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読書・鑑賞記録

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読書とか作品鑑賞した時とかの記録、長めの語りしてるやつもあるよ
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2023年2月の記事一覧

2021年読書記録(13タイトル)

※手元のノートにある感想があまりに個人的すぎるため詳細は割愛。

「BANANA FISH ANOTHER STORY」
吉田秋生著
2021/02/27
・借りたもの。かなり良い。光の庭を読むことで向き合わなければならないものが増える。が、奥村英二の解像度がかなり上がる。

「ナイン・ストーリーズ」
J.D.サリンジャー著 野崎孝訳
2021/03/12
・サリンジャーを好きになってしまった本。

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「悲しみの秘義」

若松英輔著
2020/11/30

偶然書店で見かけて、帯の言葉のやさしさに惹かれて買ってしまった一冊。読んでみると、フランクルの夜と霧や宮沢賢治の詩など、私が好きな言葉たちばかり引用されていて驚いた。この本に書かれた言葉は本当にやさしさに満ちているので、心を落ち着けたい夜に読むとすごくいい。人生において、暗がりもかなしみも、それを持つことは不幸ではないと思えた。素敵な言葉たちに出会えてうれしかっ

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「家守綺譚」

梨木香歩著
2020/11/04

初めてこの本に書かれた文章に出会ってから数年経って、再び古本屋にて再会したので頭からきちんと読んでみることにした。景色、音、匂い、全て文章から湧き立つ。原風景を揺さぶられ、わからないものをわからないものとして受け入れる心意気のある世界観と、精神を養おうとする綿貫のあり方に脱帽した。こんなに素晴らしい本にこの年齢で出会えてよかった。若輩者にはとてもありがたく、なん

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「人間の土地」

サン=テグジュペリ著 堀口大學訳
2020/06/07

3年越しの再チャレンジでした。本当にいい本です。特に7章は星の王子さまと合わせて読むと解像度がめちゃめちゃ上がります。文章は難解で、まだまだ理解しきれていないところも多いですが、サン=テグジュペリが伝えてくれる景色が本当に素晴らしくて、空から見える世界はこうなのか、彼が見ている人間の本質はこういうものなのか、と思い巡らすことがとても楽しかっ

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「流浪の月」

凪良ゆう著
2020/04/13

本屋大賞受賞作、そしてどうやら、犯罪の話を扱っているらしいと聞いて、本屋に飛んでいって買いました。 自分の近くにいる人の笑顔や泣き顔が、違うものに見えてくるような感覚に襲われてしまって、読後は涙が一滴も出ず、ただひたすら空虚な想いで満たされているような気持ちです。 文章はきれいに整えられていて非常に読みやすく、作品のテーマとして通されている思想も極めて現代的だと

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「星の王子さま」

サン=テグジュペリ著 河野万里子訳
2020/03/06

サン=テグジュペリはちゃんと知っているのだけど、「人間の土地」しか読んだことがなくて、この歳になって初めて読みました。とても愛情に満ちた作品でした。砂漠で王子さまに会えたなら、「きみは大人がきらい?」って聞いてみたい。