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ルイス・アルベルト・スピネッタの軌跡⑪/キャリアのピークとなった最後の10年間

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・スピネッタ最後の10年間

90年代を振り返れば末娘ヴェラの誕生と共に家族と過ごした時間から始まり、そして妻との離婚の後、新たなバンドの結成と新たな恋人との蜜月を過ごし、レコード会社やメディアとの軋轢に苛まれた。そして90年代の幕はロス・ソシオの解散と恋人との破局で閉じられた。スピネッタは自宅兼スタジオで独りになった。
アルメンドラで商業的な成功した後の70年代から80年代までのスピネッタは、常に非商業主義の理念を掲げ、セールスの浮き沈みとは関係なく湧き出るアイデアを次々に形にしていった。しかし90年代に入ると音楽業界が肥大するにつれて、商業的な資本のウェイトが上がったレコード会社との関係は、活動の大きな足枷となった。90年代のスピネッタの活動の表面だけを追っていくと、それまでコンスタントにリリースしていたアルバムの数だけを見ればペースが落ちたように見えるが、実際は数多くのライブ活動や作曲活動など、それまでと変わらないペースで創作を進めていた。キャリアを通してみれば演奏面で脂の乗った一番パワフルな時期だったのにも関わらず、生きるレジェンドとしてのレッテルに振り回された事でアルバムリリースやメディアへの露出は限られた。そんな90年代という過酷な時代の最後の年にリリースされた「Los Ojos」は、次の10年の布石となるアルバムとなった。常に変化し新たなサウンドを求め、それまでの輝かしいキャリアや数々のヒット曲におもねらず、前進し続けるスピネッタの音楽的な最大のピークは00年代の10年間に集約されている。スタジオ作品では積み重ねたキャリアを単純に振り返ることなく、名盤を連発する驚異的な最後の10年こそがスピネッタの集大成であり、到達点であり唯一無二の存在として揺るぎないスタンスを築き上げた重要な時代だったと言える。Eternas(永遠)と名付けられた活動の終幕の手前まで辿っていく。

・Luis Alberto Spinetta/Silver Sorgo 2001

リリース:2001年
El enemigo
El mar es de llanto
Ni hables
Tonta luz
Adentro tuyo (Spinetta/Cota)
Llama y verás
Abrázame inocentemente
Esta es la sombra
Mundo disperso (Spinetta/Mouro)
Cine de atrás
La verdad de las grullas
Bahía final

Luis Alberto Spinetta: Guitarras (en todos los temas excepto en 4); voces; teclados en 4; coros en 9
Marcelo Torres: Bajo en 2, 5, 6, 10 y 12; bajo fretless de 6 cuerdas en 3
Javier Malosetti: Bajo en 1, 7, 9 y 11; pandeiro en 7.
Rafael Arcaute; Teclados en 7, 8, 9 y 10; piano backgound en 11.
Claudio Cardone: Teclados en 1, 3 y 5; arreglos en 5; efectos en 12.
Nicolas Cota: Percusión en 2.
Daniel Wirtz: Batería (en todos los temas excepto 4 y 8).
Graciela Cosceri: Coros en 3, 5, 7 y 9.
Daniel Mendoza by D.J. Martin: Mau en 8.
Silvia McCollins y Jack (Negro) by D.J. Jaure: Risitas en 9
Juan Carlos "Mono" Fontana: Teclados en 11.
Tweety Gonzalez: Programación en 12.
Guido Nisenson: Ingeniero de grabación.

1999年末、ロス・ソシオの解散から1年半あまりの間、スピネッタは表舞台から姿を消していた。「Silver Sorgo」の曲作りは「Los Ojos」発表前の1998年に作られた「Cine de atrás」からすでに始まっていた。この曲はロス・ソシオでも演奏されていたが、アルバム用にレコーディングされたものは抑制の効いた静かなアレンジに変化していた。「Ni hables」と「Adentro tuyo」の二曲も「Los Ojos」の選曲からは漏れた曲だった。

2001年6月、スピネッタは沈黙を破りハードロックカフェでプレス向けにニューアルバム「Silver Sorgo」を発表した。

「Silver Sorgoという名前には意味があります。あるいはないかもしれない。ユーロが登場したことで通貨の発行に失敗しました。(私にとっての)新通貨が「Silver Sorgo」です。アルゼンチンはソルガム(Sorgo,モロコシ)の生産量が多く、銀を意味するもの...川です。お金の流れの川...。 「Silver Sorgo」は非現実的な通貨です。歌は...価値があるかもしれない。子供の頃から『ソルガムきびは1キロ200ペソ』と耳にしていました。」
ルイス・アルベルト・スピネッタ

「銀のソルガム(Silver Sorgo)」と名付けられたタイトルと架空の紙幣をあしらったジャケットのこのアルバムがリリースされた2001年の年末は、デフォルトによる公的債務の一時支払停止によるアルゼンチン金融危機が巻き起こった年だった。アルバムリリース時にはアジアの通貨危機から連鎖した財政危機は南米にも波及し、アルゼンチンにも忍び寄るタイミングだったが顛末を予期するように、スピネッタがイメージしたソルガムの収穫機と思われるものが描かれた架空の紙幣がジャケット一面にあしらわれている。

