ダイアモンド・ドッグスからベルリン三部作までボウイの裏テーマであったノイ!やカンなどドイツのクラウトロックとの繋がりを紐解く。のちのポストパンクに繋がっていくボウイの最重要期。
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デヴィッド・ボウイとクラウトロック⑤/ヒーローズ
2013年、長い沈黙を破り多くの人の不意をつく形でリリースされた「ザ・ネクスト・デイ」。そのジャケットはアルバム「”ヒーローズ”」を塗りつぶす形で白枠に「The Next Day」とタイプされた古参のファンをドキりとさせるものだった。デザインを考えてこのアルバムが選ばれているかもしれないが、表現者としてのボウイ自身のキャリアのピークとして「”ヒーローズ”」を選び、それを更新しようという意欲を感じ取
もっとみるデヴィッド・ボウイとクラウトロック⑥/ステージ
ボウイとイーノ それぞれの活動
ボウイはベルリンで暮らす中で、タンジェリン・ドリームのエドガー・フローゼやノイ!のミヒャエル・ローターとのプライベートでの出会いはあったものの、彼らを作品に起用するまでは至らずドイツの音楽からの影響はありながらもあからさまに音に反映させることはしなかった。「ダイアモンドの犬」でノイ!を模倣したようなあからさまな表現は、実際のところ「ロウ」や「ヒーローズ」では殆ど聴
デヴィッド・ボウイとクラウトロック⑦/ロジャー
ベルリン生活を終えて
ワールドツアーを終えた78年、ボウイとイーノ、ヴィスコンティはベルリンを離れ、スイスでレコーディングをスタートさせる。
それまでレコーディングの際に使っていたイーノのオブリーク・ストラテジー・カードが全く機能しなくなったのか「ロジャー」ではアルバム全体に疲弊と閉塞感がアルバム全体を覆っている印象がある。よく言えばバリエーション豊か、悪く言えば散漫な内容とも言える。
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