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特徴を知ると見る目が変わる!

現在絶賛クリスマス企画展中の館内。

淡水コーナーでは「恋(コイ)」に因んで鯉(コイ)を集めた企画展を開催中です。

水族館では地味な展示と思われがちな淡水魚の水槽。

主な理由として、

  • 色が地味

  • 他魚種と違いが分からない

  • 写真映えしない

など色々挙げられると思います。


確かにチンアナゴやハコフグのように特徴的な見た目かつ、どこか愛嬌を感じさせるような魚は海水魚に比べて少ないと思います。

ただ、特徴を知れば見る目が変わる面白い魚がいることを知っていただきたい!

例の一つとして紹介するのがこちらのギンブナ。
岩手県や久慈川水系にも生息が確認されているコイ科の淡水魚です。※

うわ、地味…という見た人の心の声が聞こえてくるようです。

ギンブナ

実はこの魚、メスがクローンを作って増える魚なのです。

正確には単為生殖と言って、卵の発生にオスの精子の刺激(カギ刺激)が必要なものの、ギンブナのオスでなくてもキンブナやゲンゴロウブナといった近縁種の精子でも卵発生の刺激の代替可能という、なかなか面白い特徴をもちます。

子供の遺伝子はメスの遺伝子のみなので=クローン魚となるわけですね。

こんなに泳いでいるけど元々は1匹のギンブナのクローンだったと考えると、ただの地味な魚から見る目が変わってきませんか?

そういった見た目+魚の情報もしっかり伝わるよう解説も工夫していきたいと思います!

クリスマス企画展で展示中のギンブナの解説

クリスマス企画展であちこち写真映えするような装飾・展示もありますのでぜひ見に来てくださいね。


※参考:岩手県三陸沿岸を流れる小河川に生息する淡水魚類相 鈴木正貴 総合政策 第17巻第2号(2016)pp. 197-208


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