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ルイス・アルベルト・スピネッタの軌跡⑩/90年代を締めくくるパワフルなロックトリオ

・Spinetta y los Socios del Desierto 1997

リリース:1997年4月30日
Disco 1
Cheques
Paraíso
Los duendes
Sub rebaño
Bosnia
Luz sin freno
Cuenta en el sol
Diana
Oh! Magnolia
Luna de abril
Se convirtió en la noche
Tony
Así nunca encontrarás el mar
Cuentas de un collar
Mi sueño de hoy
Zonda
La orilla infinita
Disco 2
Nasty People
Holanda
La espera
Espejo en una sombra
Jardín de gente
Las olas
Jazmín
Wasabi flash
La luz te fue
El rebaño del pastor
Puyen de abril
2 de enero
Cuenco de sal
El sol y la afeitadora eléctrica
Collar
Duende

Marcelo Torres: Bajo.
Daniel Wirtz: Batería.
Luis Alberto Spinetta: Guitarras y voces.

Claudio Cardone: Teclados Kurzweil en "Collar", "Cuenco de sal", "Jardín de gente" y "El rebaño del pastor".

4月30日、レコード会社との2年間の戦いを経てようやくファースト・アルバムがリリースされる。ディスコグラフィだけを見ると、前作から4年ものインターバルが空いているが、その間にツアーやライブを行なっていたことから分かるように、創作や活動の意欲は衰えず結果的にアルバムは2枚組33曲というボリュームとなった。しかしリリースまで長い年月を経たにもかかわらず、このアルバムはリリース直後にレーベルが発売を中止し廃盤になったため、90年代のスピネッタの作品のピークであるが、あまり知られていない作品の一つとなってしまった。その年MTVの番組Bla Bla Blaは、アンプラグドコンサートの準備中に、スピネッタの数少ないインタビューを行い、その中でショービジネスや芸術の商業化に対する軽蔑の想いを露わにした。

「こんなことを言っていたら、ラテンアメリカでは1回も公演ができなくなってしまう。」
ルイス・アルベルト・スピネッタ

バンドはトリオ編成でのアンサンブルが主体となっていて、久しく失われていたダイナミクスを取り戻している。水を得た魚のようにリフもソロも弾きまくるスピネッタのギターが中心となっていて、より自由に、そして自然な演奏が繰り広げられている。それまでのバンドでもスピネッタのテクニカルなギターは聴くことができたが、このアルバムでは明らかにギターのフレーズが前に押し出されていて、スピネッタのスタイルが完成されている。そう考えたときに、バッキングに収まらないトリオによる演奏のせめぎ合いはさながら同じトリオ編成だったジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスを真っ先に想起させる(クリームよりもジミヘントリオのラフでワイルドなスタイルに近い)。とはいえそれまで培ってきたスタイルも満遍なく織り交ぜられていて、ジャジーなテンションコードやオープンコードをストラトキャスタータイプのハーフトーンで鳴らすという特徴的なサウンドも、これ以降晩年まで続くスタイルとなっている。全カタログの中でも一番スピネッタのギターを楽しめるアルバムだと言える。
バンドの特徴は他にもあり、ベーシストのマルセロ・トレスが6弦ベースを使用していることで音の重心が下がりモダンなサウンドになっている。実はこれ以降のスピネッタのサウンドで重要かつ一段深みを加えているのがベースのサウンドで、2000年以降のアルバムでは5弦ベースのローBの音が入ることでたゆたうような幽玄な世界がより際立っている。スピネッタは参加したミュージシャンのプレイアビリティの度合いで楽曲に深みをもつ場合が多い。ひとりに近いスタイルになるほど、楽曲がこじんまりと聴こえてしまう(唯一の例外がKamikazeでの弾き語り)。スピネッタも多重録音などでベースを弾くことが多いが、ベーシストが参加するのと彼が弾くのでは楽曲の広がり方が全く異なってくる。このアルバムの前後でサウンドが大きく変化したのは、ひとり多重録音かバンドかの差だけではなく、ベースの重心やギターの音の配置が変わった事で聴かせ方が変わった事が要因と考えられる。

