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おすすめインディーズゲームレビュー 「ENDER LILIES」(エンダーリリーズ)

気づけばインディーズのメトロイドヴァニア系かローグライト系ばっかり手を出している。というのもその面白さを占める部分が非常に好みだからである。

「少しずつ広がる探索の楽しみ」
「徐々に強くなる成長要素のバランス」
「難しすぎないアクション」
「長すぎないプレイ時間」

並べてみるとこんな感じ。そしてそれぞれの要素は作品ごとに幅があるのだが、 「ENDER LILIES」は驚くほど全ての要素がバランスよく整っていた。
例えば、同型のゲームでいうと「ホロウナイト」は難易度が厳しいのに加え再挑戦のハードルが高く、「深世海」 は成長要素が薄い、というか感じにくかった(武器が増えたりとかはあるのだが、2段ジャンプができるとかの分かりやすさがない)。

「ENDER LILIES」はダークな世界観と精細なグラフィックに加え、上記の要素が非常にピッタリと自分に合う造りだったので思い切りハマった。

主人公の「リリー」はか弱い雰囲気の少女だが、黒騎士が常にそばに控えており、攻撃はそちらが行う。攻撃時にだけ姿が見えるので、イメージとしてはジョジョのスタンドに近い。基本的にはこの騎士による剣の攻撃で敵にダメージを与えるが、段々とスタンドが増えていき攻撃方法が多彩になる。毒の霧を出したり、エネルギー弾を撃てたりといった具合。

そして大きく根幹のアクションに関わる部分、2段ジャンプやダッシュなどができるようになるためには、ボスを倒していく必要がある。これが非常に歯ごたえがある。

はっきりいってめちゃくちゃ上手い人でもない限り初見ではまず倒せないだろう。何故かというとボスの攻撃パターンが何種類もあるからだ。2度斧を振ってくるから攻撃するのは2度回避してから、とかそういったパターンを記憶しないとなかなか難しいと思われる。かつ体力が減ってくると変身してさらに攻撃が苛烈になったりするので、「よし、ようやく体力を7割くらい減らせるようになったぞ!」と思ったらそこからがクソ強くて延々再挑戦、ということもある。
正直諦めかけたボスもいた。それでもクリアできたのはこのゲームの設計の上手さがある。

●再挑戦がラク
たいていボス戦のすぐそばにセーブポイントがあるためやられても再挑戦しやすい。「あ~またあの雑魚敵を倒してあのアイテム取り直さないと…」みたいなことがない。

●ペナルティがない
死んでもセーブポイントまで戻るだけで、所持していたポイントやスキルを失うことはない。ただひたすらボスに挑める。

●攻撃パターンを記憶すればだんだん追い込める
もちろん分かっていても完全に同じパターンで動くわけではないのだが、「近距離攻撃ならAかBパターン、遠距離ならAパターンだけ」といった情報を覚えていくことでだんだんと対応できるようになる。

●どうしても厳しければレベル上げできる
レベルが上がりやすいのも特徴。攻撃力が低すぎてキツイとか、1発食らったら瀕死とかなら多少回り道してレベル上げをして再挑戦でもよい。

●スキルを見直して挑める
普段使ってなくてもそのボス戦においては有効なスキル、というものもある。そのあたりの発見が面白いところだ。

…ということで歯ごたえがありながらも再挑戦しやすい作りで、段々と2段ジャンプや空中ダッシュなど新しいアクションを手に入れて探索範囲を広げていくあたり、まさに正統派メトロイドヴァニア。
いろんなものが汚染された世界でなぜリリーは活動できるのか、断片的な手記などを集めながら読み解いていくのも興味深く楽しめる。

注意点としては
●雑魚敵も結構強く、ゴリ押しだとすぐ死ぬ
●最終盤になるとさらに難度が上がる
●まあまあ下手でもなんとかなるが、根気はいる
というところであろうか。自分の場合、一番苦戦したボスは多分20回以上やり直している。ラスボスは最終強化されていたからか3回くらいでいけたが…。

いずれにしても良作なのは間違いない。オススメです。


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