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カルテットが大好きすぎる話。

こんにちは。mohanです。息を吹き返しました。
とんでもなく久しぶりにnoteを開きました。

とんでもなく月日が流れて、気が付けば大学も無事に卒業していました(笑)


唐突ですが、「カルテット」ってご存じですか?

そうです、弦楽四重奏のそれです。ドラマのやつです。

登場人物の巻さんもすずめちゃんも別府くんも家森さんも、
共感できる部分がありすぎて観るたびに頭抱えてます。(笑)

だめなところが好き。そう言い合える関係が人間っぽくて、
温かみを感じてなんか好きなんです。

私も言い合いたい。
だめだねぇー、だめだよねぇーって。(笑)


ぬぎっぱなしの夫の靴下はあの当時のまま。


巻さんの夫さん(幹生)が失踪した。

別府さんが巻さんの家のごみの回収で巻さんの家を訪問したとき。

脱ぎ捨てられたままの黒い靴下が目に入るんです。
あぁ‥と思いました。

普通なら、というか何が普通かなんて決めつけられないけれど、
洗濯機に入れず、そのままにしている所に、
巻さんの未練というか、執着心みたいなものを感じて。

胸がギュッと締め付けられた。
どうしようもなく解る自分がいたんです。

人が履いた靴下を年単位でそのままにしておくなんて一種の変態だし、通常モードならちょっと異質じゃないですか。笑

でも巻さんは洗濯機に入れられない。
私は靴下を入れられない巻さんを責める気持ちにはなれず、そっと抱きしめたくなった。

愛してる。愛してるけど、好きじゃない。
そう言われても、最後まで幹生に恋をしていた巻さんを、全力で肯定したくなりました。

私も過去に1人の人に執着して縋って、うざがられて距離を置かれたことがあります。笑

悲しいんですよ。温度感の違いを嫌というほど感じて、自分が抱えている想いと相手のそれが余りにも違っていて、でもどうすることもできない。

恋愛って自分とは違う人間との関わり合いだから、すれ違うこともある。わかっている。自分の思い通りになることの方が少ないです。

それでも何でですかね。誰かを好きになると、自分の期待に応えて欲しいと思う。応えてくれるでしょ?ってどこか傲慢になる。普段はとんでもなく小心者で臆病なのに。何処から来るんだろう。今でも解りません。笑


好きです。ありがとう。

別府さんの巻さんに対する想い。

ここにも表れている気がします。

別府さんは普段は落ち着いてて真面目でちゃんとしている。

だけどカラオケボックスで同じ会社の同僚から結婚するって打ち明けられた途端に、何かが彼の中で壊れていた。

受け止めきれず、自分の孤独や悲しみを持て余して、目の前の相手に縋るしかなくなったんだと思う。

ただのクズ男だと糾弾できない。そんな私もクズの一味かも知れない。
だって私にだって似たような部分があるから。


ティッシュの上で甘栗をむいて、巻さんのパーソナルスペースに置く。

何で自分じゃダメなんですか、自分の方が巻さんを幸せにできます。

そんな悲鳴が聞こえて来るようなシーンだった。


対照的なすずめちゃんと家森さんの関係。

エネルギーを奪うような感情の表出の仕方をする2人とは対照的に、すずめちゃんと家森さんはどことなく、親密感の恐れとか、臆病さみたいなものを感じて。

「これ、2人で行ってきてください」
そう言ってすずめちゃんは別府さんと巻さんにチケットを渡そうとする。

本当は別府さんと行きたいのに。なのにそんな素振りを1ミリも見せようとしない。
1ミリも見せていないはずなのに、そんなすずめちゃんの気持ちに家森さんは気づいてしまっているんです。

アルバイト先の同世代の人と鉄板焼きに行く約束したって嘘をついて。2人が遠慮しないように、自分に気を遣わせないように。

正直、すずめちゃん、好きやわ…って思いました。
大好きな人達の幸せのために、自分の欲求を胸の内に留めて、悟られないように振る舞う姿に、どうしようもなく親近感を覚えてしまう。

でもやっぱり人間だから、こぼれてしまうものがある。無様で、かっこわるくて、本当は立派なんかじゃない。

劇場の前に立ち尽くすすずめちゃんを見て、涙がこぼれてしまった。

白い服を着てナポリタンを食べる時、そっとエプロンをつけてくれた別府さん。夜中に一緒にコンビニに行って、アイスを選ばせてくれた別府さん。隣に並んで劇場に行って、そっと腕を組んだら微笑んでくれた別府さん。夢の中なら、どんな私も無敵だった。


そんなすずめちゃんの強さ、脆さに家森さんは惹かれていたんだと思います。

「好きな子がお腹空かせてるんで、買っていきます」
・・・食べたい。そんな想いが詰まったたこ焼き、私が食べたい。なんて。

押し付けがましくないのが凄いんですよね。

劇場で巻さんと別府さんが一緒にいる所を目撃した後、ドーナツホールの住処に帰宅したすずめちゃんのもとに現れたのが、家森さんだった。たこ焼きを持ってね。

鉄板焼きに行かなかったこととか、深く言及することもない。
巻さんも別府さんも家にいない状態の今なら、チャンスだと思うじゃないですか。

でも、間違っても「俺がいるよ」「俺を選べよ」的なことは言わないんです。(笑)
弱みに付け込んで、気持ちをこちら側に振り向かせようっていうエゴさがない。そこが愛おしくて、不器用で憎めないキャラクターだなと思ってしまいます。

とはいえ、すずめちゃんが劇場のチケットを2人に渡すときに奪い取って、「俺が行ってあげるよ」ってさりげなくアピールしてたのはかわいい。(笑)


「ちょっと、俺に告白してみて」

この下り、切なすぎてどうかしてしまいそうでした。どうもしないですが。(笑)

自分で自分の首を絞めるとわかっていながら、それでも1%の望みを捨てきれない家森さんが愚かで、悲しくて、愛おしかった。

ありがとう、ってこのシチュエーションで使うとこんなに鋭くて胸に突き刺さるんですね。



ままならなさが散らばっているから、響くんだと思う。

カルテットの何が凄いのかって、面倒くさいこととか、どうしようもないこと、ままならないよねっていう部分を表現することから逃げていない所にあると思います。

正直綺麗ごとだけ言ってふらふらしていたいじゃないですか。楽だし、表面上は体裁を保てるし、それなりに見える。

でも、それだけだと心の奥底までに届くものってあんまりないのかもしれないなとも思うんです。

逃げずに、表現するから深くまで繋がれる。
リアルな人間関係でも同じことがいえるような気がして、ぎくりとしているのは私です。(笑)

どうしても、SNSでキラキラした場面を投稿したり、反対にキラキラした場面を吸収したりすると、それが全てかのように思えてしまう瞬間があります。でも、そんなことないんですよね。

つい2週間前の私は、大学時代の友人と集まってイベントに出て、海鮮丼食べてソフトクリームも食べて、満面の笑みでウィンクしていました。

でもその日が終われば、私はパワハラで会社に行けなくなった末、4か月で新卒カードを手放した無職です。
どん底の中で、ウィンクしていました。言わなきゃわからない話です。

自分自身だけではなくて、人間として形を保っている以上、誰だって何かを抱えて、何かを壊して生きているんだと思います。この作品はそれをリアルに表現しているから、どうしようもなく惹かれてしまうんだと思いました。

多分、この先何度でも見返すと思います。

パセリ、ありますね。
パセリ、きれいですね。
センキュー、パセリ。


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