7月11日、ロス・ソシオはチリのエスタディオ・モニュメンタルで演奏を行う。

12月10日、スピネッタは7月に公教育の予算削減に反対して闘う教師たちの歴史的な「カルパ・ブランカ」を訪れ、12月には教員組合と連帯してテントの前で開催された「マエスト・ロック・フェスティバル」に参加した。

・Luis Alberto Spinetta/Estrelicia MTV Unplugged 1997

リリース:1997年
CD

Durazno sangrando (1) Invisible/Durazno sangrando収録
La montaña (2)Pelusón of milk収録
Fuji (1)スタジオアルバム未収録
La miel en tu ventana (3)スタジオアルバム未収録
Tu nombre sobre mi nombre (1)スタジオアルバム未収録
Tú vendrás a juntar mis días (1)スタジオアルバム未収録
Laura va (4)Almendra収録
Jazmín (4)Spinetta y los Socios del Desierto収録
Correr frente a ti (1)Elija y gane収録(デジタル配信のみ)
La sed verdadera (5)Artaud収録
Barro tal vez (5)Kamikaze収録
Tía Amanda (1)スタジオアルバム未収録
Mi sueño de hoy (1)Spinetta y los Socios del Desierto収録
Yo quiero ver un tren (1)Mondo di cromo収録
Garopaba (6)スタジオアルバム未収録

Programa especial extendido de MTV
Durazno sangrando (1)Durazno sangrando収録
La montaña (2)Pelusón of milk収録
Cada luz (1)Pelusón of milk収録
Fuji (1)スタジオアルバム未収録
La miel en tu ventana (3)スタジオアルバム未収録
Correr frente a ti (1)Elija y gane収録
Tu nombre sobre mi nombre (1)スタジオアルバム未収録
Tu vendrás a juntar mis días (1)スタジオアルバム未収録
Laura va (4)Almendra収録
Jazmín (4)Spinetta y los Socios del Desierto収録
La sed verdadera (1)Artaud収録
Medley: Todas las hojas son del viento Artaud収録/ Plegaria para un niño dormidoAlmendra収録 / Barro tal vez Kamikaze収録(5)
Tía Amanda (1)スタジオアルバム未収録
Mi sueño de hoy (1)Spinetta y los Socios del Desierto収録
Yo quiero ver un tren (1)Mondo di cromo収録
Ludmila (1)Madre en años luz収録

(1)Spinetta y los Socios del Desierto,Mono Fontana y Nico Cota.
(2)Spinetta y los Socios del Desierto,Mono Fontana, Nico Cota y Daniel Rawsi.
(3)Spinetta,Rodolfo García.
(4)Spinetta,la Orquesta de Cuerdas de Miami dirigida por Carlos Franzetti.
(5)Spinetta solo, acompañado de su guitarra.
(6)Spinetta y los Socios del Desierto, Mono Fontana, Nico Cota y Eduardo "Dylan" Martí.

Daniel Wirtz: Batería.
Marcelo Torres: Bajo.
Luis Alberto Spinetta: Guitarra y voz.

Invitados
Juan Carlos "Mono" Fontana: Teclados y especies.
Nico Cota: Percusión.
Rodolfo García: Acordeón en "La miel en tu ventana".
Eduardo Martí: Guitarra en "Garopaba".
Daniel Rawsi: Compañía y percusión en "La montaña".
Orquesta de cuerdas de Miami: Cuerdas en "Laura va" y "Jazmín.
Carlos Franzetti: arreglo de cuerdas, dirección y piano en "Laura va" y "Jazmín".