「通貨が公正な交換のために信頼できるものであるとは証明されていませんが、それは悪い考えではありません。一方、歌は、真剣に必要とされるもののレベルに介入しないことで、唯物論や功利主義によって先送りされる楽園への言及となっています。」
ルイス・アルベルト・スピネッタ

アルバムを代表するナンバーとなった冒頭の「El Enemigo(敵)」では、人生観と政治や国、生活へのスタンスを表現している。

「この曲は、2000年にロサンゼルスに行って帰ってきたときに、新しいバーチャルギターシステム(※ギターシンセと思われる)を試しているときに書きました。
この歌詞で僕がやっていることは、どうすれば人に最高の可能性を投げかけられるかを考えることです。空を見て、電話をして、新しい日がどうやって生まれるかを見る......ある意味、守りたい、光を与えたい誰かに語りかけるようなコンセプトがいくつかあります。その存在は、一人ではなく全員です。だからこそ、人のことを考えていると言っても、「ちょっと聞いてみようかな......」という程度のものではないのです。
アルゼンチンの敵を支持するような行動をとるべきではない。"敵 "を発見するには、自分の心に手を当てればいい。"敵 "は軍人であろうと民間人であろうと、いつも同じなのだから。敵とは、人々のモラルを奪い、騙し、良い病院を提供せず、良い学校を提供しない者である。旗を振ることも問題ではなく、政治家やイデオロギーの真実ではなく、私たち一人一人の中から真実が生まれるべきだと信じています」
ルイス・アルベルト・スピネッタ

トリオ編成の縛りで演奏していたロス・ソシオが、多彩なミュージシャンを起用したMTVアンプラグドと「Los Ojos」でより自由なスタイルへ解放されたように、「Silver Sorgo」はそのスタイルをさらに先へ推し進めている。「Pelusón of milk」や「Fego Gris」の頃のようにミュージック・ワークステーションを再び導入し(本作ではコルグのトリニティ)、「Tonta Luz」のような曲が作られた。この曲では「Los Ojos」の曲がサンプリングされ(スピネッタにより曲名は伏せられている)、エレクトロニカを彷彿とさせるCDの音飛びのようなギミックが施されている。

「絶望の中の歓喜です。トリニティのシーケンサーで書いたもので、アンダンテの形式をベースに、コードを変えて、同じリズムの上で演奏しています。チェロとビオラの音色を最初に弾いてから、ベースを加えて変化をつけていきました。ストリングスが入った後は、メロディーが勝手に作られていくような感じで、自分でもわかるような歌詞がついていました。とても有能なマキシ・ミグリンに電話して、彼が録音してくれました。私がこの曲を完成させ、それを歌い、その意図的な怪しさを受け入れたとき、もう一人の偉大な技術者であり友人でもあるラムテス・ゴンサレスが『Los Ojos』の制作中に録音した断片を加えることを思いついたのです。興味本位でパソコンのコマンドを押すと、曲の全体像が再生され、曲の最初に巻き戻る小さなセグメントが左右対称に切り刻まれていく。この曲はLos Ojosの曲ですが、タイトルは言いたくありません。とにかく、耳のいい人、想像力のある人なら、何かわかるかもしれない。この言語的な彗星の尾と「Tonta luz」の歌詞の組み合わせは、私を幸せにしてくれます。それが全てを物語っている。」
ルイス・アルベルト・スピネッタ

バックのメンバーはロス・ソシオのダニエル・ウィルツ(ドラム)が大半の楽曲を担当し、マルセロ・トレス(ベース)がアルバムの半分を担当している。ベースはもう半分をハビエル・マロセッティが担当し、キーボードは90年代から参加していたクラウディオ・カルドーネと、本作から参加したラファエル・アルカウテモノフォンタナが一曲のみ参加。スピネッタのボーカルトレーナーであり「Los Ojos」以降のアルバムでバックボーカルを担当したグラシエラ・コスセリは晩年のスピネッタ作品には欠かせない存在となっている。

「Silver Sorgoではマルセロがベースを弾いている曲が6曲あり、アルバムのベースは彼と一緒に作っているので、一番距離の近いミュージシャンでした。一方で、ハビエルが来てくれたのはラッキーでしたが、ハビエルも多くを担当していたので、ミュージシャンは固定されたラインナップではありませんでした。ロス・ソシオは「Los ojos」まではそのような編成でした。しかしそれだけです。今ではトリオ編成に縛られることなく、別の方法で...仕事をすることができ、少し自由になったと感じています。ハビエルは私に何か別のものを要求し、それは挑戦でもあります。
マルセロは全く違う音楽的な目線を持っています。マルセロは6弦ベースを、ハビエルは5弦ベースを弾いています。二人の素晴らしいベースプレイヤーです。ハビエルは、多くのギターも演奏しています...。例えば私がキーボードで作曲した「Ven vení」(『Los ojos』収録)では、それぞれナチュラルな和音のほかに4和音、5和音などがありました。そこにハビエルがやってきてそれを受け継ぎました。それ自体がもうひとつの音楽的コミュニケーションなのです。それは、彼が私に求めていることであり、私が彼から学ぶことを求めているのです。(アルバムで表現できた事は)技術的には40%。ある場所にあるテクスチャーが重要で、私はこのテクスチャーがある種の感覚を与え、歌詞から出てくるある概念を際立たせると考えています。優先すべきは(テクニックではなく)常に心のあり方であり、自分が正しい道を歩んでいることを知ることです。技術的な疑問は、つまり有名な「どこまで演奏している?」という疑問は、DJや演奏の仕組みがよくわからない人の頭の中に現れる疑問のひとつだと思います。もし彼らが私の作曲方法を見れば、私が常に完全にアコースティックなスタイルから始めることに近いことに気づくでしょう。声とアコースティックギターを使って、家でそうやって作曲しています。
私のコンピュータはMIDIにアクセスできないし、最後に扱おうとしたのは、それほど新しいものではありませんが、コルグのキーボード”トリニティ”のシーケンサーでした。最新のトレンドについていけない。新しいものだからといって良いものだと思ってはいけませんが、最終的には自分が直感的に知っている音楽の作り方に関わりたいと思っている皆さんが好きです。そして天才は必ず現れるはずです。」
ルイス・アルベルト・スピネッタ

