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【ソムリエ勉強用メモ】日本編~主なブドウ品種~

・ワイン生産が始まった当初、日本の気候ではヴィニフェラ種の栽培が困難であったため、日本固有の品種である広州からワインが造られた
・ヨーロッパとは異なる気候に適応する品種を求めて、マスカット・ベーリーAなどの交雑・交配品種の開発が盛んに行われた
・近年、日本ワインが海外に輸出され始め、2010年には甲州が、2013年にはマスカット・ベーリーAが、O.I.V(国際ブドウ・ブドウ酒機構)のリストに掲載された。EUへの輸出時に、品種名をラベルに表示可能に。

■赤用・白用ブドウ品種受入産地順位(生産量順位)(2016年)

1位:甲州 白 産地1位(山梨)2位(島根
2位:マスカット・ベーリーA 赤 産地1位(山梨
3位:ナイアガラ 白 産地1位(長野
4位:コンコード 赤 産地1位(長野
5位:デラウェア 白 産地1位(山形
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14位:ヤマブドウ 赤 産地1位(岩手) =岩手代表
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23位:リースリング・リオン 白 産地1位(岩手) ※ほとんど岩手

■東洋系品種

~甲州 Koshu~  白
やや薄い藤紫色の果皮を持つ。日本の在来の生食兼用品種
・受入数量、醸造量共に白黒全品種中最多。「日本ワイン」原料ブドウ全体の16.1%を占める
・山梨県で日本初の本格的ワインが生産された品種
・起源については「大善寺説」と「雨宮勘解由説」がある
ヴィニフェラ種のDNAにダーヴィディ(中国の野生種)のDNAが少し含まれていることが判明
・欧・中東系品種に比べ、果皮が厚く耐病性があり、樹勢は比較的強く、晩成品種で、収穫期は9月中旬~10月後半まで
・糖度があがりにくいため、多くの生産者は補糖を行う
・現在栽培地は山梨県に集中。甲州ワインの95.9%が山梨県で造られている
~善光寺 Zenkoji~ 白
・ブドウ生産数量では全国の0.8%を占める。甲州に近い品種。別名「竜眼」
・名前は、明治時代から長野県の善光寺周辺で栽培されてきたことに由来

■主な欧・中東系品種

~シャルドネ Chardonnay~ 白
・全国ブドウ生産量の5.6%を占め、白用品種では第4位
・本格的な栽培開始は1980年代以降
・日本各地で広範囲に栽培。
~カベルネ・ソーヴィニヨン Cabernet Sauvignon~ 黒
・1930年代、山梨県で栽培開始。現在、山形県が受入数量最多
・全国ブドウ生産量の1.9%を占め、第10位
~メルロ Merlot~ 黒
・明治初期、日本に苗木が伝わる。本格的な栽培は1980年代以降
・北海道から大分まで幅広く栽培
・全国ブドウ生産数量の6.2%を占め、赤用品種では第3位。ヨーロッパ系品種では第1位
長野県塩尻市の桔梗ヶ原が名高い産地
~ピノ・ノワール Pinot Noir~ 黒
・1881年ドイツから初めて苗木が持ち込まれた
・1970年代から本格的な栽培開始
・生産数量は175tで、冷涼な北海道が全国の半分以上を占める
~ケルナー Kerner~ 白
・1973年ドイツから北海道に苗木を輸入。北海道で大半が栽培され、北海道を代表する品種
・「日本ワイン」の原料ブドウの1.4%を占め、白用品種では第5位
・主に低価格の白ワインが造られている。辛口~極甘口、スパークリングまで多様
~ミュラー・トゥルガウ Muller-Thurgau~ 白
・1970年代から北海道で栽培開始。大半が北海道だが、近年栽培面積は激減

■主なアメリカ系品種、アメリカ系交雑・交配品種

~デラウェア Delaware~ 白
・果皮は赤身がかった灰色。生食兼用品種
・明治初期に伝来し、山梨県で栽培開始
・全国ブドウ生産数量6.7%を占め、第5位。白用品種では第3位
・県別では山形県が最多。近年山形県では、ワイン用を想定し種アリ栽培ケースが増加。スパークリングが急増中
~ナイアガラ Niagara~ 白
・アメリカのナイアガラで交配。明治時代に日本に伝来
・「日本ワイン」の原料ブドウ中12.7%を占め、白用品種では第2位。最多は長野県
・アメリカ系品種特有の香りが強い。中甘口ワインとスパークリングが多い
~キャンベル・アーリー Cambell Early~ 黒
・アメリカで交配育種され、1897年に川上善兵衛が日本に導入。生食兼用種
・「日本ワイン」の原料ブドウ中5.4%を占め、第8位
・中甘口のロゼ、スパークリング、甘口の赤など
~コンコード Concord~ 黒
・明治初期にアメリカから伝来。生食兼用品種
・全国ブドウ生産数量8.6%を占め、第4位。ほぼ全量が長野県