80年代の南米シーンはSoda Stereoがアルゼンチンだけではなく南米各地でブレイクし始め、南米のロックシーンが国境の垣根を超えて広がり始めていた。1990年代に入るとグローバリゼーションの波に乗って、MTVはローカル戦略を打ち出し、ポルトガル語圏のブラジル版と、マイアミのスペイン語版の2つのラテン・アメリカ局を開局。93年末にラテンMTVが開局したことで南米のスペイン語圏で活動するミュージシャンの動向がテレビを通じて伝えられたことで、時差や距離が縮まっていった。それまではかろうじて紙媒体でしか触れられなかった多くのバンドやミュージシャンを、動く姿で捉えた事でより身近な存在へと変化していった。アメリカからは10年遅れを取っていたが、Soda Stereo、Los Fabulos Cadillacs、Café Tacvba、Caifanes、そしてスピネッタの息子のデュオIllya Kuryaki and the Valderramasなどの「ラテン・ロック」が爆発的に売れるきっかけとなっていた。スピネッタは70年代から反商業主義の姿勢を貫き、MTVに対し批判的なスタンスであったため、このラテン・アメリカ市場にうまく乗ることができなかったが、その原因について「主要レコード会社の決定があった」と説明している。

「"スピネッタは非常に素晴らしいが、彼の表現方法は非常にアルゼンチン的であり、非常に知的であり、メキシコの市場には合わない "などと、納得のいかない偏見があり、メジャーレーベルの国際的なプロデューサーたちは私の作品を紹介しました。あまりにも馬鹿げている...。」
ルイス・アルベルト・スピネッタ

アメリカ本国のMTVでは、1992年に放映されアルバムもリリースされたエリック・クラプトンの「アンプラグド〜アコースティック・クラプトン」が世界的にヒットした影響で、アンプラグドブームが席巻する。90年代のMTVのイメージを象徴づけたこの企画はニルヴァーナやニール・ヤング、ロッド・スチュアート、ポール・マッカートニーなどビッグネームが相次いで番組に登場したことで、一大ブームを巻き起こしていた(日本からはChage&Askaがアジア代表で放映されている)。そういった時代の中で、ラテンMTVでも1994年からアンプラグドの放送が始まっていた。MTVは1996年末にスピネッタへ出演依頼していたが、翌年の1997年10月にマイアミにあるMTVのスタジオでMTVアンプラグドの収録が行われる。
スピネッタは番組が持つ一時間の枠を超えて演奏したことで、通常の1時間枠と長尺版の二回に分けて放送された。番組で演奏された曲は、近年のヒットに頼らないセットリストになっており、アルメンドラ時代に作曲されながら未発表だった「La miel en tu ventana」などアルバム未収録の曲(計7曲)を多分に含んだライブとなった。かつてライブアルバム「Exactas」で試みた、過去の遺産をセットリストに加える事でロック・ナシオナルシーンのパイオニアとしての存在感を表現していた。それまでのアルバムに収録されなかった曲を多く取り上げることで、知られていない曲でも訴えかける信念を貫いた。結果的に過去の曲の再現としてのライブアルバムとは一線を画したアルバムとなった。それまでスピネッタが関わったライブアルバムの多くは、スタジオアルバム未収録の曲が少なからず含まれていたが、反商業主義的なセットリストは結果的に各ライブアルバムのセールスポイントになっているのは皮肉な部分であるが、それぞれが替えのきかないアルバムとして存在することとなった。
演奏はCD収録の14曲のうち、9曲はスピネッタ・イ・ロス・ソシオ・デル・デシエルトが演奏しており、9曲すべてにモノ・フォンタナがキーボード(ピアノとオルガン)で復帰し、ニコ・コタがパーカッションで参加している。他の5曲はスピネッタの弾き語りをメインに、カルロス・フランゼッティ指揮のマイアミ・ストリングス・オーケストラや、アコーディオンのロドルフォ・ガルシアが参加した。
アルメンドラからペスカード・ラビオーソ、インヴィシブレ、スピネッタ・ハーデ(アルバム未収録)までのバンドと80年代以降のソロからセレクトされた楽曲たちは、ブラッシュアップされていて既発のバージョンとは違った魅力がある。冒頭の「Durazno sangrando」を聴くだけで一目瞭然で、元々は朴訥としたワルツのフォークロックだったこの曲は、モノ・フォンタナのジャジーなピアノが加わり曲の深みが増している。「La montaña」は横ノリのグルーヴが際立つ演奏になっていて、ロス・ソシオが単純にストレートなロックを指標しているバンドではない事がよくわかる。スピネッタ作品では珍しくストリングスがフィーチャーされていて、「Laura va」と「Jazmín」はマイアミ・ストリングス・オーケストラによるストリングスが加わる事で、楽曲の全く違う魅力を引き出している。
このアルバムが特別な魅力に溢れているのは、過去曲のリアレンジやアコースティックな演奏ももちろん魅力の一つではあるのだが、アルバム未収録の未発表曲の素晴らしさという点がある。コダックという歌詞で作り始め同じフィルム会社の富士フィルムと富士山の名前を掛けたラブソングの「Fuji」、スタジオ録音されなかったのが不思議なくらい神がかった名曲「Tú vendrás a juntar mis días」など、聴いているときはライブ録音であることを忘れてしまうほどのマジックがある。アンプラグドやライブということを傍に追いやって、スピネッタ作品のアルバムとして楽しむべき一枚と言える。