「Silver Sorgo」はインヴィシブレから連綿と続くジャジーなコード感覚を駆使しながら、MTVアンプラグドで開花した苦悩とメロウな作曲の獲得(当時の恋人の存在は新たな息吹を吹き込んでいた)と、「Los Ojos」での演奏スタイルが結実したスピネッタの最高傑作として多くのファンを作った。日本のスピネッタファンの中でも一番愛されている一枚というのも納得できる名盤となった。

「Tonta Luz」はアルバムとは別のバージョンのリミックスが作られている(収録は次作のライブのボーナストラック)。インダストリアルなタンゴロックに仕上がっていてヴィデオクリップはクエイ兄弟の作品のようなゴシックなアニメーションのPVに仕上がっている。

・Luis Alberto Spinetta/Argentina Sorgo Films presenta 2002

リリース:2002年
No te busques ya en el umbral Los niños que escriben en el cielo収録
Ekathe 1 Los Ojos収録
Don’t bother me(George Harrison)カバー曲
El mar es de llanto Silver Sorgo収録
Mi sueño de hoy Spinetta y los Socios del Desierto収録
¿No ves que ya no somos chiquitos? Madre en años luz収録
Al ver, verás Téster de violencia収録
Sagrado tesoro アルバム未収録
Perdido en ti Los Ojos収録
La verdad de las grullas Silver Sorgo収録
Ana no duerme Almendra収録
Bonus:
Tonta luz (remix)

Daniel Wirzt: Batería
Javier Malosetti: Bajo
Martín García Reinoso: Guitarra
Claudio Cardone: Piano y teclados
Mono Fontana: Teclados en 6 y 7
Rafael Arcaute: Teclados
Graciela Cósceri: Coros
Pricky Pricolo: Percusión
Dante Spinetta: Guitarra en 11
Spinetta: Guitarra y voz
Grupo Invitado: Geo Ramma

アルゼンチンは90年代後半に最高益の黒字収支を迎えたが、自由経済による外貨資本の流れは99年を境に証券投資収支が赤字に転じたことで、アルゼンチンへの不安が投資家側に強まったことが、資本移動の流れを変えたことで冷え込んでいった。2001年12月に外貨不足に陥ったことでデフォルトが起こり、アルゼンチン金融危機が発生した。その結果、国内は混乱し暴動が起こり、大統領はヘリで逃亡した。スピネッタは当初12月21日にオブラスでのライブを計画していたが、騒動の影響でスケジュールを12月29日に変更した。

カナルAの放送はアルバム未収録の「Good Night(ビートルズのカバー)」と「Silver Sorgo」のプロモーションとして「El enemigo」が含まれている。ライブは3時間余りの長尺だったが、ライブアルバムも放送も抜粋版となった。
もう一曲ビートルズのカバーが収録されているが、直前の11月29日に亡くなったジョージ・ハリスンへのトリビュートとして取り上げられた。それ以前にもディミニッシュコードを使用した「La Montana」など、90年代のスピネッタ作品の幾つかは明らかにジョージ・ハリスンからの影響が伺える。ジョン・レノンの「Imagine」「Oh my love」のカバーと、「Only love can sustain」以外英詞で歌う事のなかったスピネッタのアティチュードを考えると、彼にとってビートルズがいかに大きな存在だったのかがよくわかる。

収録曲はアルメンドラの一曲を除いて、大半が80年代のスピネッタ・ハーデ以降のものに絞られており、単なる「Silver Sorgo」のプロモーションライブ・アルバムに留めない選曲がスピネッタらしい。

・Luis Alberto Spinetta/Para los árboles 2003

リリース:2003年7月23日
Sin abandono
Cisne 
Halo lunar
Yo miro tu amor
A su amor, allí 
Agua de la miseria
Dos murciélagos 
Vidamí 
Ciénaga dorada
Néctar
El lenguaje del cielo
Tu cuerpo mediodía

