市販の国語テキストの書評をしてみた①

僭越ながら、市販のテキストの書評をしてみます。みなさまがなにかテキストを買われるときの一助になれば幸いです。今回、扱うのはこちら!

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・対象学年 5年生以上

実際に入試で出題された文章を使っているので、4年生なら難しく感じられると思われます。5年生でも国語が苦手な子だと文章によってはきついかな。

・難易度 ★★★☆☆

入試を見据えてという意味ですと、ボリュームゾーンの学校の過去問を使用していて標準という印象ですね。裏を返すと、この問題集はあくまで土台を固めるためのものであって、これをやったら最上位校の問題を解ける力がつくというものではありませんね。

・方法論 ★★★★★

この本の最大の魅力かと思います。文章を読むうえで気をつけるべきことが一通り書いてあります。それを実際の文章で図示して、どこに印をつけるべきかが説明されているのもとてもよいです。

・方法論と例題のリンク ★★★☆☆

方法論と実際の文章の関連性がないわけではもちろんないです。ただ、前述した読み方を図示して見せる部分のボリュームがやや薄く感じられて、びっちり印をつけて意識づけさせた方が、読み方の方法論という良さをより生かせたのではないかと思います。結局は学んだ方法論を本人、または本人と親が意識して別の文章でやりこまなければいけないかなあと思われます。

・演習量 ★★☆☆☆

全十二回で単元分けされていて、各回文章は一つです。本気出せば半月経たずに終わりますね。そういう意味でもこのテキストはあくまで読み方の導入書であり、がりがり解いて問題を解いていく精度を上げていくものではありません。

・解説の丁寧さ ★★★★☆

この本の2つ目の売りが、板書のように解説も図示してくれているところです。=や→を使って解説しているので、文だけの解説よりも国語が苦手な子にはとっつきやすいと思います。ただ、そういった解説がやりやすいのは記述やぬき出しであって、記号選択では図示というコンセプトを生かした解説になっていませんでした。記号選択の解説に他のテキストとの差別化がなかったので星を一つ減らしています。

○こんな人におすすめ

高学年で国語が苦手、読み方の基本が身についていなさそう

塾の国語で何をやっているかわからない、家で国語をさせたいけれど何をしたらいいかわからない

○この本を使う上での注意点

非常に大事なことなんですが、この本は本体にステップ①読み方の方法論、ステップ②文章の読み方の図示、ステップ③問題の解説を図示で、別冊に問題という構成になっています。ステップ②の読み方の図示と別冊の問題は同じ文章を使っていますが、ステップ②には全文は載っていません

どのタイミングで問題を解けばいいのだろう、そんな疑問が出てきませんか?私の読み方が甘かったのかもしれませんが、それがはっきり書かれていないのですよ…常識的に考えてステップ②の前後ではあるのですが、構成をちゃんとわかっていないと問題を解く前に解説を読んでしまうことになるのでお気をつけください。

もう一つあげると、ステップ①の内容は充実しています。充実しているということはそれなりに量があるので、国語が苦手な子はそこを読み飛ばすという本末転倒なことをしかねないので気をつけてください笑

以上になります。お値段は税別1200円。もう少し演習量があると一冊で完結しているという印象になるのですが、お値段的にはこんなところなんでしょうかねー。

他に気になる点などありましたら、こちらでも

税別1200円は現在、自腹となっております笑。このレビューが役に立ったと思われましたら100円チャリンといれていただけると幸いです。(それ以上はいいですからね!!)


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