タイトルのEstrelicia(ストレリチア)は南アフリカに生殖する花の名前で、アルバムジャケットとステージで着用していたシャツのオレンジの色に合わせて付けられている。

ジャケットデザインはソーダ・ステレオの「ダイナモ」や「スエニョ・ステレオ」を手がけていたアレハンドロ・ロスによるもので、火星人のような緑色のエイリアンに扮したスピネッタが中心に添えられている。

1997年11月7日、8日、14日、15日にブエノスアイレスのグラン・レックス劇場で4回のコンサートが行われた。第1部ではゲスト・ミュージシャンが参加しMTVアンプラグドの雰囲気で演奏されたが、第2部ではスピネッタ・イ・ロス・ソシオ・デル・デシエルト単独での演奏となり、エレクトリックなパワートリオのスタイルで演奏された。

・Spinetta y los Socios del Desierto/San Cristóforo 1998

リリース: 1998年
Estás acá (Wirtz, Torres, Spinetta) アルバム未収録
Piluso y Coquito (Spinetta) アルバム未収録
Como el viento voy a ver (Spinetta) Pescado 2収録
Me gusta ese tajo (Amaya, Frascino, Spinetta) Pescado 2収録
San Cristóforo (Torres, Spinetta) アルバム未収録
El rebaño del pastor (Spinetta) Spinetta y los Socios del Desierto収録
Bosnia (Spinetta) Spinetta y los Socios del Desierto収録
Ana no duerme (Spinetta) Almendra収録
Sucia estrella (Juanse) カバー
Rutas argentinas (Spinetta) AlmendraⅡ収録
Viento del lugar (Spinetta) アルバム未収録
Tu corazón por mí (Spinetta) アルバム未収録

Daniel Wirtz: Batería.
Marcelo Torres: Bajo.
Luis Alberto Spinetta: Guitarra y voz.

1998年は世界的な経済危機の真っ只中の年だった。1997年半ばには、タイで海外資本が引き上げたことにより通貨安に陥ったことや、韓国の経済破綻などのアジア通貨危機が発生し、グローバル化の結果、世界の他の地域にも波及することになった。1998年8月にはロシアの金融危機が発生し、12月にはブラジルの危機が始まった。アルゼンチンは、メネム大統領の時代に、新自由主義による経済開放と市場の規制緩和という急進的な政策をとることで、世界的な危機の影響を非常に受けやすい状態だった。先の4年間の不況が始まったのはこの1998年で、この不況は20世紀に達成されたアルゼンチンの社会的な進歩のほとんどを破壊し、2001年12月の通貨危機と共に経済破綻へとつながっていくことになる。