Luis Alberto Spinetta: Guitarra, programación y voz.
Claudio Cardone: Teclados.
Daniel Wirtz: Batería.
Graciela Cosceri: Coros.
Javier Malosetti: Bajo.
Nico Cota: Percusión.
Rafael Arcaute: Teclados.
Baltasar Comotto: Guitarra
Mono Fontana:Teclados,Electric Piano,Piano, Effects [Ambients Of The World](Cisne) 
Valentino Spinetta :Keyboards, Talkbox

「飽きるというよりも、別の楽しみがなくなってしまうのですが、だからといって飽きたわけではありません。やりたいことはたくさんあるんだけど......今はちょっとした袋小路のような状態で、Silver Sorgoの後はレコーディングもミキシングも何もしていないんです。でも、次のアルバムのための新曲は他にもあります。1曲だけキラーソングもあります。「何も言うことはない、白鳥(Cisne)を映す、羽に水をつける」というようにとてもいい感じになりそうなものが。」
ルイス・アルベルト・スピネッタ

2000年2月から製作が始まりレコーディングは自宅スタジオ「La Diosa Salvaje」で2002年8月にレコーディングを開始したが、ショーやイベントのために途中で中断。度重なるレコーディングの末に2003年2月20日に完成。メンバーはスピネッタ、クラウディオ・カルドーネ(キーボード)、ハビエル・マロセッティ(ベース)、モノ・フォンタナ(キーボード)、ラファ・アルカウテ(キーボード)、ニコ・コタ(パーカッション)、ダニエル・ヴィルツ(ドラム)、グラシエラ・コスセリといった前作に参加したミュージシャンを再び招集し行われた。
本作は「Silver Sorgo」のメロウなサウンドの路線を踏襲しつつ、80年代から90年代に試みたドラムマシンやギターシンセ、サンプラーを使用した試行錯誤の集大成となった。バンドサウンドとエレクトロニクスのブレンドは、このアルバムの大きな特徴となっている。
遡ればスピネッタの電子楽器のプログラミングの使用の始まりは「Mondo di cromo」のデモ制作時にチャーリー・ガルシアとペドロ・アスナールから借り受けたTR-808の導入や、チャーリー・ガルシアのアルバムでギターシンセの導入からだった。スピネッタ・ハーデの「Madre en años luz」やソロ「Prive」ではリズムマシーンが多用され、「Pelusón of milk 」と「Fuego gris」ではキーボードのサンプリングが使われた。「San Cristóforo」で歪んだギターサウンドとギターシンセの融合の試み(この時点では実現しなかった)、ロス・ソシオの「Los Ojos」で再びギターシンセとキーボードのサンプリングが復活した。
本作ではそれらの技術が総動員され、冒頭の「Sin abandono」でTR-808ようなドラムマシンのサウンドが使われていたり、「A su amor, allí」では「Pelusón of milk 」で使用されていたサンプリングによるリズムパターンが組まれている。アコースティック・ギターや通常のエレクトリック・ギターの使用を除いて、録音されたギターはすべてGK-2A(ギターシンセを使うためのピックアップ)を経由して、VG-8、V-G88、GR 09といったギターシンセサイザーが使われた。

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「San Cristóforo」で試みようとしていたノイジーなギターシンセサウンドはブルージーな「Yo miro tu amor」に結実したが、ロックなノリで突き進むロス・ソシオとは異なり、ラウドでありながらも全体的に冷ややかなサウンドがこの頃のスピネッタらしい曲になっている。アーバンブルースなAORの「Halo lunar」では、息子のヴァレンチノ・スピネッタによるトーキングモジュレーターを使ったキーボードとスピネッタのギターシンセの掛け合いも行われている。
スピネッタの全キャリアの中でも屈指の名曲となった「Cisne(白鳥)」では、MTVアンプラグドで垣間見せたアコースティックサウンドのその先の世界観に到達している。モノ・フォンタナによる水の音や雷など現実音のサンプリングと(フォンタナのソロアルバム「Cribas」に通じる世界観を感じさせる)、ラファ・アルカウテによるアンティシペーション(小節をまたいでシンコペーションすること)で食い気味に入るミツバチの羽音のようなノイジーなキーボードのサウンドは、メロウなスピネッタの楽曲に幽玄な雰囲気を加味し、グラシエラ・コスセリによる正確なピッチの歌声で、スピネッタと入れ替わるように彼の声を模したようなコーラスが加わることで、曲の美しさを更なる高みへと誘っている。2000年代以降のスピネッタは抑制の美学が中心となっているが、この曲はその表現の骨頂となった。

「音楽的、技術的な制作においては、ラファ・アルカウテの参加が重要であり、彼がキーボード、録音、デジタル編集の両方からアイデアを提供し、それに命を吹き込み、革新的なアレンジを生み出しています。彼の貢献により、作品のほぼ半分の共同プロデューサーとして関わり、彼がこのプロジェクトに注いだ信頼と愛に、私は永遠に感謝しています。」
ルイス・アルベルト・スピネッタ

