宇宙人母はゴーイングマイウェイ
母はとても自由でとても自分勝手な人である。
お金がないお金がないと嘆きながら大量に借りた韓流ドラマを観て、
お金がないお金がないと娘の給料日に手を差し出しながら店屋物ばかりを頼む。
鞄と服がとにかく好きで、似たようなものをいくつも持っているのにも関わらず、買い物に行くたびに買ってきては二階にある使っていない部屋(自分の部屋だと頑なに譲らない)に大量に放り込んでいく。
バタバタと地域の活動に勤しんでは、帰ってきてリビングの真ん中で寝転びながら韓流ドラマのDVDを観ている母。
母のいぬ間にリビングの端で寝転びながらDVDを観ていると、母が突然帰ってくることがある。
そうすると、開口一番に
リビングで寝転ぶのやめて
とさぞ不愉快そうに睨みつけて娘を二階に追いやると、何時ものようにど真ん中に体を横たえて、入っていた別のDVDを入れっぱなしにするなとぐちぐち言いながら(勿論母は常に入れっぱなし)韓流ドラマの続きを観ている。
とても自由で身勝手。
だけど誰も何も言えない。言えば不機嫌になり、何日も口をきかないこともあった。
とにかく面倒くさいので放置しているというのが現状だ。
この家の民主主義は死んでいる。
しかしながら、そんなしんどい母でも、母は母である。
だからあれを人間だと思わず、宇宙人だと考えることにした。
異文化交流、異文化理解というのはなかなか容易ではない。育ってきた文化や習慣が違うのだからそう簡単にはいかないものなのだろう。
国が違うだけでそれほどの違いがあるのなら、 星が違えば想像を絶するものなのだろう。
とても理不尽だと感じても、例え理解に及ばないことがあっても、
あぁ、星が違うんだから仕方ないよな。
そう思って今日も母を受け流す。
そんな私のエッセイ。
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