首都圏中受ボリュームゾーン20校の国語を解いた雑感

最難関校以外中受をする意味がない、そんな考え方は大っ嫌いなので、このお盆休みはひたすらボリュームゾーン校を解いていくことにします。各学校、明記していなければ一回目の入試問題を解いています。最難関校以外意味がないなんて言う講師はほんとにクソ!

※順番は、男子校・女子校・共学校・エスカレーター校のカテゴリーごとに並べています。実際の進学率はともかく、系列の大学のある学校はエスカレーター校に入れています。

◎男子校コーナー

○2019成城第一回

すっごく中堅男子校っぽい問題。知識題多め、記述も選択肢も短め。物語文は読みやすくて、本文に書かれていない心情を読み取る必要がなく、論説文の方が読みづらい。毎年出ているかは知らないけど、乱文整序に指定語句記述とちゃんと対策してきたらできるでしょと言わんばかりの問題。これこそちゃんと最後まで国語を投げずにやってきたかを確かめるための問題。夏から愚直に国語に取り組んでいたらできるようになるはずのレベルですよ!!

それなのに受験者平均は算数より0.7高くて、合格者平均は算数より6.8も低いってどういうことwwもっと取れるでしょうが!!結局、算数勝負かよ!

学校の意図としては、国語でふるい落とすのはまじめにやってこなかった生徒だけって感じです。しかし、全体的に国語ができないせいで差をつけようと思えばつけられる状況であり、それにも関わらず差をつけられるほど国語ができる子がいない(最高点85かよ…まあ初日だからみんな攻めた受験校セレクトの結果がこれなのかな)という奇妙極まりない状況ができあがっている入試でした。

ちなみに物語文のぬき出しはちょっと作りが甘いかな。塾の模試だったら別解ありますよとごねられそう。

※追記です。2020からぬき出しの出題が増え、漢字は減ったようですので、ご確認ください!

○2019巣鴨

うーん、好きじゃない問題。記述は本文の表現をそのまま使える問題が中心で、一問だけ(大問1の問6)本文に書かれていることから類推して書かせる問題があるという受験者のレベルに合ったいい問題だと思います。ただ、ぬき出しがね…学校解答もY様の解答もないので自分が解いたものだけで述べるのですが、一文でぬき出しなさいなのに会話文中の最後に句点がついていない一文が答えになっていたり、「頭の中で想像する(楽しみ。)」のように目的語が不足していたり、「だめだ(ということ。)」のように「だ」が抜けても答えとして成立したり…とにかく作りが甘いですね。ぬき出しばかりで、じっくり考えさせるというよりも作業感が強いですし、一生懸命勉強してきた生徒を作りこんだ問題で迎えるという姿勢は感じないです。(めちゃくちゃディスリましたね。志望している方々、申し訳ございませんー)

最高点が78点。難しいというよりも処理能力が追い付いていないだけです。ぬき出し問題が多いので、がむしゃらに本文全体から答えを探すのではなく、問題文をかみ砕いて答えがある場所をある程度推測する、推測できないような問題は後回しにするというような手際のよさは必要ですね。

○2017桐朋

いやあ、歯ごたえのある問題ですね。物語文で出題されたまはら三桃の「白をつなぐ」は名古屋のトップ女子校、南山女子でもほぼ同一箇所が同じ年に出題されました。さすがに問題自体は南山の方が難しいですけど、女子のトップ校でも出題されるような登場人物の背景に注目させるような文章で、本文中にはっきり書かれていない心情を字数指定なしで書かせるというのはこのレベルの男子にとってはかなり難しく感じられたかと思います。記述は字数指定がないのでかなり幅広い解答が作れますが、ぬき出しと記号選択はきっちり一つに答えを絞れる問題ばかりなので、取りこぼしはしたくないところ。脱文挿入が一問出ていますが、記号選択でなく、本文全体から一か所自分で探せという形式なので、これは落としてもいいかなと思います。論説文も良問ばかり。解答欄の枠が小さい短い記述が一番難しいかな。