■主な日本の交雑・交配品種

〈アメリカ品種系〉

~レッド・ミルレンニューム Red Millennimu~ 白
・1933年川上善兵衛が開発し品種登録(未詳1号×ミルレンニューム)
・生食兼用品種。香りが華やかなワインとなる
~ブラック・クイーン Black Queen~ 黒
・1927年、川上善兵衛が開発(ベーリー×ゴールデンクイーン
・用途はワイン用のみ。「日本ワイン」の原料ブドウ中1.5%を占める
・タンニンは穏やかで、酸の強いワインとなる
~甲斐ノワール Kai Noir~ 黒
・山梨県果樹試験場が開発、1922年に登録(ブラッククイーン×カベルネソーヴィニヨン
・糖度が上がりやすく着色良好。ピーマン香がワインに出やすい
~巨峰 Kyoho~ 黒
・1937年、大井上康氏が交配した生食用品種。
・「日本ワイン」の原料ブドウ中1.9%を占め、赤用品種の中で第5位
・県別では長野県が最多。中甘口~甘口が多い
~マスカット・ベーリーA Muscat Bailey A~ 黒
1927年川上善兵衛が開発・登録した交雑品種(ベーリー×マスカット・ハンブルグ
・生食兼用品種
・「日本ワイン」の原料ブドウ中14.2%を占め、甲州に次ぎ第2位。赤用品種では最多
・県別では山梨県が最多で全国の63%を占める
・赤・ロゼワイン・スパークリングなど多様。渋みが穏やか
2013年、O.I.Vのリストに掲載

〈野生ブドウ系〉

~小公子 Shokoshi~ 黒
・育種家の澤登春雄氏が開発した交雑品種
・ヒマラヤヤマブドウ、ロシアや日本の野生ブドウの流れを引くと推測されるが、交配不明
・極めて小粒でバラ房。野趣ある香りと豊かな酸が特徴。近年アイテム増加
~山幸 Yamasachi~ 黒
北海道で開発され、2001年に登録(ヤマブドウ×清見
・耐寒性に優れ、厳寒の十勝平野でも越冬が可能
・色濃く、酸が豊か
~ヤマソービニオン Yama Sauvignon~ 黒
・1990年山梨大学の山川祥秀氏が開発・登録(ヤマブドウ×カベルネソーヴィニヨン
・山梨以北で主に栽培され、カベルネソーヴィニヨンほどタンニンは無いが、酸が豊か

〈欧・中東系品種など〉

~甲斐ブラン Kai Blanc~ 白
・1992年甲斐ノワールと共に山梨県果樹試験場が開発・登録(甲州×ピノ・ブラン
・糖度は比較的上がりやすい
~リースリング・リオン Riesling Lion~ 白
・サントリーが開発(甲州三尺×リースリング)、1975年登録。大半が岩手で栽培(90%以上)
・リースリングより早世。柑橘系ですっきりとしたワインとなる
・この品種のスパークリングは沖縄サミットの乾杯に使用された
~信濃リースリング Shinano Riesling~ 白
・マンズワインが開発、1992年に登録(シャルドネ×リースリング
・リースリングにも通じる華やかなアロマが特徴
~アルモ・ノワール Harmo Noir~ 黒
・山梨県果樹試験場が開発、2009年に登録(カベルネソーヴィニヨン×ツヴァイゲルト)
・冷涼な気候に適し、熟期はメルロとカベルネソーヴィニヨンの間。タンニンが豊か

〈日本野生ブドウ〉

~ヤマブドウ Yamabudo~ 黒
学名 ヴィティス・コワニティ
・北海道、東北地方、中部以南に生息。雌雄異木
・粒が極端に小さく、色濃く、極めて酸が高い
・「日本ワイン」の原料ブドウ中1.2%を占め、赤用品種では第9位

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