「私が初めてプロとして仕事をしたのは、スピネッタでした。そして彼は、私がどこから来たのかについては何も言及しなかった。23歳の時です。彼のスタジオには1週間滞在しましたが、私は別のものを録音しに行った時でした。毎日のように会って、自分の音楽を見せていました。彼にはそれで十分だった。スピネッタが白紙委任状にサインしてくれた。彼との仕事は永遠の保証です。少なくとも、私は長年にわたってそう感じていました。だからこそ、一緒に仕事をしようという人が現れたときには、たくさんの企画を持って臨むことができるのですが、どのプロジェクトも本当にゼロから始まるのは、関わった人たちの関係性があってこそ。私はいつも再出発のつもりでいます。
ルイスは、私がこれまでに出会った中で最も寛大な人の一人です。彼は模範であり、永久に刺激を与え続ける存在です。自由、励まし、手本、寛大さから生まれる空間は、彼を取り巻く仕事のダイナミクスを表現するのに十分だと思います。音楽は、より強力な人間の経験が起こっている間に起こるものです。そのようなルイスの恒常的な意識が、彼の音楽を作っているのだと思います。彼の音楽は、彼自身である。彼と話をしていると、一見すると純粋に詩的な内容のフレーズで何かを語り始めるかもしれません。彼が自分の言ったことを分解して説明し始めると、最初に言ったフレーズが自分の言いたいことを完璧にまとめたものになるのです。それも彼の行動力のひとつです。彼は常に進化している人です。そこにあるのは、学習する側だけです。」
ラファ・アルカウテ

「El lenguaje del cielo」では「Silver Sorgo」でも行われたCDの音飛びを模したサンプリングが登場し、一筋縄ではいかないスピネッタのいたずら心が表現されている。

ジャケットはタイトルの「Para los árboles(木のために)」という名前から、木の形を真似た両手が写されている。

「「Para los árboles」というのは、私たちの存在の木の構造のようなものに対する比喩です。木に捧げるのも悪くないですし、比喩的でもあります。これは内なる火、Castanedean(作家のカルロス・カスタネダにちなむ)に捧げられたものですが、彼が内なる火を常に根茎のような木の形で要求していたからです。体の循環機能を考えると、それは木のようなものでもあります。
「Para los árboles」には木を取り巻くものという意味もあり、それは私たちであり、鳥であり、犬の小便でもあります(笑)。それぞれが色々な形で木に貢献している。木には恋人たちのマークもあります。そのすべてが放置されています。木の周りにあるもの、例えば白鳥は木に止まらず水の中にいる。また、高く伸びた木の枝は、風に揺られて時に空を目指す翼のようにも見えます。樹木が翼を持つためには欠かせない条件です。木の条件は常に鳥がいること。」
ルイス・アルベルト・スピネッタ

このアルバムは2003年6月30日に亡くなったマリア・ガブリエラ・エプメルに捧げられている。彼女はスピネッタ・ハーデのメンバーだったリト・エプメルの妹で、チャーリー・ガルシアのバンドのギタリストでもあった。

2003年9月19日にグランレックスにて、アルバムのライブが行われた。

「永遠の名曲を入れなくても十分に楽しめるショーをまとめました。そのようにしているのは、一般的に批評家はあなたがレパートリーに加えている新しい作品の量に気づかないからです。新しいアルバムを2枚続けて演奏しても、彼らは気づかず、いつもやっていることだと思っています。"Ana no duerme "の新バージョンにしか気づかないし、クラシックに頼ることが多いと、私のスタイルではないので、賞味期限に甘んじていると言われます。記者の言うことを解明するためにもやっています、本当ですよ。だから、自分のキャリア全体の作品集を作ろうと思い立っても、クラシックは一切やらない(笑)。」
ルイス・アルベルト・スピネッタ

当時18歳でジャーナリズムを学ぶ学生だったジュリエッタ・アイオータティが行ったインタビューによると「彼は「Para los árboles」のレコーディングを終えたところで、その日の朝はジョニ・ミッチェルやディアンジェロ(※註:おそらくVoodoo)を聴いていたと話してくれました。」とあり、R&B色が少なからず含まれるこのアルバムを作る上で彼が意識した時代性が見えてくる。

・Luis Alberto Spinetta/Camalotus 2004

リリース:2004年10月
Buenos Aires, alma de piedra
Crisantemo
Nelly, no me mientas
Aquas (Agua de la miseria remix)

Claudio Cardone: Teclados.
Daniel Wirzt: Batería.
Javier Malosetti: Bajo.
Luis Alberto Spinetta: Guitarra y voz.
Rafael Arcaute: Teclados.

「Para los árboles」のアウトテイクを集めたEPで、「Crisantemo」はドキュメンタリー「Flores de septiembre」(独裁政権下の1976年から1983年の間に、カルロス・ペレグリーニ学校で逮捕され、行方不明になった若者たちを描いた作品で公開は2010年)。

「Nelly, no me mientas」はディアンジェロを聴いていたというのも納得なR&Bナンバー。EPという形で曲数も少ないことから、あまり注目されることがないが、「Pan」への移行時期にあたる一枚となっている。

・Luis Alberto Spinetta/PAN 2006

リリース:2006年3月
Sinfín
Bolsodios
Canción de noche
Proserpina
No habrá un destino incierto
Cabecita calesita 
Dale luz al instante
La flor de Santo Tomé
Atado a tu frontera
Preconición
¡Qué hermosa estás!
Espuma mística

Luis Alberto Spinetta: Guitarras y voz.
Claudio Cardone: Teclados.
Nerina Nicotra: Bajo.
Sergio Verdinelli: Batería.
Graciela Cosceri: Coros.
Guillermo Vadalá: Guitarra Acústica en Sinfín.

