見出し画像

Book reviews over 10 years ago;Part4

10年前シリーズの書評は、とりあえずこの回までにします。
次の Book reviews は最近の普通のものにする予定です。

プロ弁護士の思考術

最初に丸善で平積みで見かけたときは「また、ハウツーものを売りさばこうとしている」と、手にも取りませんでした。
それから2週間ほどして棚積みになった頃、なんとなく手にとって最初のところを読み始めたら、なんか説得力のある事を書いているではありませんか。
目次に戻って章立てを見ると好奇心をそそられ、購入。
最初の部分はビジネスハウツーを中心に(考え方主体であるが)「交渉術」っぽいものが続き、それでも目新しいところもあったので興味を持ちながら読み進めていくと、最終章が作者の言いたかったことらしく「俯瞰、鳥瞰」に力を込めて書かれていた。
ここの考え方は、私もぼんやりと意識していたことが短いセンテンスで断定されていたため、とても同意。
著者のプロフィールを見ると勤め人から弁護士に転身した人。弁護士の中でもこのようなキャリアを持った人を何人か知っているけど、大学を出てすぐに法曹に入った人とはちょっと違うよね。 良い悪いではなく。
著者は還暦を過ぎている人だけど、人生に対して正しい努力をしてこの年になるとこのような考え方が自然に出てくるのだとすると、年を重ねることは有意義であると同時に、相当な努力が必要であると感じた。
(筆者が30~40代の頃からそのような意識を持っていたそうだが、それが出来るようになってきたのは50代に入ってからとのこと)


風林火山

家族が「大河ドラマでやっているから」という理由で買ってきた本を家族内で回し読み。
ドラマの方も何回か見たけど、原作の方が全然良い。(当たり前か?)
どうしてもTVだときれい事になってしまうところが多いし、結果的に人物の表現が薄くなってしまう。
今、出演している人たちの演技は素人目にもよいと思うよ、でもあの脚本と演出だとなぁ。
原作だと勘助はもっと人間的に悪い奴だし、晴信だって凄い女好きだし、もっと人間くささが出ている。
その場にいたこともないのに、自分の想像力だけでリアリティある時代小説を書いてしまう著者の力量は凄いと思う。
発表当時(昭和30年代)は、軽く見られていたというのは時代のせいか?


千年、働いてきました

4月は慌ただしく過ぎ去り、本の感想を書く暇もなく...
スポットを当てた会社(調査対象とした会社)は、妥当。
著者のそれらの会社に対する考え方もユニーク。
新書なのに多くの会社を取り上げることによって、個々の会社の説明が少なくなってしまったのは残念。
あと、この手の本にありがちだが何とか終章でまとめをしようとして、「えっ?」という結論を強引に出してしまうことによって、著者の物事に対する考え方の浅さが露呈している。
客観的事実を淡々と述べるだけでよいのに。


10年以上前のレビューを振り返って

この頃は、今より仕事も忙しかったと思いますが、マメに(生意気に?)書評らしきものを残していたことに、自分自身が驚いています。
自分の書いたものを読み返すと、忘れていた本の内容が薄らと浮かび上がります。

Part1で書いた通り、10年以上放ったらかしにしていたBlogをたまたま見つけたわけですが、試しにログインをクリックしてみたらGoogleさんが何かの処理をして(勝手に?)管理画面に入れました😅
「へぇー、アクセス件数も分かるんだ」と思いながら、一番アクセスが多かったレビューは、これでした。


ジョイント・ベンチャー契約の実務と理論―会社法施行を踏まえて

企業の法務担当者であれば、知っていることがほとんどであると思いますが、そうでない人がJVの交渉に加わることも多いと思います。
そのとき契約書の中身を法務担当者に「お任せ」にせず、積極的に自分の(担当部署の)思いを盛り込みたいときに、合弁契約に関わる会社法の最低限の理解は必要なわけで、そのような人にはぴったりの本です。
昨年、施行された(新)会社法は特に機関設計のところの自由度が増していますから、JV設立の忙しい時期に手際よくその辺のところを知識を押さえておきたい人にもお勧めです。

リンク先のAmazonをみると廃版の様です。
Amazonにも上と同じレビューを書いていました😅

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。