残酷なことを言いますが、対策はないです。良問ばかりでくせのない問題なので、地力が素直に出ます。成城なんかは愚直にやればできるようになるよと言えますが、桐朋はそうは言えません。でも、愚直に国語に取り組み続けるしかないというタイプの問題です。問題入手の都合で2017年を解いていますが、19年から平均点が上がってますね。傾向が変わっている可能性があるので最新版のチェックも必要ですね。

個人的に、こういう問題を突破できる男子は心がイケメンであるだろう、あってほしいという思いがありますw

○2019攻玉社

大問3の知識題は癖がありますね。2字熟語の組み立てはともかく、重箱・湯桶読みが関東の学校で出題されているのを見たのは初めてかも。他の年度も大問3だけ見ましたが、必ずこれを出すというタイプではなく、とにかく捻った知識題を出しますよって感じなので対策は不可能です。文章題は難しくないので、ここは取りこぼしていいですよ。

文章題の作りは至極真っ当。記号選択は使われている語句の意味が分かれば迷うことはないですし、ぬき出しも別解が出ないようにきっちり字数指定がなされていて解きやすいです。70字の記述は相反する心情を答えに入れるパターンのものですが、傍線部の直前だけで大体の答えは作れます。いかにも男子校らしい、ちゃんとやっていればこれぐらいはある程度できますよねという問題です。合格者平均も66.4と真っ当。大問3がなければ70点超えるでしょう。

○2018高輪

いや、普通に難しいんだけど。R4の偏差値表見て、思ったより学校の偏差値が低くてさらにびっくり。今までに解いた他の男子校と比べると、成城・巣鴨・攻玉社なんかよりずっと難しいです。この偏差値でこの記述量(9問も出ています。60字が1つ、50字が2つで制限時間は50分。)だし、物語文の記述2題は書かれたことをそのまま読み取るというより、文脈から類推して書かなければいけないタイプだし、物語の記号選択(問3と10)は単語レベルで見極めていかないと紛らわしいのを消せないしですわ。合格者平均とかのデータを見つけられなかったのですが、これみんな点数取れていないでしょw論説文の方が簡単なので、そこでまとめて点数を取っておきたいですね。

桐朋と同じで奇をてらっていない問題なので地力勝負です。ただ、R4の偏差値上はそこまで高くないということを考えると、算数苦手な文系男子には狙い目の学校かもしれないです…

○2018逗子開成

成城もそこそこ知識題の比率大きかったけど、逗子開成はもっと大きいですね。首都圏でこんなに知識題を出すところは記憶にないです。文章題中の問題も含めると27問出題されています。たまたまこの年はってだけなのかもしれませんが、小学配当外漢字がたくさん出題されています、特に読みに。読みを出すってことは聞きなれない言葉を知っているかの語彙力をチェックしたいということなので、習っている・習っていないにとらわれず、幅広い漢字の知識は必要ですね。

たまたま高輪の後なのでこういう書き方になるのですが、偏差値と問題の難易度は一致しないといういい例ですね。R4で見ると、高輪は51、逗子開成は59。でも国語の問題は断然逗子開成の方が簡単です(中受は結構こういう不思議なことがありますよね)。ですから、当然平均は高くなります。150点満点で104.8点です。比喩的な情景描写をぬき出させる問題(大問3の問5)だけ男子にはちょっときついかなと思われますが、時間配分もそんなにきつくはなく、記述もそこまで重い問題は出ていないので、完全に正確性の勝負になってしまう感じかなあと思いました。

○2019芝

R4で59。ここから上のいわゆる最難関ゾーンにチャレンジにするにはいい試金石ですね。ここの問題を苦もなく解けるなら駒東や武蔵への道が開けますし、これぐらいの記述量で絶望するようであればここから上の学校の国語はもう海城と早慶しか受けれないですね。