メロウでダークなサイケデリアな世界観が特徴的だった「Silver Sorgo」と「Para los árboles」から一転、「Pan」は冒頭の「Sifin」から温かな雰囲気で始まる。メンバーはクラウディオ・カルドーネ(キーボード)とグラシエラ・コステリ(バックボーカル)はそのままに、ドラムは前作まで参加していたダニエル・ウィルツが脳腫瘍の診断を受けたため(2008年2月1日に脳腫瘍で亡くなる)セルジオ・ヴェルディネリに交代し、ベースはネリーナ・ニコトラに変更となった。

「女性(ネリーナ・ニコトラ)がベースを担当することはとても特別なことです。彼女の中の女性的な部分が全面的に出ていて、バランスをとる傾向にあります。彼女以外はバンドはとてもマッチョです。ネリナの存在は私たちに反省を促し、あらゆる面で自分自身を大切にするようにさせてくれます。それは、女性がいるということであり、私たちは彼女を大切に扱わなければならないからです。クラウディオ・カルドネは、セルジオ・ベルディネリと同じように、あらゆる面で私をサポートしてくれる音楽的な兄弟です。これは、シンプルなバンドですが、同時に豊かなものでもあります。鳴らし始めてすぐに、ちょっとした暖かさを生み出します。とても良いですね・・・。」
ルイス・アルベルト・スピネッタ

2005年にこの布陣でライブが行われ、8月から10月にかけて自宅スタジオ「La Diosa Salvaje」でレコーディングが行われた。
それまでのメロウで幽玄な世界観から、本作ではタイトなファンクネスと陽の光を感じさせる暖かい雰囲気の曲調にシフトしている。スピネッタ・ハーデを彷彿とさせるAOR/ジャズロックのスタイルが復活しているが、ただなぞる事はせずに00年代以降の完成されたスピネッタの表現と融合している。

「(今聴いているもの)Catupecuの「A veces vuelvo」がとても好きです。クリエイティブなものはすべてキャッチできます。才能のある人たちがたくさんいるので、謙虚な気持ちでやるようにしています。今、私が聴いているのは、ガールフレンドがよくかけているビヨンセです。ウーゴ・ファトルーソもよく聴きます。素敵なものがたくさんある...フォークの天才、フアン・キンテーロ(アカ・セカ・トリオ)。また坂本龍一のコンピレーションDVDをよく見ています。そして、ビートルズ、プリンス、ジョニ・ミッチェル、ハービー・ハンコックなど、クラシックなものも。Divididosなどのバンドも聴いています。」
ルイス・アルベルト・スピネッタ

ギンガムチェックのテーブルクロスのようなジャケットのデザインはアレハンドロ・ロスによるもので、MTVアンプラグドや「Para los Arbolas」も手がけている(ロスの作品で恐らく一番知られているのはファナ・モリーナの「Segundo」の印象的な写真)。タイトルのPANについては以下のように語っている。

「私のパンです。曲や歌詞、欲しいものを見るのが私のやり方です。アルバムは常に、多かれ少なかれ絶対的にシンプルな美的アイデアにコミットしています。それは私の精神的なパンです。非常にシンプルな曲と、私のペンから出てきたとは思えないような非常にシンプルな歌詞......パンとはそういうものであり、必然性のあるものでもあります。また、パンはパンゲア(三畳紀にかけて存在していた超大陸)すべてを表しています。当初アルバム名は "Espuma mística"(神秘的な泡)にしようとしていましたが、シンプルな見た目ですべてを包含するようなタイトルを探しました。今回、私は愛についてとてもシンプルに語っていますが、それは私がそう感じているからです。これは私の暖かいパンであり、私の即席の創作物です。」
ルイス・アルベルト・スピネッタ

10月19日、スピネッタはコロン劇場の大ホールを埋め尽くした若い観客の前で、カルロス・カジェハが指揮するオルケスタ・アカデミーの伴奏で、それまでとは異なるコンサートを行った。キャリアを通じて作曲した過去の曲のいくつかをオーケストラをバックに歌うという、オーケストラを起用する事の少なかった彼の経歴から考えれば奇抜なライブを「オープンリハーサル」として敢行する。50人以上のミュージシャンがステージ上にいる中、ルイス・アルベルトは1時間のコンサートで13曲を歌い上げた。アイデアは自分で考えたものではなく、オルケスタ・アカデミーのディレクターからもらったものであることを明らかにし、コンサートの別の部分では、「私たちがいつも歌ってきた曲を、この素晴らしい才能を持った人たちと一緒に歌う」という大きな挑戦について語っている。ロックナシオナルとは別の、シャンソン歌手のような情念と分厚いオーケストラで奏でられるスピネッタの曲は、バンドの演奏とは違い曲そのものが持つエッセンスを引き出している。

2006年から2007年にかけて、精力的にライブは行われていた。

Luis Alberto Spinetta/Un Mañana 2008

リリース:2008年6月26日
La mendiga
Vacío sideral
No quiere decir
Tu vuelo al fin
Hiedra al sol
Canción de amor para Olga (introducción e interludios 1 y 2 de Claudio Cardone)
Un mañana
Mi elemento
Hombre de luz (letra de Luis Santiago Spinetta)
Preso ventanilla
Despierta en la brisa
Para soñar

Luis Alberto Spinetta : guitarras y voz
Claudio Cardone : teclados
Nerina Nicotra : bajo
Sergio Verdinelli : batería
Invitados[editar]
Baltasar Comotto: solos de guitarra en "Vacío sideral" y "Despierta en la brisa".
Nicolás Ibarburu: guitarras en "Canción de amor para Olga", "Tu vuelo al fin" y "Para soñar".
Sartén Asaresi: solo de guitarra final en "Mi elemento".
Valentino Spinetta: teclados en "No quiere decir".

