野球ファンの終わらないタラレバ

ちょっと前に「東京タラレバ娘」というマンガがヒットした。ドラマにもなっていたので知っている人も多いだろう。

まあ要するに恋愛に関して半端な願望をタラレバで語っていたりするマンガなんだが、タラレバといえばこの作品、となると少々違和感がある。昔から「タラレバといえばプロ野球だろ！」という思いがあるからだ。

「さっきの配球カーブだったら打たれなかった」
「もう少し審判が低めを取ってれば」
「ケガさえなければ４番打ってた」
「このピッチャー、ストレートがあと5キロ速かったら」

もういくらでも出てくる。
カープファンなので自分の言うタラレバはほぼカープについての話だ。
「堂林がもう少しメンタル強ければ」
「ジョンソンがカッカするクセさえなければ」
「あんなに外一辺倒のリードじゃなかったら」
「小園がうまく育ったらショートは今後も安泰」

なおタラレバというのは結局「言っても仕方ないこと」なわけだが、じゃあ言わないほうがいいのかというとそうとも言えない。なぜなら、これも一つのプロ野球の楽しみ方だからだ。だいたいプロ野球ファンというのはみんな自分が監督になったつもりで好き勝手言う存在である。じゃあお前が指揮をとってみろと言われれば苦笑いですますだろうが、大半は言っても仕方ないこととわかっていながら言う。それはそのぶん感情移入しているからだ。
昔のCM（たしかモルツ）で、桂ざこば演じる阪神ファンが「川藤出せ！川藤！」と代打を強く要望しておきながらいざ出して三振すると「ホンマに出してどないすんねん」と文句をつける内容のものがあったが、まああんな感じ。

というか本気で「自分が指揮をとったほうがいい」と思っていたら単に危ない人である。

今年は毎年言われていたであろうタラレバ、「堂林が覚醒したら」というのが現実になりつつある。これを書いている時点ではチームが最下位なのでのほほんとはしていられないのだが、まずは長きに渡る苦労が実を結んだ堂林に期待したい。

もしこのまま好調を維持できたら夢の4割打者が……。このタラレバどう出るか？