兄弟校の東海と並んで記述偏重の出題です。記述は3つの段階があると考えていまして、1.本文の1か所をぬき出し、不要なところを削ったり、文末を整えたりして答える。2.本文中の複数箇所をつなげて解答を作る。3.本文中の表現を根拠に自分なりの表現で答える。の3つです。大抵の学校は2までできれば十分で、芝も最長で100字の記述が出ますが、2までで大丈夫です。3が本格的に必要になるのは麻布以上の学校からですね。ということでやはりいい試金石なんです。

とまあ芝より上のことを意識して書いてしまいましたが、ここを第一志望にしている方は、とにかく宿題で記述を書かせてください。たぶんここを第一志望にするレベルの男子ならペンが止まることもあるはずです。そんなとき、解答を赤ペンで写すようなことは絶対にやめてください。解答・解説を見てからでもいいから必ず自分なりの文を書きましょう。たくさんの記述を書いて、記述の答えのパターンを身に染みこませることが大切です。

芝が一番記述に寄っているので、ここで書きますけど、記述が多い男子校って国語苦手男子への救済ですからね。記号選択をバリバリに難しく作ったら、○か×かではっきりわかれちゃうんで苦手な子はぼろぼろになります。記述なら得意な子でも満点は取りづらいですし、苦手な子でも部分点は取れる。要は嫌いな国語を投げずに辛抱強く取り組んできた子は救われるようになっているはずなんですよ。

○2020本郷

芝と並んで最難関への門番という位置づけのイメージがあります。はっきり言って難しいです。問題の傾向は芝とは真逆で、海城や渋谷学園よりかな。共学校や女子校っぽい、記号選択でじっくり考えさせる問題です。問題自体は海城となら互角以上の難易度だと思います。合格者平均は52.0。ひっくいですねwそれぐらい練られた選択肢ばかりなので、国語得意で記号選択ならキレッキレの文系男子が算数をまとめられたらアップセットもあるかもと思わせる問題です。国語勝負になるのかなと思いきや、みんなできていないせいで受験者平均と合格者平均の差が約5点しかないですね。問題が難しすぎるせいで結局算数勝負になっています笑

何度も書くことなんですが、くせのない問題なので特別な対策はないです。地力をつけるしかない。ただ、勉強の方法としては他の記述に寄った学校と違い、がむしゃらに取り組めばいいわけではないから難しいところ。記号選択できっちり取れるようにならなければならないので、やり直しの際に本文中の根拠の部分だけでなく、正答以外の選択肢の細かな表現まで吟味しなければいけないのですが、男子が一人でそこまで国語をやりこめるかというとはなはだ疑問。ぱっと見た感じでは、芝の記述ごりごりの方が嫌だと思われるかもしれませんが、仕上げていこうと思うと本郷の方がはるかに大変だと思いますよ。

◎女子校コーナー

○2020光塩女子第二回

文章2題構成で、2つとも説明的文章(1つ目は説明的随筆かな)という珍しい構成。物語文を出さないことにどんな意図があるのか、それはちょっと学校に聞いてみないとわからないですね。合格平均が、算数が77点に対して、国語が53点。まさかの国語勝負の学校。別にそれを否定するつもりはないですが、大学進学実績は出ないだろうなと思ってHPで今年のを見たら、現役で東大と東工大が出ていておらびっくらしただ。でも、現役国公立進学者は13名だから私の印象は外れてはいないですね。

韻文と自由記述を出すあたりに中堅女子校っぽさを感じました。50分で100字の自由記述、50字の条件ありの記述、具体例を自分で考える字数指定なしの記述ととにかく書かせますね。平均点が低いのはこのあたりが原因。ある程度の書くスピードは必須です。自由記述は訓練さえしておけば本文の内容がわかっていなくても解ける得点源になるので、絶対に書きましょうね。