生前最後のアルバムとなったこのアルバムは、2006年に起きた娘の同級生数人の命を奪った悲劇的なスクールバス事故をテーマにしている。

2006年10月、チャコでの連帯活動を終えたエコス学園の生徒を乗せたバスが、トラックと正面衝突した。子どもたちを乗せたバスに衝突したトラックの運転手は、酒に酔っていました。児童9名、教師1名、ローリー車の乗員2名が亡くなり、39人が負傷しました。

「この作品には、痛みと希望が込められています。希望を持つことは限りなく重要で、多くの力を必要とします。その中には、もうここにはいない人もいます。バイオリニスト、ドラマー、流れ者、あるいは未来のエンジニアなど...。命を尊重することを経験したことはありませんでしたし、その尊重すべき重要性をほんの少しだけ垣間見ただけで、今日ほど音楽や歌詞に気を配ることはありませんでした。私たちは宇宙の前では壊れやすい存在です。突然取り返しのつかない事実を目の前にするまで、自分の中で何も動かせないのではないか?私たちの社会では、私たち一人一人が、首に縄がかかっていても、すべての人の命を尊重するために、そのような初歩的な疑問を受け入れる可能性に気づいていません。」
ルイス・アルベルト・スピネッタ

前作「Pan」と同様にスピネッタ・ハーデに近いジャズロックと、「Silver Sorgo」以降のスピネッタのスタイルが程よく混ざった作品となった。メンバーは前作と同じくクラウディオ・カルドーネ(キーボード)、セルジオ・ヴェルディネリ(ドラム)、ネリーナ・ニコトラ(ベース)の四人で2007年から2008年にかけて自宅スタジオで行われた。

「カルドーネこそが注目されるべき存在です。このアルバムのオーケストレーションを担当した彼は、「Canción de amor para Olga」の前奏曲の作曲者でもある。彼はこの作品の魂です。彼はすべてを書きました。彼は再びその才能を発揮し、異なるモチーフへの瞬間的な移動を非常に柔軟に行い、"Vuelo al fin "や "La mendiga "のようにバンドを浮遊させることができた。」
ルイス・アルベルト・スピネッタ

「リハーサルではスピネッタに頼まれたことや、私たちが提案して彼が気に入ったことをもとに、みんなでアレンジを考えていました。「Para soñar 」のコーダのように、音を重ねてコラージュしたものもあります。私がスピネッタに見せたアレンジはすべて気に入ってもらえたので、それがアルバムに反映されました。(「Canción de amor para Olga 」では)ルイスが組曲の最初の2曲を作曲した後、私にインストゥルメンタルの曲を作曲してそれらをつなぎ合わせ、同時にすべてをオーケストラでアレンジしてほしいと依頼してきたのです。しかしその後、彼はオルガに捧げる3曲目を作曲し、その2曲目と3曲目をつなぐための別の楽器の断片と、組曲の序奏とコーダを依頼してきたのです」
クラウディオ・カルドーネ

アルバムにはさらにダンテとヴァレンティノの息子二人もアルバムに参加している。

「私の大好きな天才、ダンテとヴァレンティノも参加しています。ダンテはデジタルミックスのための重要なプラグイン(PC上で使うソフトウェア)のインストールを担当し、ヴァレンティノは「No quiere decir」の美しいキーボードアレンジに協力してくれました。音楽制作という点では、こんなに近いところでやったことはありません。3人で何か大きなことをやろうと思ったら、こんなこともできるんだなということを予感させてくれます。」
ルイス・アルベルト・スピネッタ

ゲストミュージシャンとしてインディオ・ソラーリのギタリストであるバルタサール・コモット(「Vacío sideral」「Despierta en la brisa」)、セッションギタリストでソロではスピネッタ・ハーデに近いジャズロック/フュージョンのスタイルで活動していたジョセ・ルイス”サルタン”アサレシ(「Mi elemento」本作が生前最後のレコーディング)、今年話題になったナイール・ミラブラットでも演奏していたウルグアイのニコラス・イバルブル(「Canción de amor para Olga」「Tu vuelo al fin」「Para soñar」)の三人が参加している。

「彼らは他のサウンドやコンセプトを持つバンドを交互に登場させ、同時に基本的なギターから逸脱しないようにしています。手袋と手のような関係でした。シンフォニックなサルタン、情感のイバーブル、神秘的なコモット。」
ルイス・アルベルト・スピネッタ

