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パンケーキ程度の興味と感心

自分でもこんなにもストーカー気質などは思ってもいなかった。
彼の、SNSというSNSをくまなくチェックしてしまう。

どんなことをつぶやいているのか
どこにでかけたのか

逐一投稿をチェックする。

我ながら気持ち悪い。
こんな人間なんだと自分でも驚くくらい。

彼のことを好きなのかと問われると、そうでもないような気がする。
セックスしたいかと聞かれれば、答えはNOだ。
でも、なぜだか気になる。

こういうことをしたら、彼はどう思うだろうか。
なんて声をかけてくれるだろうか。
彼ならどうするだろうか。
そんなことばかり考えてしまう。

彼は喫茶店が好きだという。
カフェではなく、あくまでも喫茶店。
わたしも好きだと伝えると、ここの喫茶店がいいですよ。パンケーキもおいしい。と教えてくれた。

今日はそこに一人で来ている。
シンプルで美しいパンケーキ。
ナイフをいれると、さくりと小気味よい音がした。

バターと小麦の香り。
しっとりとした食感は、どこか懐かしさを感じる。
こういうのが好きなのか。
なんて感想を伝えよう。

そんなことを考えながら、またSNSで彼を追う。
今日は彼女とでかけているみたい。

そう、わたしは彼にパンケーキ程度の興味と関心があるのだ。
恋ではない。決して違う。
この年で傷つくのはつらすぎる。
もうどうやって立ち上がっていいか、思い出せない。
だからわたしは、自分で自分に線を引く。

そう自分に言い聞かせて、乱暴にパンケーキにナイフを入れた。

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