1998年8月6日からパセオ・ラ・プラザ・カルチャーコンプレックスのパブロ・ピカソ・ホールで13回のコンサートシリーズを開始し、1998年8月20日、21日、22日の3日間に行われたライブを収録したものとなり、ブルーノ・ムッソが監督を務め、CDとDVDが発売された。アルメンドラやペスカード・ラビオーソ時代の曲の再演と、ロス・ソシオのファーストアルバムからの曲、ロス・ラトーネス・パラノイコスの曲のカバー「Sucia estrella」、そして未発表の5曲で構成されている。ラ・プラザで演奏された「Las olas」はオミットされている。
このライブアルバムでは、前作のゲストを迎え芳醇な音楽性を発揮したMTVアンプラグドから一転、ラウドなロックバンドとして舵を切った。スピネッタのファズギターはジミ・ヘンドリックスを彷彿とさせるが、90年代当時のオルタナティブ・ロックのような荒々しさも感じられる。要所要所に現れるジャズの影響もスピネッタらしさがあるが、全体的にストレートな8ビートのロック色の色濃い曲で占められている。スピネッタのキャリアの中でも、全編で歪んだギターが活躍した一番ラウドな演奏が繰り広げられている。
スピネッタはディストーションを多用したギター・シンセサイザー・サウンドをベースにした新しいタイプのハード・ロックを切り開こうとしていたが、このライブではそのスタイルの完成までは至らなかった。

「シンセサイザーを使って歪んだ音を出してみると、それまで録音したことがないようなものが出てきました。私はまだその段階に入っていませんが、いつかはそうなるかもしれません。それはすべての倍音がディストーションにかき消されたような感じで、非常にモダンなハードロックを構築するための、非常に太い音を生み出します。私たちが聴いている昔のヘビーメタルとは違う、別のコンセプトのものだと思います。」
ルイス・アルベルト・スピネッタ

ここで語られるファズ・ギターとギター・シンセサイザーのサウンドは次作以降のスピネッタのアルバムの中で重要な構想となる。
タイトルとジャケットに写る「San Cristóforo(サン・クリストフォロ )」とは、イタリア語で「聖クリストファー(クリストフォロス)」を意味している。カトリック学校で教育を受けたスピネッタは、日頃からイタリアの文化を引き合いに出し、自分を「ギターを弾くタノ(napolitanoの省略形)」だと話していた。聖クリストファーの名前は「キリストを運ぶ者」を意味し、伝説では幼いキリストを肩車し危険な川を渡った巨人とされている。スピネッタにとって1990年代の象徴として選んだ「砂漠」の姿は、それを越えなければならない事実と喩えられた。映像監督のブルーノ・ムッソは、自分が思い描く聖人クリストファーは、「現実が通り過ぎていく中で、永遠に前進する聖人」であると説明している。
アルバムジャケットのアートワークは、Juan Pablo CambariereとHoracio Cófrecesによるもので、聖クリストファーの最も普及している聖人カードの色調をサイケデリックに変調したもの。聖人が棒にもたれて川を渡り、右肩にはイエスが乗っている姿が描かれている。

・Spinetta y los Socios del Desierto/Los ojos 1999

リリース:1999年
Ven vení
Ave seca
Donde no se lee
Extiéndete una vez más
No me alcanza
Ekathe I
Nombrala
Bahía final
Perdido en ti
Bagatelle
Ekathe II
La flor
Guiame
Vera

Luis Alberto Spinetta: VG 8, guitarras, voces y ruidos de medallita.
Daniel Wirzt: Batería y andamio de cuarzo.
Marcelo Torres: Bajo de 6 y bajo de 6 fretless.