「これらの曲は、ルイスが演奏中に私を導いてくれて、彼は思いついたアイデアを提案し、私はそれを可能な限り最善の方法で解釈しようとしました。マリアーノ・ロペスがアルバムのミキシングとレコーディングをしていて、ほとんど完成していたんだけど、僕の記憶が正しければこの2曲が抜けていました。「Despierta en la brisa 」ではスライドギターを弾いていましたが、とてもうまくいきました。また、スピネッタとマリアーノによる素晴らしいギター演奏もありました。忘れられない瞬間であり、ルイスからこの世界への贈り物でした」
バルタサール・コモット

インヴィシブレ時代に「Encadenado Al Ánima」で歌詞に取り上げた父ルイス・サンティアゴの言葉を「Hombre de luz」で再び取り上げている。

「「Encadenado Al Ánima(魂の鎖)」での彼の言葉は、「夜が来て、おそらく明日は影のある時間はないだろう......欲がその羽を揺らし、没になった草をはねのける」という素晴らしいものでした。彼は詩人でもある。「Hombre de luz」では、鍵盤楽器の演奏が空間を作り出すかのように物事を持ち上げます。そのようなギターのメトロノームが消えたとき、彼はすでに上昇していて、私たちの論理や尺度から離れ、自分自身を遠くに置こうとしているということです...。」
ルイス・アルベルト・スピネッタ

「Mi elemento」はアルバムの代表的なナンバーでビデオクリップも制作され、ソロ時代のジョージ・ハリスンを彷彿とさせる曲調となっている。

「何かを成し遂げた場所には、簡単に落ち行ってしまうものです。反復のオイディプス(宿命により、知らずして父王を殺し、生母を妻としたが、事の真相を知って自ら両目をえぐり取り、諸国を放浪して死んだギリシャ神話の人物)を作らなければならなくなる。自分のレパートリーの中で歴史化することはしたくないので、流れ過ぎていく方がいいのです。歌は何を繰り返してもそうでなければならない。ハリソンが言ったように「Only a northern song」です(「Northern song」はレノン・マッカートニーの版権を扱う会社の名前で、そこに属さないハリスンが「自分とは関係ないものさ」という意味を含ませて皮肉を込めた隠れた名曲)。」
ルイス・アルベルト・スピネッタ

ペスカード・ラビオーソの「Artaud」を彷彿とさせる変形型のジャケットに描かれている絵について、「状況に悩まされている男...((疑問に思って上を向いている人)」と説明している。

「私の好きなジャケット、「Artaud」にオマージュを捧げたかった」
アレハンドロ・ロス

「もしかしたら彼は、犬の頭のような手で、目で見て道をたどるようにして、底知れぬものと向き合う、ただのドラマチックな男なのかもしれない。彼は一種の「困った存在」と言えるかもしれません。カルロス・カスタネダの『ドン・ファンの教え』に出てくるキャラクター、メスカリートに似ていると言われました。しかし、実際のところ、彼は私たち一人一人に似ています。特に、髪の毛が乱れた状態で起きたときなどは。デザインはアレハンドロ・ロスによるもので、これも彼だけが生み出した素晴らしいアイデアです。ロスからアイデアを提示されたとき、私は躊躇して反応しました。「Artaud」のデザインで起きたように、またしてもパッケージやトレイへの収まり、手作業での組み立てが損なわれるのではないかと思ったのですが、そうではありませんでした。ロスはすべてを考えてくれました。」
ルイス・アルベルト・スピネッタ

「アルバム『Un mañana』は、素晴らしい集大成の一枚です」
ヴァレンティノ・スピネッタ

https://issuu.com/spinettabootleg/docs/2001-spinetta_cuenta_silver_sorgo-d_92be8e2c72412f

https://artesunivalle.wordpress.com/2013/01/17/entrevista-inedita-spinetta-ese-fuego-que-yo-quiero-en-mi-musica-generalmente-me-rompe-el-alma/

https://www.lanacion.com.ar/espectaculos/luis-alberto-spinetta-nid583433/

https://www.pagina12.com.ar/53308-redescubrir-al-flaco-con-el-eterno-rito-de-los-vinilos

https://www.pagina12.com.ar/2001/01-05/01-05-30/pag29.htm

https://www.lanacion.com.ar/espectaculos/musica/musica-mas-alla-del-desierto-nid314822/

https://issuu.com/spinettabootleg/docs/2003-en_la_argentina_nos_comemos_el

https://redaccion351.com/para-agendar/album-en-vivo-para-los-arboles-el-vecindario-spinetta/

https://archivo.lacapital.com.ar/2003/09/28/escenario/noticia_39598.shtml

https://www.lanacion.com.ar/espectaculos/musica/rafa-arcaute-productor-musical-del-momento-spinetta-nid2505607/

http://recorplay.com/rafa-arcaute-creo-en-la-idea-y-su-concepto-por-sobre-la-tecnica

https://web.archive.org/web/20170401232524/http://www.losandes.com.ar/noticia/estilo-203946

https://www.allmusic.com/album/un-mañana-mw0001339234

https://www.pagina12.com.ar/diario/suplementos/espectaculos/3-10486-2008-06-29.html

https://billboard.com.ar/10-anos-de-un-manana-nunca-me-oiste-en-tiempo/

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