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おとなりのIT革命「中国ユニコーン列伝―シェアリングエコノミーの盛衰」


中国ユニコーン列伝―シェアリングエコノミーの盛衰 という本から、タクシー予約アプリ「滴滴出行」のインストールキャンペーンの話が面白かったので紹介。

タクシードライバーのスマホにインストールを強行

タクシー予約アプリの滴滴出行」。タクシードライバーとユーザーをつなげるアプリでは、まず最初に、アプリをインストールしてくれるタクシードライバーさんをどうやって確保するかが課題になります。日本だと大手タクシー会社と提携したりするのが普通ですが、滴滴出行はこれを人力で乗り越えました。

プロモーションチームが、駅で停車しているタクシードライバーに片端から声をかけて回ったのです。

彼らは一人一人、広場の前で停車しているタクシーの窓を叩いて、ドライバーにスマートフォンを持っているか尋ねた。ないと言われたら名刺を渡し、スマートフォンを持ったら連絡してくれるように頼んだ。あるとなったら即座に配車アプリのインストールを「強行」した。

こうして3ヶ月で一万台のタクシードライバーにアプリをインストールさせることに成功した滴滴出行に、チャンスが訪れます。2012年9月、北京は急な大雪に見舞われ、「タクシーの拾いにくさ」が話題になったのです。スマートフォンでタクシーを拾うことのできる滴滴出行が話題になり、同社は急成長を遂げました。

この記事は

この記事は、中国ユニコーン列伝―シェアリングエコノミーの盛衰 という本の宣伝のために書いてます。

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中国ユニコーン列伝は、テンセント研究所の方たちが中国のスタートアップ1000社余りを取材して内容をまとめた本で、ぼくのおくさまであるところの 古川智子 が日本語に翻訳した本です。

小さな出版社の悲しさ、ソフトカバー376ページで5000円超え、電子書籍なしという、購入にちょっと気合のいる構成なのですが、「でも買う価値がある!」と思っていただくために、しばらくの間、どんな事が書かれているのか内容を説明する記事を書いていこうと思いたちました。

記事で紹介できるのは本の内容のごく一部で、例えば今回紹介した第二章では、滴滴出行の話を導入に、日本でも話題になった自転車シェアリング、カーシェアリングなどの話が書かれています。

Uberやメルカリの創業期の苦労話はとても面白くてついつい読んでしまいますが、中国にも同じように、聞いたこともなかったような企業が世界を変えてしまったベンチャー企業の成功の物語がいくつも存在します。
そういった企業の歴史は、日本でベンチャー企業を立ち上げたい人、マーケティングについて知りたい人にとってきっと参考になるのではないかと思います。分厚い本ですけど、もしよかったら買って読んでみてくださいませ。

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