Invitados
Carlos Villavicencio: Arreglos y dirección de orquesta.
Claudio Cardone: Teclados.
Didi Gutman: Teclados.
Graciela Cosceri: Coros.
Javier Malosetti: Solo de guitarra acústica en La flor.
Juan Carlos "Mono" Fontana: Teclados.
Nico Cota: Percusión.
Tweety González: Programación.

1999年は転換期の年だった。アルバム「Los ojos」がリリースされる2日前に10年以上続いたメネム政権からフェルナンド・デ・ラ・ルア大統領に交代した。フェルナンド・デ・ラ・ルアは、中道左派のフレパソの大統領候補を率いていたが、多数で勝利し、アルゼンチン社会に強い希望をもたらした。スピネッタは90年代のメネムの時代を「砂漠」と表現した。

ロス・ソシオとして最終作となったこのアルバムは"Para mi amor, Carolina" (愛しのカロリーナ・ペレリッティへ)と、ジャケットの点字にあるように目の見えない人々(あるいは見える人と見たくない人にも)に捧げられた。しかしカロリーナ・ペレリッティとの関係は、リリース時には終わっており、この出来事は彼に大きな苦痛を与えていた。
このアルバムはそれまでの主体だったトリオの範疇を超えて、MTVアンプラグドでも参加していたモノ・フォンタナやニコ・コタなどゲストメンバーも多く迎えられた。パワーロックトリオとしてのロス・ソシオは後退し、それまでのスピネッタのかつてのバンドの最終作と同様に彼のSSW的な側面が強く押し出されている。ロス・ソシオのファーストアルバムで試みたトリオアンサンブルで学んだ事や、MTVアンプラグドでのメロウな楽曲への開眼、「San Cristóforo」での歪んだギターサウンドがこのアルバムではないまぜになっており、内省的かつ静かな抑制の効いたダイナミクスを獲得している。2000年以降に開花するスピネッタのメロウで幽玄な世界の入り口として重要なアルバムとなっている。

・Luis Alberto Spinetta/Elija y Gane

リリース:1999年
Rezo por vos Privé収録
Ludmila Madre en años luz収録
Alma de diamante Alma de diamante収録
Correr frente a ti 未発表バージョン
Nunca me oiste en tiempo Los niños que escriben en el cielo収録
Resumen porteño Bajo Belgrano収録
Águila de trueno Kamikaze収録
Águila de trueno, parte II Kamikaze収録
Era de uranio Bajo Belgrano収録
No te alejes tanto de mí Mondo di cromo収録
Ella también Kamikaze収録
Muchacha Exactas収録
Una sola cosa Privé収録
Camafeo Madre en años luz収録
La aventura de la abeja reina Kamikaze収録
Será que la canción llegó hasta el sol Mondo di cromo収録
Quedándote o yéndote Kamikaze収録
No te busques ya en el umbral Los niños que escriben en el cielo収録

1990年代の締めくくりとしてべストアルバムがリリースされた。過去20年間の総括として、スピネッタ・ハーデ、ロス・ソシオの間にリリースされたソロアルバムから選曲されている。MTVアンプラグドで演奏された「Correr frente a ti」のスタジオバージョンがこのアルバムのみ収録されている。

https://kblovers.jp/gakki/386-roland-w-30-w-30sc/

https://www.rionegro.com.ar/30-anos-de-exactas-el-primer-vivo-de-spinetta-1481183/

https://www.infobae.com/cultura/2020/09/03/30-anos-de-exactas-la-historia-del-primer-disco-en-vivo-de-luis-alberto-spinetta/

https://www.elpais.com.uy/tvshow/musica/caras-cinco-canciones-conocer-fondo-obra-luis-alberto-spinetta.html?__cf_chl_jschl_tk__=pmd_FNfLbP1vvmUi97efi1vQMpixXV6VbsBOceGwrqc_S40-1633191394-0-gqNtZGzNAnujcnBszQb9

http://www.shmj.or.jp/museum2010/exhibi079.htm

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