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嫌われるのが「広告のスタンダード」な時代。

広告というのは見たい人が見るものではない。だからこそ、興味を持っていない人でも見てくれるようなものをめざして作られる、というのが前提だ。キャッチコピーに共感し、ビジュアルに驚嘆し、ポスターのデザインやCMの映像美に魅了されたり笑わされたり。「CMに出てた可愛い子は誰だ」とか「この広告バカすぎて面白い」とかの話題がネット上をにぎやかすこともある。

ただ、最近多くなってきている「プレミアムプランならば広告なし」というパターン。一定額を払えば広告を見なくて済むということは、「金を払わないならばイヤでも見なければいけないもの」の地位に広告があるということだ。

「広告ってうるさいでしょう、見たくないでしょう、だからお金を払えば見なくてすみますよ」というプランなわけで、広告制作者からすると悲しくなるだろう。とはいえ逆に言うと「広告さえ見てれば無料で楽しめるサービス」なわけで、よほど広告嫌いな人でなければそのまま使用しているのではないだろうか。 実際Youtubeプレミアム会員は2020年時点で200万人ほどだった模様。世界規模からすれば低い数字といえる。その一方で広告費の売上は60億ドルもある。詳しくは以下記事。

お金を払う人は広告を見なくなる一方で、お金を払わない人への広告はものすごく増えているというわけだ。
そこで気になるのが広告の内容だが、ぶっちゃけYoutubeの動画に挟まれる広告は総じて「情報弱者を狙った詐欺くさいもの」が多い印象がある。
だらだらとYoutuber動画を垂れ流して見ているような人間なら「FX投資がアプリで楽々」 「サプリ飲むだけでどんどん痩せる」みたいなうさんくさい広告にも飛びつくだろう、みたいな思惑が透けて見える。
ただ飛びつかない人にしてみれば、明らかにうさんくさいものがどんどん流れるわけで、さっきまでアーティストのMVでいい気分になってたら次の瞬間には「毛がボーボーで彼女に振られてしまった」みたいな広告を見るはめになる。
まあそれが嫌ならプレミアム会員になれよという狙いを考えると、むしろ面白い広告じゃないほうがいいわけだが…。
しかしどいつもこいつもJAROに通報されそうな内容だが、テレビと比較するとネット広告は特にこういったうさんくさいものが多い。「クリック数=正義」という図式もあるからだろうか。誤認させたり驚かせたりエロっぽくしたり、九スポの見出しよりもはるかに紛らわしいものがあちこちのバナーに出てくる。

おそらく、さすがにそろそろ基準が厳しくなってくるのではないかと思うが…。 Youtubeでは昔の名作CMを集めたものもあったりするが、こういった紛らわしいだけのCMが、10年経って「また見たい」と思われることはないだろう。「広告は売れることが正義」「きれいなもの作ってもクリックされなければ意味がない」みたいな論調もあるだろうし、それも一つの真実ではあるが、表現として人の心に訴えるのであれば、どうせならいい訴え方をしたほうが…と思う。

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