エジプトで轢き逃にあった話1(実話)

早いものである。
あれから3週間も経ってしまった、
すでにご存知の方も多いことだろう。さる2018年7月26日(日)22時ごろ、不覚にも、カイロの郊外、10月6日市(シッタ オクトーベル市)の高速道路でひき逃げ事故に遭ってしまった。
読んでいる方はすでにとてもややこしいことに気づかれたか。事故にあった日付が7月26日、事故に遭った場所が10月6日市(シッタ オクトーベル シティ)である。エジプトには国民の祭日に由来する地名、都市名、通りの名前、橋の名前が結構あるのだ。

その日(7月26日)、私はいつものショブラのカフェに集合せず、カイロ郊外の仕事現場(メリディアンホテル、10月6日市)に直接向かうことにした。理由は直接行くほうが一時間ほど集合が遅くなるからだ。ショブラ集合は19時半、現場集合は21時半。ショブラの時刻は出発の時刻でなく、何故だかメンバーが集合し始める時刻であるから、バスが出発するまで30分〜1時間ほどだらだらすることは明白なのだ。
さて、ショブラのカフェに集合せずに現場に直接行く、と言ってもほとんどの場合、そういう人は1人だけではない。ショブラの集合場所には行かず、直接現場に向かうメンバーも必ずいるのだ。仕事前に別の用事を抱えた人、現場の近くに住む人、自家用車など自ら移動手段を持った人などがそれに当たる。その日はラマダーン前より仲良くなったターメルというバック歌手の1人と、ギザのバスターミナルに21時ちょい前に待ち合わせ、軽く食事をしてから(もちろん彼のおごり)向かうことにした。
ギザのバス乗り場から走ること約30分、現場を少し過ぎたところでマイクロバス(15人乗りのトヨタのバン)を降り、反対側車線の現場に向かった。
信号も横断歩道も無い片側車線(5車線)の車道を渡り終え、広めの中央分離帯に足を掛けようとしたところで、大きなブレーキ音と衝撃音の後に続いて、私の身体は宙を舞った。

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