で、一つクレーム。「耳の文化」となにかを答えさせる問題がありまして、傍線部の直後にその「根源」が書かれているのに、学校の解答はその根源にまったく触れていません。その文脈でその解答書かせるのは無理です。もうちょっと違う問い方をしてほしいですね。

○2020カリタス

女子だからこれぐらいは出してもいいでしょという難しい良問が1問(物語文の最終問題で、主人公の故郷への思いを答える60字の記述)がある一方、なんでこんなことを問うのだろうというしょうもない問題も混ざっている不思議な構成です。学校の偏差値からすると記述量はかなり多め(記述は7問70字と60字が一つずつあり)なので、国語が苦手な女子は注意が必要かなと思います。合格者平均は64.1ということと学校の偏差値から考えると、60字の難しい記述は無視してもかまわないでしょうね。

30字ちょうどのぬき出し問題で、答えの最後が句点になっていたのですが、こういうの私はめちゃくちゃ嫌いです。こういうどうでもいいところで生徒がつまずいて、合否が左右されるような問題は作ってほしくないですね。

○2020晃華

非常に良心的な女子校っぽい問題。記述・ぬき出し一辺倒ではなく、文脈を読み取る空欄補充など多様な選択肢の問題が出ていますね。傍線から離れたところが根拠になる問題もあり、男子校ではあんまりこういうのは見ないよなあと感じさせられました。問題をもっと難しくできるのに(例えば「絶対的」・「相対的」を答える空欄補充では本文中に「絶対」・「相対」を少し残している)、そうしないあたり学校が自分の立ち位置をわきまえているような気がします。合格者平均は74.1と、非常に妥当。ちょっと国語ができるけど、算数はいまいちなボリュームゾーン女子にぴったりな問題になっていますね。

つまり、結局は算数勝負でございます。

◎共学校コーナー

○2020森村学園

問題自体は非常にオーソドックス。学校HPで正答率一覧が見れますが、予想通り、読解よりも知識の方が正答率が低いですね。熟語や和語の知識を身につけ、普通に勉強していけば、普通に合格平均は取れるだろうという問題です。癖がなくて特に何も言うことがないですw

他の学校にも言えることですが、この時期に20年度入試の問題をアップしていたり、それだけでなく正答率一覧まで載せていたりするということは生徒を集めるための努力をしているということだと思うのです。案外、こういう学校の説明会に行ってみると学校の先生に熱心に口説かれて印象が一変するかもしれないです。(実際の校風は知らないので、無責任な言葉ですが笑)

◎エスカレーター校コーナー

○2020中央大学付属

長い、とにかく文章が長い。記述もぬき出しもないので時間不足にはならないと思いますが、正直だるくなりましたねw記号選択中心の問題自体はちゃんと読んでいれば解けるものばかり。迷ったのは2問ぐらいしかありませんでした。記号選択の問題ばかりなので、基本的に傍線部の直前直後を読んでいけば問題は解けます。ただ、学校側も飛ばし読みなどさせないように本文全体を要約した文章についての記号選択を各大問の最後につけていますね。いちいち本文にもどって細かく見直してとするほどの難易度ではありませんし、そういうことをしていると時間不足になるのが怖いので、長い文章でも一回の通読で要点をチェックしながら読み進める能力は欲しいですね。

結局のところ早慶の付属もそうなのですが、速さと正確性の勝負です。この系統の問題って正直、対策で何をするべきかってよくわかっていないんですよね。記述が出ないからって普段から記述書かなくていいかといったら決してそんなことはないかと思いますし、ひたすら長い文章で記号選択という同じ形式のものを解いていれば力がつくとも思えない。普通に塾の宿題やって普通に地力をつけていけば(それが難しいんだよ!という突っ込みはちょっと待ってくださいw)、普通に解けるようになると思うのです。

