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カール・ウィルソン


自分が人生で1番見た動画だ。

高校2年生の時に「陽だまりの彼女」という小説を通してビーチボーイズを知った。
作中ではwouldn't it be nice(素敵じゃないか)がフィーチャーされていて、ヒロインがこの曲の素晴らしさを主人公に滔々と説明をするシーンがある。
読み終えて感動したのと、そんなにいい音楽なのかと思ったのとあってTSUTAYAに行き、wouldn't it be niceがトラックリストに入っているアルバムを適当に借りた。
(後でラブソングだけを集めた企画盤だと知った)
そのアルバムを通して他の曲にも触れる中でたちまちリピートして聴くようになったのがdarlin'だ。

一度ハマると凝りずにいられないタチなので、ライブバージョンを検索して見つけたのが冒頭の動画だ。
オリジナルと比べて大幅にアップテンポかつソウルフルに歌う姿が本当にかっこいい。
あまりにも好きすぎて、高3の文化祭で金管の有志バンド組んだ時に、自分で編曲してまでして演奏した(させた)くらいだ。

未だ1番好きな歌手は誰かと聞かれれば頭に浮かぶのはカール・ウィルソンだ。
正直カールが歌っていさえすれば全ていい曲に聴こえるというくらい自分でも妄信してると思う。

歌声だけじゃなくて、滲み出る人柄にも気持ちがあたたかくなる。
メンバーの中で最年少なはずなのに、最も穏やかで成熟した表情に見えて、それがかっこいい。
(実際、音楽面でのリーダーである兄ブライアンが病んでフェードアウトした後は、カールがライブバンドを取りまとめていったそうだ)
沢山のライブ動画を見るなかで一際この人がお気に入りになっていった。

冒頭の動画は、当時使ってたipod nanoにyoutubeから落として何度も見た(当時はそういうことができたんだった)。
受験生時代にも何度となく励まされてきた。

自分がこんなに美しくたくましく歌うことは、とてもできないなあと思う。それだけに永遠の憧れだ。

もうこの世にいないのが本当に悔しい。
一度でいいから生で聴いてみたかった。

「陽だまりの彼女」で取り上げられるwouldn't it be nice(素敵じゃないか)。
オリジナルのボーカルは兄のブライアン・ウィルソンだが、ライブではよくカールがリードを取っていた。

日本でのライブでの動画がアップされているが、これも大好きなテイクだ。
(上の動画よりも歳を取った感があるが、これはこれでかわいい)
(多分人生で3番目に見た動画)

カールの歌声が世に知れたのはgod only knows(神のみぞ知る)ということになるのだろう。
wouldn't it be nice と同じアルバム「ペットサウンズ」に収録されている。
もちろんオリジナルも好きなんだけど、晩年の少人数編成でやっているテイク(人生で2番目に見た)が何とも言えない。
書きながら見てたら涙出てきた。

こういうかっこいい歳の取り方をしたいな。
いややっぱり生で見たかったな…。

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