちてゆくのが若さであるのに対して、欠けてゆくのが老いといえる。それゆえ、老いにはつねに哀しみや無力感が伴っている。

そこで思い出したのが以前ツイッターでみかけたこんな貼り紙である。

18歳と81歳のちがいは?というもので、元々は『笑点』の大喜利コーナーであがった迷回答をまとめたものらしい。

恋に溺れるのが18歳 風呂で溺れるのが81歳
心がもろいのが18歳 骨がもろいのが81歳
偏差値が気になるのが18歳 血糖値が気になるのが81歳
自分を探しているのが18歳 みんなが自分を探しているのが81歳
などなど……

つまるところ、若者も老人も、一生なにかに溺れるし、もろいし、気がかりでみつからないものなのだ。哀しみや無力感にばかり見舞われるのは、「18歳」というモノサシだけで世界を測っているからに過ぎない。そういうことをこの諧謔精神に溢れた貼り紙は教えてくれる。

10日前の日記を書こうとして、あまりになにも覚えていないことに愕然としてこの文章を書いた。

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