○2018立教池袋

これは国語なんだろうか…国語というよりクイズというかなぞなぞじゃね?っていう問題が出てきました。きゅうりの漬物、「むすびや」という店名、さあ何を売っている店でしょうか?ってこれ国語なん?そこからさらに鰹節で何をつくるのでしょうか?おかか!!って…(絶句)玄関を使わずに縁側などから家に入るのは「職人」・「子供」以外誰ですか?という問題で、「寅さん」の具体例しか本文にないよな。でも、さすがに「寅さん」なんてふざけた答えはないよな。「旅人」?ぐらいでいいんかな、とりあえずググってみようとして出てきた個別のサイトの解説が答えを「寅さん」にしているようで二度目の絶句。

はっきり言いましょう。文章3題に韻文1つという構成もよくわかりませんし、一問一問は重くないくせいにいきなり変な問題を出してきます。悪問です。独特のスピード感も必要ですし、悪問に対するスルースキルも必要なので、志望順位が高いのであればそこそこの年数(といっても6年分ぐらい?)の過去問はやっておいたおいた方がいいでしょう。悪問の対策は悪問でしかできないのです。

○2019立教新座

池袋の後に解いたから、どんな問題が出てくるかめちゃくちゃ構えましたが普通の国語でした。よかったです。申し訳ないのですが、本当に普通すぎて特に語ることはないですw夏から愚直に国語に取り組んでいれば、今は国語が苦手でもできるようになるはずですよという問題です。

一つだけ気になったのは、やたらと小学配当外漢字を書かせたがりますね。全部で4問も出ています。各塾のテキストにある程度出題されたことのある配当外漢字は載っているかと思いますが、配当外漢字の出題を予測して対策するのは不可能ですし、時間の無駄です。もし間違えたとしても気になさらないでください。

○2020帝京

エスカレーターのカテゴリーに入れていますが、実際帝京大に進学する生徒はそんなにいないんだろうなあと思って学校HPを見たら、それはその通りでした。で、入試問題を解いてみたらめちゃくちゃ簡単。R4で53に位置付けられているけど、この偏差値より下でもっと難しい問題を出すところはいくらでもありそう。この問題じゃ外部受験できるような生徒は集まらないでしょと思って再度進学実績を見ると、センター利用で大学入試しているのは約2割。なるほど、私立大に推薦入学するというのがメインになるのか…

なんかよくわからないんですよね。R4見る限り、帝京が53で中大付属が54なら中大付属受けませんか?外部受験も大して強そうではないのに、帝京は53をキープしている、つまりある程度の人気があるんですよ。その人気の理由は入試問題を解くことでは探れませんでした。

○2020桜美林

エスカレーター校として機能しているかはわかりませんが、内部進学あるんでこのカテゴリーにしておきます。

出た、受験者層より難しい問題を出すパターン。そりゃ合格者平均が6割切っちゃうよ。なんか、関西の中堅校みたいな問題ですね。知識題多めで脱文挿入・乱文整序あり、記述は短めで簡単。物語の記号選択はなかなか迷いますし、論説文のぬき出しは答えが傍線部から遠かったり、答えに使われている言葉が難しかったりで、ちょっと探しづらいです。これはもう知識をがっちり固めた方が合格が近いです。どうせ読解の問題数は少なくてそこまで大きな配点にはなっていないと思いますから、ある程度落としても仕方ないと割り切って、がりがり知識を詰め込んで入試に向かいましょう。

○2020明治大学付属明治

※以下、めちゃくちゃにディスると思います。閲覧注意です。

あー、嫌い。めちゃくちゃ嫌いな問題です。今回、問題を解くにあたり、大体が制限時間50分のものを25~30分で解いていますが、ここだけ40分超えましたね。理由は単純、文章がだらだら長い。論説文一題で約14000字。長いくせに、問題を解く段階で長い文章を読ませる必然性が感じられない。記述が多いですが、抽象表現の説明や指示語の説明がほとんどで、傍線の直前直後だけで解けるものが多いです。じゃあなぜ無駄に長い文章を出すのか。さっぱりわからないですね。精読する必要はなく、ただただ速読を求められていて、取り組んでいる際中は文章を上滑りしていくようで気持ちが悪かったです。途中まではちゃんと読んでいたのですが、後半からはほとんど流し読みでした。それでも問題解けますしね。こんな問題で国語力を測られる受験生がかわいそう。問題を解けたときの充実感とかまったくないです。

他のエスカレーター校との併願ということを考えても、問題傾向が違いすぎてパターンが組みづらいですね。早慶組ならスペックで押し切ってしまうのかもしれませんが…。中大付属が本命で2日目は明大明治とかはおすすめしませんね…。この問題がはまるという子はほぼいないと思いますが、はまらない子はたくさんいると思います。文章を読むこと自体が苦痛という子にはきついです。他の教科でずばぬけて取れるというのでなければおすすめしませんね。私は過去問との相性という考えには否定的なんですが、ここは乗り越えられない相性差があるかもしれないと思います。

対策はとにかく速読の力をつけ、傍線部の近くだけ精読して問題を解くという要領の良さをみにつけること。論説文の超長文なので熟語の語彙がないと読むのはつらいです。あとは具体例とまとめを分け、具体例はさらっと読み流すぐらいのスキルは必要かな。

○2019芝浦工大付属

工業大学の付属なのに、詩や自由記述といった文系っぽい問題を出しますね。詩は比喩や細かい表現の読み取りがあり、受験生のレベルからすると難しいと思います。

って書きながら学校HPの入試結果を見たら、2019の一回目って過去3年で唯一合格者平均が約5割になった失敗入試じゃんwいやあ、なんか違和感あったんですよ。韻文が難しかったり、記述が別解出そうな作りだったり、ぬき出しの答えが気持ち悪い終わり方をしていたり。点数を見たらなるほどとなりました。

ちょっとディスり気味ですが、そんなに悪い問題ではないですよ。大問が五つ(物語・説明文・詩・知識・漢字)出ているので、後ろ三つから片付けましょう。詩はある程度みんな落とすと思うので、わからなかったとしてもとっとと先に進んでください。対策もそんなに要りません。他の学校では出ないのに、ここだけのために詩の対策をがっつりやるというのは、時間というリソースを有効活用できているか微妙ですから(がっつり第一志望なら話は別)。自由記述は結構条件が細かいですね。ここまで細かい条件はあまり見ないので、過去問でできるだけこなしておきましょう。取り組む時間が取ればければ自由記述だけやるのでも構いません。

○2018神奈川大学付属

ある程度解き進めてきて見えてきたことですが、エスカレーター校で内部進学率が高いところは独自路線の問題を出しますよね。早慶・明治・中央とか。神奈川大付属(神大付属って書くのちょっと抵抗あるんですよw地域柄です)はその点、非常にオーソドックスな問題を出しますね。大学受験を目指す他の私学と同じような問題です。進学実績を見る限り、普通に外部進学させてますよね。内部進学させる学校は、中学受験の時点で本気の志願度を見せてほしいということですかね。その功罪はありそうですけど。

ちょっと脱線してしまいましたが、オーソドックスな問題なので特別な対策はないです。ですから、一日目午後や二日目の受験校としては対策に時間を割かなくていいので打ってつけかもしれませんね。

◎最後に

とりあえずツイッターでリクエストいただいた学校を解いてみました。しかし、首都圏のボリュームゾーンなんて20校でカバーしきれるわけがないです!!特に今回女子校が薄くてちょっとさびしいですね。次は首都圏上位女子校と関西を予定しているのですが、もし解いてみてほしい学校がありましたら随時募集していますので、ツイッターにてご連絡ください。

記事の最後に「サポートをする」とあります。今回の記事にお金を払う価値があると思われる方は、そこから投げ銭をしていただけると幸いです。私の中受の対する知識・経験にいかほどの価値があるかを知りたいのです。よろしくお願いします。

疲れた疲れた疲れた疲れた疲れた!!!!!!

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